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第1話
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「なにが夢を届ける仕事だ。こんな会社辞めてやるっ!」
そう叫んだ途端、三郎太は仕事も住むところもなにもかも失ってしまった。
三郎太はサンタクロース見習いとして、高校を卒業して今年の6月からこの仕事に就いた。
「クリスマス・イブに世界中の子どもたちにプレゼントを配るサンタクロース」は、人口が増えた今では一人では足りず、複数人のサンタクロースが存在していた。
年明けから始まっているクリスマスへの準備を半年間、三郎太も懸命にし、ようやく本番の12月を迎えたところであった。
以前からおかしいと思っていたがプレゼント代を横領着服していたのが上司の中川だと偶然知ったときの三郎太への衝撃は相当なものだった。
おまけに「お子さんへのプレゼントの希望調査のため」と母親に近づき、人妻を何人も食いものにしていたこともわかった。
尊敬する職場の上司としてとても頼り甲斐のある中川がそんなことをするとは、ゆめゆめ思わなかった。
不器用で失敗が多い三郎太にも優しくフォローし慰め時には叱咤し、「君みたいにかわいいコを見たことがないよ」と甘い言葉を囁き、純情な三郎太がそれに惑わされて「初めて」を捧げたのはたった3日前のことだ。
「自分は独身で今は特別な人はいない」と言っていた中川には妻子がいたことも、衝撃に拍車をかけた。
細面で眼鏡が似合う端正な顔立ちの中川は左の口の端を釣り上げて言った。
「これくらいのお楽しみがないとやってられないだろ、この仕事」
これまで中川はミスで落ち込んだ三郎太に「私たちの仕事は子どもたちに夢を配ることだろう。あの笑顔のためにがんばろう」と常々言い勇気づけてきた。
そんなときの中川は子どもたちの笑顔のために懸命で、三郎太にはキラキラと光って素敵な人に見えた。
しかし「こんな会社辞めてやるっ!」と三郎太が叫んだあとすぐに、中川がやったはずの横領も三郎太の犯行として責任を取り辞表を提出した、ということになっていた。
しかも三郎太は職場の寮に入っていたので、仕事も住むところも一気に失ってしまった。
クリスマス・イブの前日、23日の夜中、三郎太が安物のダウンに身を包みあてもなく街を歩いていた。
暖冬だと言われていたが、さすがに夜が更けるにつれ寒さが増した。
ダウンのジッパーを上まで上げ、口元まで沈めてみるが寒い。
おまけに空腹と疲労でくらくらしていた。
大きな通りの角から突然出てきた男が、三郎太の目の前の何もないところでころりんと転んだ。
「大丈夫ですか」
三郎太は慌ててその男のそばへ行き、手を差し伸べた。
「いてててて。なんで転んじゃったんだろう。ありがとね」
手のひらをついてすりむけ、ところどころ血が出ている手で三郎太の手を掴むと男は「よっこらしょ」と立ち上がった。
背の低い歳を取った男だった。
それにまるまると太っていて、頭部の髪の毛は薄く地肌が見えていた。
三郎太が見下ろすと、男は赤ら顔でにこにこと笑った。
目と口が小さく、口元にはチョコレートがついている。
鼻は真っ赤なお団子のようだった。
真夜中過ぎに街にいる大人としては違和感があった。
うさんくさいというか、そぐわないというか。
三郎太はさっさとこの場から離れたほうがいいと思い、「じゃ」と声をかけようとした。
「なーに油売ってんだよ、このくそジジィがっ!」
不意に上から降ってきた怒鳴り声で三郎太も男も身をすくめた。
そこには焦げ茶色の髪を肩まで伸ばし、褐色の肌に全身白コーディネートの背の高い男が仁王立ちしていた。
