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第四章「カルネアデス編」
第210話「システィーナ ①」
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「全員の疑いは晴れました。この人たちは信用できます」
「そうか、アメリアがそういうのであれば問題ないだろう」
アメリアの言葉のとおり、システィーナはあっさりとタニアたちを解放してくれた。
あまりにもあっさりとしすぎていてこれが罠ではないかと逆に疑いたくなるくらいだ。
「すまなかったな。世界がこんなになってギシンアンギャになっていたようだ」
うん。疑心暗鬼ね。
システィーナは悪い女性ではない。
それはよく知っている。
すごくよく知っている。
「それでは、私は彼にお詫びがしたい!」
血走った目でそう提案してきた。
顔は上気し、恍惚としている。
キラリ。
あ、やばい。獲物を借る野獣の目だ。
オレの第六感が警鐘を鳴らす。
この女――危険ナリ。
「いや、お詫びはいい……」
「それでは私の気が済まないのだ!」
がっしりと肩をつかまれた。
疑いは晴れた → 世界で唯一の男 → 溢れる欲情 → 獲物確保。
「ア、アメリア……」
視線を向けるとふいと逸らされた。あれ、さっきまで仲間だと思っていたのはオレだけ? みたいな感じだ。
「アンナ……」
「申し訳ございません。私では力不足です」
いきなりの敗北宣言。
「では、今からお詫びをしてくる!」
オレを小脇に抱え上げ、システィーナは嬉しそうに宣言した。
「二時間……いや、三時間はかかるだろう!」
すごく具体的なお詫びの時間だった。
まさしくラブホの休憩時間並だ。
「体育館倉庫あたりがいいですよ……声とか響かなくて……」
うおぉぉい! アメリア先生! 不純異性交遊、不健全性的行為、不純異世界交遊って知ってますか。今まさにそれなんですけど。
「そうか。体育館倉庫か……イイな!」
じゅるり。
何が? 何がイイんですか?
くそう。あのウサギのぬいぐるみたちはいったいどこにいるんだ。今こそ襲撃のチャンスではないか。まあ、襲って欲しくはないが、こんな時に現れてもよさそうなものではないか。
しかし、うさぎのぬいぐるみたちは現れない。
「では、一緒に行きませう!」
オレはシスティーナにお持ち帰りされる。
「ご武運を……」
そういってオレを見送るアンナ。
手に握りしめられたハンカチに力がこもっている。
売りに出される子牛の気分だった。
「こっちの世界でもシスティーナはシスティーナだね……」
タニアがあきれたような声でそう言った。
ミーシャはどうしていいのか分からずおろおろとしている。
この世界でオレを救い出してくれる存在は今のところいないようだ。
「ふふふ。男!」
システィーナは既にバーサクモードに突入しているようだった。
「そうか、アメリアがそういうのであれば問題ないだろう」
アメリアの言葉のとおり、システィーナはあっさりとタニアたちを解放してくれた。
あまりにもあっさりとしすぎていてこれが罠ではないかと逆に疑いたくなるくらいだ。
「すまなかったな。世界がこんなになってギシンアンギャになっていたようだ」
うん。疑心暗鬼ね。
システィーナは悪い女性ではない。
それはよく知っている。
すごくよく知っている。
「それでは、私は彼にお詫びがしたい!」
血走った目でそう提案してきた。
顔は上気し、恍惚としている。
キラリ。
あ、やばい。獲物を借る野獣の目だ。
オレの第六感が警鐘を鳴らす。
この女――危険ナリ。
「いや、お詫びはいい……」
「それでは私の気が済まないのだ!」
がっしりと肩をつかまれた。
疑いは晴れた → 世界で唯一の男 → 溢れる欲情 → 獲物確保。
「ア、アメリア……」
視線を向けるとふいと逸らされた。あれ、さっきまで仲間だと思っていたのはオレだけ? みたいな感じだ。
「アンナ……」
「申し訳ございません。私では力不足です」
いきなりの敗北宣言。
「では、今からお詫びをしてくる!」
オレを小脇に抱え上げ、システィーナは嬉しそうに宣言した。
「二時間……いや、三時間はかかるだろう!」
すごく具体的なお詫びの時間だった。
まさしくラブホの休憩時間並だ。
「体育館倉庫あたりがいいですよ……声とか響かなくて……」
うおぉぉい! アメリア先生! 不純異性交遊、不健全性的行為、不純異世界交遊って知ってますか。今まさにそれなんですけど。
「そうか。体育館倉庫か……イイな!」
じゅるり。
何が? 何がイイんですか?
くそう。あのウサギのぬいぐるみたちはいったいどこにいるんだ。今こそ襲撃のチャンスではないか。まあ、襲って欲しくはないが、こんな時に現れてもよさそうなものではないか。
しかし、うさぎのぬいぐるみたちは現れない。
「では、一緒に行きませう!」
オレはシスティーナにお持ち帰りされる。
「ご武運を……」
そういってオレを見送るアンナ。
手に握りしめられたハンカチに力がこもっている。
売りに出される子牛の気分だった。
「こっちの世界でもシスティーナはシスティーナだね……」
タニアがあきれたような声でそう言った。
ミーシャはどうしていいのか分からずおろおろとしている。
この世界でオレを救い出してくれる存在は今のところいないようだ。
「ふふふ。男!」
システィーナは既にバーサクモードに突入しているようだった。
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