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第二章「魔法学園の劣等生 入学編」

第77話「アメリア先生とドキドキ図書館 ①」 ※イラストあり〼

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 魔法学園は国内有数の知識の宝庫としてその役割を担っている。
 知識は武器だ。単純に知識の蓄積だけでなく、その発展と啓蒙に大きく貢献しているのだ。
 人魔大戦の折に魔法使いは大きくその力を振るい人類の生命圏防衛に成功した。
 一人の魔法使いは十人の騎士に相当する。
 魔人族といえども、いざ戦ともなれば魔法力と戦力の合成ベクトルに負けることすらある。

「魔法の力は我々人族にとっても大切な力です」

 アメリア先生は亜人族も含めて「人族」と呼ぶ。だが、魔人族だけは別だ。

「魔人族の出自は我々とは違い魔界から流れてきた種族だと言われています」

 魔界に帰ることもできず。人族と交わることもせず。どの世界からも拒絶された種族。
 本当にそうなのか?
 バージル卿を知るオレにはどうも納得がいかない。魔人族は果たして「悪」なのだうか。

「少なくとも……私達の生活圏を脅かす存在としては「悪」ですね」

 世間一般的にはそういうことだ。魔人族というだけで差別されてもおかしくない。ハージル卿のように。

「ところで……ノゾミ君」

「なんでしょうか先生。オレは今。研究に忙しいのですが……」

 神秘の研究を邪魔するとは感心しませんな。

「その……髪から手を離してもらえませんか?」

 オレはアメリア先生の髪を指に巻いたり匂いをかいだりしているだけなのだが。
 ちょっと邪魔だったらしい。

「ちょっとどころか、かなり邪魔なんですが……ここには色々と調べものをしに来たんですよね?」
 
 オレはアメリア先生の髪から手を離せなかった。さらさらの髪は極上の絹のよう。触っているだけで幸せになれるのです。

「調べのもというか……本の中身を覚えているというか……」

「はい?」

 アメリア先生は不思議そうにオレの顔をのぞき込んだ。
 それはそうだ。傍から見ればオレは本を手に取って何もせずに戻しているように見えるだろう。だが実際は手のひらで本をスキャンし内容を読み取っているのだ。

「そんなことで本の中身を理解できるんだったら苦労しませんよ」

「じゃあ、検証してみましょうか?」

 オレはアメリア先生に適当な本を選ばせる。それを手に取りすぐに返した。

「じゃあ、今ので本の内容はオレの頭の中に入りました。なんでも質問して下さい」

「じゃあ、七六ページの内容について述べなさい」

 アメリア先生はいぶかしく思いながらも、本の内容についての質問をする。

「アリファ博士の魔法についての考察のページですね。『人は神から生まれ、魂の一部に神の残滓を含んでいる。魂の力が魔法の原動力となり、呪文を解することで奇跡の一端を担う。力の行使は奇跡の行使。我々は神の一部であり、神もまた我々の一部なのだ』どうです?」

 アメリア先生は目を丸くしたままオレの顔を凝視している。

「信じられません!」

 アメリア先生が驚きの声を上げた。
 図書館ではお静かに。
 アメリア先生は他の本でも同じように検証を行った。オレは聞かれたことに対して的確に答えることができた。

「これは魔法……いいえ、そんな魔法聞いたことないです。それに、図書館内は魔法が使えないはず」

 図書館内は魔法を無効化する結界が張られていた。つまり、魔法を使うことはできないのだ。
 アメリア先生はオレに詰め寄る。

「ノゾミ君はどうしてこんなことができるんですか!」

 アメリア先生の瞳は好奇心に輝いていた。
 顔が近いです。
 そのキラキラとした瞳は見ているだけで引き込まれそうだ。

「それは……ヒ・ミ・ツです」

「ノゾミ君のケチ!」

 ぷくっと頬をふくらませるアメリア先生。
 その姿が可愛くて思わず抱きしめてしまった。

「ち、ちょっと……ノゾミ君……ここでは……ダメだよ」

 スリスリ。
 アメリア先生は周囲を気にしながら小声で訴える。
 あいにくと人はいない。
 へへへ、叫んでも誰も助けには来ねえぜ。

「じゃあ、人のいないところならいいんですか?」

 周囲に人がいないことは確認している。この為に昨日はみんなに頑張ってもらったのだ。
 能力の無駄遣い? 違う。有効活用だ。

「先生……いい匂いがしますね」

 オレはアメリア先生の身体を抱きしめる。
 今から保健体育の時間だ。

「あ……ダメだったら……♡」

 アメリア先生は抵抗するが、それは弱々しいものだった。

 フニフニ。

 ふむ。小さくて柔らかいお尻だ。

「……ダメだよ。声……出ちゃうよ」

 図書館は魔法無効化の結界内。遮音の魔法を使うことはできない。

「先生……声を出さないで下さいね」

 オレはアメリア先生にキスした。

「もう……ちゅぱ……ダメだよぉ♡」

 アメリア先生はすんなりとオレのキスを受け入れる。お尻を撫でると素直に身体がピクリと反応した。

「もしかして期待してましたか?」

「……な、何がですか?」

 真っ赤になって顔を背けている。
 彼女のあごを上げ唇を重ねる。
 今度はアメリア先生の方から舌を入れてきた。
 
「ちゅぱちゅぱ……今はここまでです」

 アメリア先生はオレから離れようとするが、オレは彼女を離さなかった。

「ノゾミ君……」

 抱きすくめるとそのまま身をゆだねてくる。

「先生……オレ、もう我慢できません!」

 力を込めて彼女をさらに強く抱きしめた。
 小さい彼女の身体はオレの腕の中にすっぽりと収まる程に小さい。

「ダメよ……ここは図書館なんだから……」

 アメリア先生はそう言いつつも、オレのキスを拒むことなく受け入れてくれた。

「もう……仕方ないわねぇ……あんまり激しくしちゃダメだからね♡」
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