彫りの深い整った顔で、黒い瞳の三白眼で睨まれるとそれなりの迫力があった。
「もう12時回って、24日になってるだろうがっ、ボケがっ。なにぐずぐずしてんだっ」
「わー、ルドルフ、迎えに来てくれたの?」
「おまえがいなきゃ、準備が進まないだろうがっ。余計な仕事も請け負ってくるし」
褐色のルドルフが怒鳴り散らすが、男はニコニコと笑っているだけだった。
ふと、ルドルフが三郎太に気づいた。
「あん?おまえ、サンタ見習いなの?」
「ひゃ?!」
「あ、ほんとだー。三郎太くんって言うんだね」
社員証は返却したはずだったが、襟もとにサンタバッジをつけたままだった。
サンタバッジを持っている者同士はお互いの名前や所属、担当エリアなどが胸元に不思議な光で浮かんで見え、サンタやサンタ見習いだということがすぐにわかるグッズだった。
「ボクのも見える?ほらほら?」
着ぶくれして見づらくなっていたが、男のバッジの情報だと名前はクロード、本社のあるフィンランド担当となっていた。
「ちょうどいいな。おら、おまえも来い」
ルドルフにクロードごと引きずられ、三郎太は白い大型車の詰め込まれた。
三郎太が声を発する間もなく、ルドルフはエンジンをかけた。
すぐに目的地についたらしい。
地下駐車場で下ろされ、ルドルフにせかされるように上の白い建物に入った。
「うわっ!」
玄関のエントランスからすぐにある大きな部屋に入ると、入り口から溢れんばかりの可愛らしく包装されたプレゼントが高く積まれていた。
「おらっ、これ早くなんとかしろ。おまえが安請け合いしてきたんだろ、くそジジィっ」
ルドルフがクロードにがみがみ言い募る。
「だって西日本エリアの中川くんが突然消えちゃったし、引田くんはインフルエンザで梶くんはマイコプラズマだっていうからさ」
「自分のも入れてサンタ4人分のプレゼントを配るんだろうが。
ただでさえ準備のとりかかりが遅いのに、4人分だぞ、4人分っ!
おら、これがプレゼントを渡す子どものリスト!」
「うわー、分厚いねぇ!いっぱい喜んでもらえるんだなぁ」
嬉々とするクロードに三郎太は呆然としていた。
「え、サンタって休めるの?!」
「そりゃもちろんだよ。体調が悪いときはしんどいじゃないか。感染拡大防止にも休まなくっちゃね」
クロードが当然というふうに言った。
「俺、39℃以上熱があったとき、休めなかった……」
「おかしいなぁ。そんなことはないはずだよ。ちゃんと休める決まりになってるよ」
中川に体調不良のため休みたいと連絡すると「だめだ」と返答があった。
這うようにして三郎太が出勤すると中川は以前から取っていた休みのため職場にはいなかった。
もし三郎太が休めば、人が足りないため代わりに中川が出勤しなくてはならなかったことを後で知った。
「あー、ごちゃごちゃうるさい。あとにしてくれ、あとでっ!三郎太、おまえ、サンタの持ち物チェックな。わかってんだろ」
ルドルフが三郎太に言った。
「えっと…?」
「なんとかっていう端末とか地図とかあんだろ」
「は、はいっわかります!」
「このくそジジィは忘れ物が多くて毎年苦労させられるんだ。すっとこどっこいだから手助けしてくれる見習いもつきたがらねぇ。今年はおまえがいるから大丈夫だな」
「はいっ、がんばります!」
三郎太は再びサンタ見習いとしてクリスマスのプレゼント配りに参加できるのかと思うと、喜びで胸がいっぱいになった。
「モノは事務所にあるらしいから。じゃ、俺は他のヤツらと顔合わせしてくる」
ルドルフは緑のドアを親指で指差し、その部屋から出ていこうとして立ち止まり、クロードに釘を刺した。
「プレゼントの詰め込みはおまえじゃないとできないんだからな、くそジジィっ!
