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第7巻第5章 キサラギ亜人王国
結婚式
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「まさか国中に中継してたなんて……」
ため息をつくマヤの目の前では、ラッセルが後頭部を掻きながら笑っている。
先日マヤがウォーレンからプロポーズを受けた際、なぜ屋敷の外からも歓声が上がったのか、ということをラッセル率いる諜報部隊に調べてもらおうとしたところ、なんとラッセルたち諜報部隊が国中にプロポーズの様子を中継していたというのだ。
「あはは……ごめんなさい、プロポーズを中継していいか、なんてプロポーズされるマヤさんに聞くわけにもいきませんでしたし、それができる状況でもなかったですから」
「まあそれはそうかもしれないけどさぁ…………で、何で全国に中継したのさ」
「キサラギ亜人王国に戻った国民の精神に異常が出ていないか確認するためです。プロポーズの中継を見て、マヤさんに否定的な反応を示す国民がいないか確かめていました」
「はあ…………なるほどね、確かにそれなら確実に国民が精神干渉にあってないか確かめられそうだけど…………合理性重視にすぎるというか…………この作戦考えたのラッセル君でしょ?」
マヤにジト目を向けられ、ラッセルは気まずそうに目を逸らす。
「え? はい、そうですけど…………マヤさんには申し訳ないなあ、とは思いましたけど、これが一番確実だと思ったので……」
「よくナタリーさんが反対しなかったね……」
「そういえば、最初に相談した時、微妙な顔してましたね」
「だろうねえ……」
マヤは非難の目をラッセルに向けていると、2人がいる執務室のドアがノックされる。
マヤが入っていいと伝えると、ナタリーが一礼して入ってきた。
「あまりお孫様を責めないであげて下さい」
「ナタリーさん、なんで最近またお孫様を呼び――」
「お孫様は少し黙っていて下さいね?」
ナタリーの迫力に、ラッセルはビクッと肩を震わせる。
そのまま見つめ続けるナタリーの視線に耐えかねたラッセルは、小さくなってこくこくと頷く。
「ナタリーさんも大変だね」
「ええまあ。でも、そんな不器用なところも含めてラッセル君ですから」
「そっか、頑張ってね」
「はい。ふふっ」
「あははっ」
何を言っているのか分からないラッセルを放置して、ナタリーとマヤは笑い合う。
ひとしきり笑い合った後、ナタリーは真面目な表情でマヤへと一歩歩み出る。
「陛下、先日はなんの説明もなく勝手にプロポーズを全国中継してしまい申し訳ございません」
「いいよ、理由があったらしいし。ちなみに、結局今は国民に精神干渉の魔法はかけられて無いってことでいいんだよね?」
「ええ、プロポーズ中継の反応を見る限り、今の国民は誰からも精神干渉を受けていないと思われます」
「それは良かった」
もしその点が確認できていないとなると、何のためにプロポーズを全国中継されたのか分からないので、マヤはひと安心する。
「陛下、勝手にプロポーズを中継した埋め合わせと言うわけではないのですが、明後日朝からお時間いただけますでしょうか」
「明後日? うん、たぶん大丈夫だと思うけど……」
一時的とはいえ国民が一人もいなくなっていたわけなので、国王としてするべき仕事が山積しているはずなのだが、今のマヤにやるべき仕事はなかった。
病み上がりということで、エメリンやオリガが、マヤの処理するべき仕事を代わりに処理してくれているのだ。
「ありがとうございます。それでは明後日の朝、お迎えに上がります」
「うん、わかった」
「それでは。ほら、行きますよお孫様」
「わわっ、引っ張らないで下さいよナタリーさん」
ナタリーに引っ張られてラッセルも出ていってしまったので、マヤは執務室に残される。
「明後日何があるんだろう?」
