ブラック・バニーズ

Kyrie

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続編

第19話 続編 A wondering boy

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ブラック・バニーズのフロアの明かりがほぼ落とされた。
従業員は帰り支度を始める。

バニーズには簡易だがカーテンで仕切ることができる更衣室があるが、「そこは狭くていやだ。どうせ男ばっかりだからいいじゃん」とバニーの一朗太は他の黒服と共にロッカールームで着替えをするのが常だった。

ロッカーが近い最近入ってきたばかりのバーテンダーの穂積・N・祥英が、一朗太の横に来て「お疲れーす」と着替え始めた。
日に焼けた肌とくっきりとした二重の黒目がちの目が印象的だ。

「穂積さん、焼けてますね」

「うん?
ああ、前の店からここに来る間にちょっと休んでハワイで泳いだから焼けちゃって。
もともと色が黒いんだけど」

一朗太の問いに答えながら穂積は自分のシャツを羽織り、黒服のスラックスを脱いだ。

「そうなんですか?
どれ」

一朗太は興味津々に穂積のボクサーパンツの端に人差し指をひっかけ、くいっと下げた。

「ぎゃあっ!」

穂積があげた声には反応せず、一朗太は腰を折ってのぞき込む。
褐色のきれいなカーブを描いた腰骨としっかりと凹凸のある外腹斜筋が現れた。

「あ、なんだ、結構白い。
水着はビキニなんですね。
エロ」

一朗太は下着の中の細い水着の日焼け跡を見ながら、淡々と言った。

「ちょちょちょちょちょっ!!!」

穂積が慌てて一朗太から離れ叫んだ。

「なに騒いでる?」

と、バーテンダーの長谷川がロッカールームに入ってきて、二人に声をかけた。

「長谷川先生ぇ、一朗太くんがあたしにセクハラするんですぅ」

穂積がふざけたように言うと、

「いや、どれくらい日焼けしたのか知りたかったから」

と真面目に答える。

「こら、一朗太!
おまえ、バニーとしての自覚あるのか?
きちんと更衣室で着替えろ」

「…はい」

体育会系の一朗太は大先輩の長谷川の言葉には静かに従った。

「ほらほら、行ってこい」

一朗太を無事に更衣室に向かわせた長谷川は穂積に言った。

「悪かったな。
あいつ、好奇心旺盛なヤツでさ」

「あ、はい。
驚きましたけど、大丈夫です」

「もっとバニーとしての自覚が出るといいんだけど」

長谷川はぶつぶつ言いながらどんどん着替えていく。

「おい、穂積もさっさと着替えろよ。
鍵閉めるぞ」

「はい!」

穂積も自分のジーンズに足を通した。



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