それがすまないと眠れねーぞっ」
「ええええーーーっっっ!!!」
「おい三郎太、プレゼントのソリへの詰め込みはジジィに任せてろ。あいつはこれだけは上手い。絶対に手伝うんじゃねーぞ。人が手伝ってくれるとわかると途端にさぼってなんでもかんでも『それでいい』と詰め込ませ、一番最初に配るプレゼントを一番底に詰めてしまったことがあるんだからなっ」
「ちょ、ちょっとした間違いじゃないか」
「3年連続で『ちょっとしたミス』が続いてんのか。いい度胸してんな」
「え、えへ」
「いいか、ぜってー手伝うんじゃねーぞ、三郎太」
「はい」
ルドルフはようやく部屋を出ていった。
クロードはめそめそと小さい目に涙を溜め「あんな言い方しなくてもいいじゃないかねぇ、三郎太くん。こんなにいっぱいあるんだよ。ちょっとだけ、手伝ってくれないかなぁ」ともじもじと迫ってきた。
「オ、オレっ、持ち物の準備をしないと!事務室はこっちでしたよね!」
三郎太はクロードのすりすりお願いから逃げるように事務室のドアを開けた。
「うええええええっっっ!」
足の踏み場もない、ぐっちゃぐちゃの部屋が三郎太の目の前に広がった。
「クロードさん、端末は、ど、どこですか?」
「……さ、さぁ。ボク、あれ使えないからキライなの」
「じゃ、地図は?」
「どこだったかなぁ……うーんうーんうーーーん」
「………」
「忘れた!」
にこっと笑うクロードに三郎太もルドルフのように大声を上げた。
「もう24時間切っちゃったのに、この中から探すんですかっ!マジでっ?!もう話しかけないでください。くっそ、ゴミの整理から始めるのかよ!」
「て、手伝おうか?」
「クロードさんはプレゼントの詰め込みをしてくださいっっっ!!!!」
「はいっ!!!」
三郎太に怒鳴られ、クロードはぴゅーーーーーっと走り去っていった。
めまいと頭痛を覚えながら、三郎太は足の踏み場もない事務室に入っていった。
***
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そう叫んだ途端、三郎太は仕事も住むところもなにもかも失ってしまった。
三郎太はサンタクロース見習いとして、高校を卒業して今年の6月からこの仕事に就いた。
「クリスマス・イブに世界中の子どもたちにプレゼントを配るサンタクロース」は、人口が増えた今では一人では足りず、複数人のサンタクロースが存在していた。
年明けから始まっているクリスマスへの準備を半年間、三郎太も懸命にし、ようやく本番の12月を迎えたところであった。
以前からおかしいと思っていたがプレゼント代を横領着服していたのが上司の中川だと偶然知ったときの三郎太への衝撃は相当なものだった。
おまけに「お子さんへのプレゼントの希望調査のため」と母親に近づき、人妻を何人も食いものにしていたこともわかった。
尊敬する職場の上司としてとても頼り甲斐のある中川がそんなことをするとは、ゆめゆめ思わなかった。
不器用で失敗が多い三郎太にも優しくフォローし慰め時には叱咤し、「君みたいにかわいいコを見たことがないよ」と甘い言葉を囁き、純情な三郎太がそれに惑わされて「初めて」を捧げたのはたった3日前のことだ。
「自分は独身で今は特別な人はいない」と言っていた中川には妻子がいたことも、衝撃に拍車をかけた。
細面で眼鏡が似合う端正な顔立ちの中川は左の口の端を釣り上げて言った。
「これくらいのお楽しみがないとやってられないだろ、この仕事」
これまで中川はミスで落ち込んだ三郎太に「私たちの仕事は子どもたちに夢を配ることだろう。あの笑顔のためにがんばろう」と常々言い勇気づけてきた。
そんなときの中川は子どもたちの笑顔のために懸命で、三郎太にはキラキラと光って素敵な人に見えた。