結局何も教えてもらえないまま約束だけ取り付けられたマヤは、1人首を傾げるのだった。
***
「痛い痛いっ! ねえ本当にこんなに締めない駄目なの!?」
ナタリーに約束を取り付けられた日、マヤは屋敷の外に出るなり、SAMASの面々に拉致され、そのままいつの間にやら建築されていた西洋風の教会に担ぎ込まれた。
そのまま裏の更衣室に連れて行かれたマヤは、何もわからないままレオノルとクロエに身ぐるみを剥がされ、現在進行系でコルセットで締め上げられている。
「その方が可愛く見えますから」
「そもそも……ぐっ……はあはあ……何でクロエさんが私の着付けなんてしてるのさ……ぐはっ……はあはあ……一応王妃様でしょ?」
「マヤさんの晴れ舞台なんですから、お手伝くらいして当然です」
「晴れ舞台って…………いや、なんかもう予想できてるけど念の為聞いとくよ……私はこれから何をさせられるのかな?」
部屋に飾ってあるレースをふんだんにあしらった純白のドレス、同じく純白のヴェール、運び込まれた教会のような建物、すべての要素が、ある一つの結論へと繋がっていることは明白で……。
「結婚式ですよ。まさか聞かされてなかったんですか?」
「うん全く。その感じ、レオノルさんも知ってたの?」
「ええもちろん。というか、全国民が知ってますよ?」
「えー……」
どうやらナタリーたち諜報部隊がマヤには知らせないように工作していたらしい。
そんなことを話している間にもマヤの着付けは進んでいき、程なくしてマヤの全身はウエディングドレスで彩られる。
そのままレオノルが簡単に化粧を施し、クロエが持ってきた姿見を見た瞬間マヤは思わず声を上げる。
「わああっ! これがウエディングドレスかあ……」
そこには、自分とは思えないほど綺麗に着飾った自分の姿があった。
マヤはスカートを持ち上げて見たり、一回転して見たりして鏡に写った自分を眺める。
「ふふっ、やっぱりマヤさんは素材がいいから花嫁姿も様になってますね」
マヤを見て満足げにウンウンと頷くクロエに、レオノルも頷く。
「ですね。化粧もほとんど必要なかったくらいですし」
「そ、そうかな? 2人に言われると照れるなあ……」
1人はかつてその美貌で各国の要人を虜にし、数々の国を意のままに操った本物の傾国の女レオノル、もう1人はヘンダーソンの新たなる王ジョンの妃にして社交界の妖精と話題のクロエである。
そんな2人に褒められると、マヤも流石に恥ずかしかった。
「ささっ、さっそくウォーレンさんのところに行きましょう」
「う、うん」
クロエに連れられてウォーレンの部屋の前につくと、クロエの呼びかけに応えて部屋から出てきたウォーレンは、マヤを見るなり目を見張った。
「きれいだ……」
「あ、ありがと……」
それきり顔を赤くして黙ってしまった2人に、クロエとレオノルは顔を見合わせて肩をすくめる。
「それじゃ、準備ができたら出てきてくださいね」
クロエはそれだけ言うと、レオノルと連れ立って会場の方へと消えていった。
長い沈黙の後、ウォーレンがマヤへと腕を差し出す。
「行くか」
「うん」
それからのことを、マヤは正直あまり良く覚えていない。
会場に現れた2人を拍手喝采が包んだと思ったら、気がついた時には魔王としての荘厳な格好をしたルーシェとデリックの前でウォーレンと向き合っていた。
「新婦、マヤは原初の魔王が1人、この私ルーシェに、新郎ウォーレンへの愛を誓いますか?」
なぜ神ではなくルーシェにそんなことを誓わなければならないのか、と思ったマヤだったが、考えてみれば先日まで神と戦っていたマヤが誓いを立てるなら、神に対してよりも魔王に対しての方が良いのかもしれない。
などということをぼんやりと考えながら、マヤはウォーレンを見上げて頷く。
「誓います」
「新郎、ウォーレンは魔王が1人、この私デリックに、新婦マヤへの愛を誓いますか?」
「師匠…………はい、誓います」
ウォーレンが答えた瞬間、会場中から割れるような歓声が湧き上がる。
