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第四章「カルネアデス編」
第228.5話 003「if-story ミーシャとデート ③」
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昼食を済ませた後は再び海。
しかも、観光船で近くの無人島でキャンプとなっている。
なかなかしゃれたツアーだった。しかも島は貸し切りなのだ。
ミーシャは船の縁につかまりながら興味深そうに海を覗き込んでいる。
あまり覗き込みすぎて海に落ちないか心配だったが、ミーシャであれば問題ないだろう。
「凄いです。こんなに早い船がこの世界にはあるんですね」
彼女は電車に乗った時も、バスに乗った時も同じようなことを言っていた。すべてが新鮮で新しい経験――その素直な彼女の姿がとても愛おしい。
船で三〇分ほどで島に到着する。
食料などの荷物を降ろされた。島の中央にはコテージがありそこで一泊することができるのだ。
「凄いです! この島が私たちだけのものなんですね!」
世界を我が手に! みたいな感じで喜ぶミーシャ。
貸し切りとは――まあ、そういうことだろう。
「一泊だけだけどな」
「それでも凄いです!」
腕に抱きついてくる。喜んでくれているようだ。
荷物をコテージまで運ぶ。
思っていたよりもおしゃれなコテージで正直びっくりした。無人島だし、もっと小屋みたいなものを想像していたのだが、電気水道完備。テレビこそないもののこれってキャンプ? といった感じだった。
もちろんキッチンもある。外で焚火をしてもいいし、中で自炊してもいい。
コテージの外には白いテーブルとチェアーが準備されていた。確か海岸にはビーチパラソルもあった。ちょっとしたリゾート地だ。
「これからどうします?」
ミーシャが上目づかいに聞いてくる。水着にパーカーを羽織っただけのその姿はすぐに襲ってしまいたい衝動にかられたが――今は我慢だ。せっかく無人島にまで来たのにもったいないではないか。
「せっかく海に囲まれているんだ。泳ごう!」
ここでは気兼ねなくイチャイチャできる。釣りも考えたがせっかく二人でいるのだ。楽しまなければ。
◆ ◆ ◆ ◆
結局、夕暮れ近くまで遊んでしまった。
海岸に並んで座り沈む夕日をすっと眺めていた。
「海に……太陽が沈むなんて……なんだか不思議です」
内陸の経験しかないミーシャにとって海に沈む太陽は珍しいもののようだった。
「ノゾミ……本当にありがとうございます」
ミーシャの声が波の音共に響いた。
「二人でこんなにきれいな夕日が見れるなんて……私幸せです」
ミーシャが肩を寄せてきた。
陽が完全に沈むと途端に周囲の気温が下がる。
「コテージに戻ろうか」
オレの言葉にミーシャは静かに頷く。コテージに向かう間、ミーシャはオレの手をずっとはなさなかった。
コテージに着いてからいったん着替え、二人でカレーを作る。
薪を使って料理をするなんて林間学校以来だ。
ミーシャは大きめのTシャツに着替えていた。ふともも近くまで隠れそうなほどに大きなTシャツだ――大きすぎるその袖口から素肌が見えた気がしたが気のせいだろう。つんと張り出した胸の先端部がやけにツンツンしているように見えるのもきっと気のせいだろう。
二人で力を合わせて作ったカレーはおいしかった。
二人であれやこれやを話しをしながら食事を終える。
「それじゃあ、ミーシャから先にシャワーを……」
言いかけたそばからミーシャに睨まれる。
――ん? オレは何かまずい事でも言ったのか?
「一緒に……」
「はい?」
ミーシャが真っ赤になりながら抱きついてくる。
「一緒にシャワー……浴びよ……」
しかも、観光船で近くの無人島でキャンプとなっている。
なかなかしゃれたツアーだった。しかも島は貸し切りなのだ。
ミーシャは船の縁につかまりながら興味深そうに海を覗き込んでいる。
あまり覗き込みすぎて海に落ちないか心配だったが、ミーシャであれば問題ないだろう。
「凄いです。こんなに早い船がこの世界にはあるんですね」
彼女は電車に乗った時も、バスに乗った時も同じようなことを言っていた。すべてが新鮮で新しい経験――その素直な彼女の姿がとても愛おしい。
船で三〇分ほどで島に到着する。
食料などの荷物を降ろされた。島の中央にはコテージがありそこで一泊することができるのだ。
「凄いです! この島が私たちだけのものなんですね!」
世界を我が手に! みたいな感じで喜ぶミーシャ。
貸し切りとは――まあ、そういうことだろう。
「一泊だけだけどな」
「それでも凄いです!」
腕に抱きついてくる。喜んでくれているようだ。
荷物をコテージまで運ぶ。
思っていたよりもおしゃれなコテージで正直びっくりした。無人島だし、もっと小屋みたいなものを想像していたのだが、電気水道完備。テレビこそないもののこれってキャンプ? といった感じだった。
もちろんキッチンもある。外で焚火をしてもいいし、中で自炊してもいい。
コテージの外には白いテーブルとチェアーが準備されていた。確か海岸にはビーチパラソルもあった。ちょっとしたリゾート地だ。
「これからどうします?」
ミーシャが上目づかいに聞いてくる。水着にパーカーを羽織っただけのその姿はすぐに襲ってしまいたい衝動にかられたが――今は我慢だ。せっかく無人島にまで来たのにもったいないではないか。
「せっかく海に囲まれているんだ。泳ごう!」
ここでは気兼ねなくイチャイチャできる。釣りも考えたがせっかく二人でいるのだ。楽しまなければ。
◆ ◆ ◆ ◆
結局、夕暮れ近くまで遊んでしまった。
海岸に並んで座り沈む夕日をすっと眺めていた。
「海に……太陽が沈むなんて……なんだか不思議です」
内陸の経験しかないミーシャにとって海に沈む太陽は珍しいもののようだった。
「ノゾミ……本当にありがとうございます」
ミーシャの声が波の音共に響いた。
「二人でこんなにきれいな夕日が見れるなんて……私幸せです」
ミーシャが肩を寄せてきた。
陽が完全に沈むと途端に周囲の気温が下がる。
「コテージに戻ろうか」
オレの言葉にミーシャは静かに頷く。コテージに向かう間、ミーシャはオレの手をずっとはなさなかった。
コテージに着いてからいったん着替え、二人でカレーを作る。
薪を使って料理をするなんて林間学校以来だ。
ミーシャは大きめのTシャツに着替えていた。ふともも近くまで隠れそうなほどに大きなTシャツだ――大きすぎるその袖口から素肌が見えた気がしたが気のせいだろう。つんと張り出した胸の先端部がやけにツンツンしているように見えるのもきっと気のせいだろう。
二人で力を合わせて作ったカレーはおいしかった。
二人であれやこれやを話しをしながら食事を終える。
「それじゃあ、ミーシャから先にシャワーを……」
言いかけたそばからミーシャに睨まれる。
――ん? オレは何かまずい事でも言ったのか?
「一緒に……」
「はい?」
ミーシャが真っ赤になりながら抱きついてくる。
「一緒にシャワー……浴びよ……」
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