しかし「こんな会社辞めてやるっ!」と三郎太が叫んだあとすぐに、中川がやったはずの横領も三郎太の犯行として責任を取り辞表を提出した、ということになっていた。
しかも三郎太は職場の寮に入っていたので、仕事も住むところも一気に失ってしまった。
クリスマス・イブの前日、23日の夜中、三郎太が安物のダウンに身を包みあてもなく街を歩いていた。
暖冬だと言われていたが、さすがに夜が更けるにつれ寒さが増した。
ダウンのジッパーを上まで上げ、口元まで沈めてみるが寒い。
おまけに空腹と疲労でくらくらしていた。
大きな通りの角から突然出てきた男が、三郎太の目の前の何もないところでころりんと転んだ。
「大丈夫ですか」
三郎太は慌ててその男のそばへ行き、手を差し伸べた。
「いてててて。なんで転んじゃったんだろう。ありがとね」
手のひらをついてすりむけ、ところどころ血が出ている手で三郎太の手を掴むと男は「よっこらしょ」と立ち上がった。
背の低い歳を取った男だった。
それにまるまると太っていて、頭部の髪の毛は薄く地肌が見えていた。
三郎太が見下ろすと、男は赤ら顔でにこにこと笑った。
目と口が小さく、口元にはチョコレートがついている。
鼻は真っ赤なお団子のようだった。
真夜中過ぎに街にいる大人としては違和感があった。
うさんくさいというか、そぐわないというか。
三郎太はさっさとこの場から離れたほうがいいと思い、「じゃ」と声をかけようとした。
「なーに油売ってんだよ、このくそジジィがっ!」
不意に上から降ってきた怒鳴り声で三郎太も男も身をすくめた。
そこには焦げ茶色の髪を肩まで伸ばし、褐色の肌に全身白コーディネートの背の高い男が仁王立ちしていた。
彫りの深い整った顔で、黒い瞳の三白眼で睨まれるとそれなりの迫力があった。
「もう12時回って、24日になってるだろうがっ、ボケがっ。なにぐずぐずしてんだっ」
「わー、ルドルフ、迎えに来てくれたの?」
「おまえがいなきゃ、準備が進まないだろうがっ。余計な仕事も請け負ってくるし」
褐色のルドルフが怒鳴り散らすが、男はニコニコと笑っているだけだった。
ふと、ルドルフが三郎太に気づいた。
「あん?おまえ、サンタ見習いなの?」
「ひゃ?!」
「あ、ほんとだー。三郎太くんって言うんだね」
社員証は返却したはずだったが、襟もとにサンタバッジをつけたままだった。
サンタバッジを持っている者同士はお互いの名前や所属、担当エリアなどが胸元に不思議な光で浮かんで見え、サンタやサンタ見習いだということがすぐにわかるグッズだった。
「ボクのも見える?ほらほら?」
着ぶくれして見づらくなっていたが、男のバッジの情報だと名前はクロード、本社のあるフィンランド担当となっていた。
「ちょうどいいな。おら、おまえも来い」
ルドルフにクロードごと引きずられ、三郎太は白い大型車の詰め込まれた。
三郎太が声を発する間もなく、ルドルフはエンジンをかけた。
すぐに目的地についたらしい。
地下駐車場で下ろされ、ルドルフにせかされるように上の白い建物に入った。
「うわっ!」
玄関のエントランスからすぐにある大きな部屋に入ると、入り口から溢れんばかりの可愛らしく包装されたプレゼントが高く積まれていた。
「おらっ、これ早くなんとかしろ。おまえが安請け合いしてきたんだろ、くそジジィっ」
ルドルフがクロードにがみがみ言い募る。
「だって西日本エリアの中川くんが突然消えちゃったし、引田くんはインフルエンザで梶くんはマイコプラズマだっていうからさ」
「自分のも入れてサンタ4人分のプレゼントを配るんだろうが。
ただでさえ準備のとりかかりが遅いのに、4人分だぞ、4人分っ!