異世界でできた仲間たちからの祝福を受け、異世界でできた掛け替えのないパートナーの隣で、マヤは幸せを噛み締めて笑っていた。
ため息をつくマヤの目の前では、ラッセルが後頭部を掻きながら笑っている。
先日マヤがウォーレンからプロポーズを受けた際、なぜ屋敷の外からも歓声が上がったのか、ということをラッセル率いる諜報部隊に調べてもらおうとしたところ、なんとラッセルたち諜報部隊が国中にプロポーズの様子を中継していたというのだ。
「あはは……ごめんなさい、プロポーズを中継していいか、なんてプロポーズされるマヤさんに聞くわけにもいきませんでしたし、それができる状況でもなかったですから」
「まあそれはそうかもしれないけどさぁ…………で、何で全国に中継したのさ」
「キサラギ亜人王国に戻った国民の精神に異常が出ていないか確認するためです。プロポーズの中継を見て、マヤさんに否定的な反応を示す国民がいないか確かめていました」
「はあ…………なるほどね、確かにそれなら確実に国民が精神干渉にあってないか確かめられそうだけど…………合理性重視にすぎるというか…………この作戦考えたのラッセル君でしょ?」
マヤにジト目を向けられ、ラッセルは気まずそうに目を逸らす。
「え? はい、そうですけど…………マヤさんには申し訳ないなあ、とは思いましたけど、これが一番確実だと思ったので……」
「よくナタリーさんが反対しなかったね……」
「そういえば、最初に相談した時、微妙な顔してましたね」
「だろうねえ……」
マヤは非難の目をラッセルに向けていると、2人がいる執務室のドアがノックされる。
マヤが入っていいと伝えると、ナタリーが一礼して入ってきた。
「あまりお孫様を責めないであげて下さい」
「ナタリーさん、なんで最近またお孫様を呼び――」
「お孫様は少し黙っていて下さいね?」
ナタリーの迫力に、ラッセルはビクッと肩を震わせる。
そのまま見つめ続けるナタリーの視線に耐えかねたラッセルは、小さくなってこくこくと頷く。
「ナタリーさんも大変だね」
「ええまあ。でも、そんな不器用なところも含めてラッセル君ですから」
「そっか、頑張ってね」
「はい。ふふっ」
「あははっ」
何を言っているのか分からないラッセルを放置して、ナタリーとマヤは笑い合う。
ひとしきり笑い合った後、ナタリーは真面目な表情でマヤへと一歩歩み出る。
「陛下、先日はなんの説明もなく勝手にプロポーズを全国中継してしまい申し訳ございません」
「いいよ、理由があったらしいし。ちなみに、結局今は国民に精神干渉の魔法はかけられて無いってことでいいんだよね?」
「ええ、プロポーズ中継の反応を見る限り、今の国民は誰からも精神干渉を受けていないと思われます」
「それは良かった」
もしその点が確認できていないとなると、何のためにプロポーズを全国中継されたのか分からないので、マヤはひと安心する。
「陛下、勝手にプロポーズを中継した埋め合わせと言うわけではないのですが、明後日朝からお時間いただけますでしょうか」
「明後日? うん、たぶん大丈夫だと思うけど……」
一時的とはいえ国民が一人もいなくなっていたわけなので、国王としてするべき仕事が山積しているはずなのだが、今のマヤにやるべき仕事はなかった。
病み上がりということで、エメリンやオリガが、マヤの処理するべき仕事を代わりに処理してくれているのだ。
「ありがとうございます。それでは明後日の朝、お迎えに上がります」
「うん、わかった」
「それでは。ほら、行きますよお孫様」
「わわっ、引っ張らないで下さいよナタリーさん」
ナタリーに引っ張られてラッセルも出ていってしまったので、マヤは執務室に残される。
「明後日何があるんだろう?」
結局何も教えてもらえないまま約束だけ取り付けられたマヤは、1人首を傾げるのだった。
***
「痛い痛いっ! ねえ本当にこんなに締めない駄目なの!?」
ナタリーに約束を取り付けられた日、マヤは屋敷の外に出るなり、SAMASの面々に拉致され、そのままいつの間にやら建築されていた西洋風の教会に担ぎ込まれた。
そのまま裏の更衣室に連れて行かれたマヤは、何もわからないままレオノルとクロエに身ぐるみを剥がされ、現在進行系でコルセットで締め上げられている。
「その方が可愛く見えますから」
「そもそも……ぐっ……はあはあ……何でクロエさんが私の着付けなんてしてるのさ……ぐはっ……はあはあ……一応王妃様でしょ?」
「マヤさんの晴れ舞台なんですから、お手伝くらいして当然です」
「晴れ舞台って…………いや、なんかもう予想できてるけど念の為聞いとくよ……私はこれから何をさせられるのかな?」
部屋に飾ってあるレースをふんだんにあしらった純白のドレス、同じく純白のヴェール、運び込まれた教会のような建物、すべての要素が、ある一つの結論へと繋がっていることは明白で……。
「結婚式ですよ。まさか聞かされてなかったんですか?」
「うん全く。その感じ、レオノルさんも知ってたの?」
「ええもちろん。というか、全国民が知ってますよ?」
「えー……」
どうやらナタリーたち諜報部隊がマヤには知らせないように工作していたらしい。
そんなことを話している間にもマヤの着付けは進んでいき、程なくしてマヤの全身はウエディングドレスで彩られる。
そのままレオノルが簡単に化粧を施し、クロエが持ってきた姿見を見た瞬間マヤは思わず声を上げる。
「わああっ! これがウエディングドレスかあ……」
そこには、自分とは思えないほど綺麗に着飾った自分の姿があった。
マヤはスカートを持ち上げて見たり、一回転して見たりして鏡に写った自分を眺める。
「ふふっ、やっぱりマヤさんは素材がいいから花嫁姿も様になってますね」
マヤを見て満足げにウンウンと頷くクロエに、レオノルも頷く。
「ですね。化粧もほとんど必要なかったくらいですし」
「そ、そうかな? 2人に言われると照れるなあ……」
1人はかつてその美貌で各国の要人を虜にし、数々の国を意のままに操った本物の傾国の女レオノル、もう1人はヘンダーソンの新たなる王ジョンの妃にして社交界の妖精と話題のクロエである。
そんな2人に褒められると、マヤも流石に恥ずかしかった。
「ささっ、さっそくウォーレンさんのところに行きましょう」
「う、うん」
クロエに連れられてウォーレンの部屋の前につくと、クロエの呼びかけに応えて部屋から出てきたウォーレンは、マヤを見るなり目を見張った。
「きれいだ……」
「あ、ありがと……」
それきり顔を赤くして黙ってしまった2人に、クロエとレオノルは顔を見合わせて肩をすくめる。
「それじゃ、準備ができたら出てきてくださいね」
クロエはそれだけ言うと、レオノルと連れ立って会場の方へと消えていった。
長い沈黙の後、ウォーレンがマヤへと腕を差し出す。
「行くか」
「うん」
それからのことを、マヤは正直あまり良く覚えていない。
会場に現れた2人を拍手喝采が包んだと思ったら、気がついた時には魔王としての荘厳な格好をしたルーシェとデリックの前でウォーレンと向き合っていた。
「新婦、マヤは原初の魔王が1人、この私ルーシェに、新郎ウォーレンへの愛を誓いますか?」
なぜ神ではなくルーシェにそんなことを誓わなければならないのか、と思ったマヤだったが、考えてみれば先日まで神と戦っていたマヤが誓いを立てるなら、神に対してよりも魔王に対しての方が良いのかもしれない。
などということをぼんやりと考えながら、マヤはウォーレンを見上げて頷く。
「誓います」
「新郎、ウォーレンは魔王が1人、この私デリックに、新婦マヤへの愛を誓いますか?」
「師匠…………はい、誓います」
ウォーレンが答えた瞬間、会場中から割れるような歓声が湧き上がる。
異世界でできた仲間たちからの祝福を受け、異世界でできた掛け替えのないパートナーの隣で、マヤは幸せを噛み締めて笑っていた。
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