おら、これがプレゼントを渡す子どものリスト!」
「うわー、分厚いねぇ!いっぱい喜んでもらえるんだなぁ」
嬉々とするクロードに三郎太は呆然としていた。
「え、サンタって休めるの?!」
「そりゃもちろんだよ。体調が悪いときはしんどいじゃないか。感染拡大防止にも休まなくっちゃね」
クロードが当然というふうに言った。
「俺、39℃以上熱があったとき、休めなかった……」
「おかしいなぁ。そんなことはないはずだよ。ちゃんと休める決まりになってるよ」
中川に体調不良のため休みたいと連絡すると「だめだ」と返答があった。
這うようにして三郎太が出勤すると中川は以前から取っていた休みのため職場にはいなかった。
もし三郎太が休めば、人が足りないため代わりに中川が出勤しなくてはならなかったことを後で知った。
「あー、ごちゃごちゃうるさい。あとにしてくれ、あとでっ!三郎太、おまえ、サンタの持ち物チェックな。わかってんだろ」
ルドルフが三郎太に言った。
「えっと…?」
「なんとかっていう端末とか地図とかあんだろ」
「は、はいっわかります!」
「このくそジジィは忘れ物が多くて毎年苦労させられるんだ。すっとこどっこいだから手助けしてくれる見習いもつきたがらねぇ。今年はおまえがいるから大丈夫だな」
「はいっ、がんばります!」
三郎太は再びサンタ見習いとしてクリスマスのプレゼント配りに参加できるのかと思うと、喜びで胸がいっぱいになった。
「モノは事務所にあるらしいから。じゃ、俺は他のヤツらと顔合わせしてくる」
ルドルフは緑のドアを親指で指差し、その部屋から出ていこうとして立ち止まり、クロードに釘を刺した。
「プレゼントの詰め込みはおまえじゃないとできないんだからな、くそジジィっ!
それがすまないと眠れねーぞっ」
「ええええーーーっっっ!!!」
「おい三郎太、プレゼントのソリへの詰め込みはジジィに任せてろ。あいつはこれだけは上手い。絶対に手伝うんじゃねーぞ。人が手伝ってくれるとわかると途端にさぼってなんでもかんでも『それでいい』と詰め込ませ、一番最初に配るプレゼントを一番底に詰めてしまったことがあるんだからなっ」
「ちょ、ちょっとした間違いじゃないか」
「3年連続で『ちょっとしたミス』が続いてんのか。いい度胸してんな」
「え、えへ」
「いいか、ぜってー手伝うんじゃねーぞ、三郎太」
「はい」
ルドルフはようやく部屋を出ていった。
クロードはめそめそと小さい目に涙を溜め「あんな言い方しなくてもいいじゃないかねぇ、三郎太くん。こんなにいっぱいあるんだよ。ちょっとだけ、手伝ってくれないかなぁ」ともじもじと迫ってきた。
「オ、オレっ、持ち物の準備をしないと!事務室はこっちでしたよね!」
三郎太はクロードのすりすりお願いから逃げるように事務室のドアを開けた。
「うええええええっっっ!」
足の踏み場もない、ぐっちゃぐちゃの部屋が三郎太の目の前に広がった。
「クロードさん、端末は、ど、どこですか?」
「……さ、さぁ。ボク、あれ使えないからキライなの」
「じゃ、地図は?」
「どこだったかなぁ……うーんうーんうーーーん」
「………」
「忘れた!」
にこっと笑うクロードに三郎太もルドルフのように大声を上げた。
「もう24時間切っちゃったのに、この中から探すんですかっ!マジでっ?!もう話しかけないでください。くっそ、ゴミの整理から始めるのかよ!」
「て、手伝おうか?」
「クロードさんはプレゼントの詰め込みをしてくださいっっっ!!!!」
「はいっ!!!」
三郎太に怒鳴られ、クロードはぴゅーーーーーっと走り去っていった。
めまいと頭痛を覚えながら、三郎太は足の踏み場もない事務室に入っていった。
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