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第7巻第4章 亀裂と……
追放
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「マヤさん! オリガに何を言ったんですか!」
「何って…………思ったことをそのまま言っただけだよ……」
マヤは怒鳴り込んできたエメリンに、疲れ切った様子で応えると、追い払うように手を振る。
「思ったことをそのまま、って…………それは本当にマヤさんの本心だったんですか?」
マヤの言葉で未だに塞ぎ込んで部屋から出てこられない娘のために、マヤにガツンと言ってやろうとやってきたエメリンだったが、いつもの元気なマヤからは考えられない疲れ切った姿に、勢いをそがれてしまう。
「たぶんね…………ねえ、もういいかな、この話? エメリさんも暇じゃないでしょ? 親バカも大概にして帰りなよ」
「親バカ……でしょうか? 娘を泣かされて何も言わない母親は親ではないと思いますが」
エメリンはオリガやカーサ、クロエなどと違い、すぐに感情的になったりしなかった。
このあたりはやはり、年の功と言うやつなのだろう。
「泣かされた、って勝手に泣いたんでしょ? それに、オリガは泣いただけだけど、クロエさんは私に平手打ちして帰っていったよ? むしろ謝罪を受けなきゃいけないのは私の方なんじゃない?」
当然ながら、クロエがマヤを平手打ちしたのは、マヤがクロエとジョンの関係を羨み僻み、ジョンの悪口を散々言ったからであり、悪いのはマヤだ。
「クロエがマヤさんに……それは失礼しました……」
(これは本格的に様子がおかしいですね)
エメリンはマヤに謝りながら、マヤに何らかの魔法がかかっていないか確かめる。
(見たところ魔法は無いようですが……)
エメリンはマヤへと近づくと、その頭に手を置いた。
そのまま、精神干渉系の魔法をすべて解除する魔法をマヤにかける。
「どうしたの? 私はエメリンさんの娘じゃないんだけど?」
マヤはやや乱暴にエメリンを手を頭から払い除ける。
「失礼しました」
「いや、許せないね。私は王様だよ? 不敬じゃない? そうだな……オリガも連れて出てってくれないかな?」
「えっ…………?」
マヤの言葉は流石に予想外だったのか、エメリンは呆けた返事をしてしまう。
「えっ? じゃないよ。追放だって言ったの。もちろんオリガも連れてってね」
マヤは腕輪から魔物を呼び出すと、エメリンそのまま部屋の外へと連れ出す。
そのまま魔物たちによって屋敷の外まで連れて来られたエメリンが呆然と屋敷を見上げていると、エメリンを連れて来た魔物の一匹であるシロちゃんがエメリンのスカートを引っ張ってきた。
「なんです?」
シロちゃんは言葉を発することはなく、地面の一箇所を前足で示していた。
エメリンはシロちゃんが自分が指差す地面の方を見ないようにしているのことに気がつく。
そこでエメリンは、マヤが魔物と五感を共有できるということを思い出す。
魔物の意図を理解したエメリンは、何も気がついていないふりをして魔物の頭をぽんぽんと撫でた。
「丁寧に運んでくれてありがとうねシロちゃん」
エメリンの言葉に、自分のメッセージが伝わったことを理解したシロちゃんは、そのまま小さく頷いてマヤの元へと帰っていく。
(創造神のせい。マッシュさんが鍵、ですか。ありがとうございます、シロちゃん)
エメリンはシロちゃんがなんとか伝えてくれた情報を元に、行動を開始することにした。
***
「なんかシロちゃんの動きが不自然だった気がするけど、どうしたんだろう? まあ、なんでもいいか……」
何やら地面を変なふうに掻いていたり、エメリンに話しかけずスカートを引っ張っていたりしたが、触覚と視覚と聴覚を共有していたマヤには何をしているのかよく分からなかった。
というより、今のマヤにはそんなことどうでも良かった。
「ようやく確信したよ。起きてるんでしょ、創造神さん? 私たちを仲間割れさせて、その隙になにかしようとしてるね?」
マヤは誰もない執務室で問いかける。
その声に答えるものは、外はもちろんマヤの中にもいなかった。
「だんまりか。まさかこんな手段をとってくるとはね……」
マヤはぐしゃぐしゃと髪をかき回す。
(何をされてるのかはわからないけど、まずい状況なのはわかる……なんとなくわかるのは、マイナス感情ばっかり大きくなりがちってことか…………悪夢で寝不足なのも、マイナス思考に拍車をかけてるだろうなあ……)
マヤは寝不足と連日の自分の本意ではない仲間への罵倒のせいで、疲労が限界にきており、全く頭が回らない。
(エメリンさん追放は流石にまずい……いや、オリガとカーサを泣かせちゃったのも、クロエさんに酷いこと言っちゃったのもまずいけど、エメリンさんの追放はもっとやばい……このままじゃ、この国は……)
マヤはふらふらと椅子から立ち上がり、ドアまでやってきて固まってしまう。
(今の私が追ってどうにかなる? また酷いこと言って終わりなんじゃ……むしろもっと悪化するかも……)
マヤは結局そこから動くことができず、エメリンを追うことはできなかった。
その後も、マヤは仲間が訪ねてくるたび、その仲間本人やその家族、恋人などのことを散々にこき下ろした。
いつしかマヤを訪ねてくるものはいなくなり、マヤも執務室には行かず、自室のベッドでうずくまっていることが多くなった。
そんなある日、いつからかマヤの自室の前に置かれるようになっていた食事を部屋に引っ張り込んで薄暗い部屋で食べていたマヤは、屋敷の前が騒がしいことに気がついた。
「なんだろ……」
まだ人と話さなくなって数日だというのに、マヤはえらく久しぶりに声を発した気がした。
「今日ここに、私たちはキサラギ亜人王国からの離脱を宣言する!」
そこで演説をしていたのは、追放したはずのエメリンだった。
なぜだろうか、と思ったマヤだったが、考えてみれば当たり前で、マヤの指示で国の実務を行っていたのは、エメリンとオリガなのだから、そのエメリンを追放しろ、など言う指示は誰も実行できない。
演説をするエメリンの隣には、何かを決意した表情でしっかりと立つオリガとカーサの姿もあった。
「私たちは変わってしまったマヤ王を捨て、今ここに原初の魔王の御三方を王とした国家「オリジン三魔王国」の建国を宣言する!」
「「「「うおおおおおおっ!」」」」
「オリジン三魔王国? なにそれ?」
よくもまあ現国王の屋敷の前でこんな演説ができたものだ、と感心するマヤをよそに、エメリンの演説で集まった国民たちはどんどんと盛り上がっていく。
「――――手始めに、原初の魔王、セシリオ様の力で、私たちの新天地へ空間跳躍しようと思う!」
「「「「「うおおおおおおおおっ!」」」」」
「そっか、流石にここに建国するわけないよね」
マヤが窓辺から離れた瞬間、屋敷の外の人だかりが姿を消す。
瞬間、マヤを耳が痛くなるほどの静寂が襲った。
「えっ?」
マヤは慌てて窓辺に戻ると、外には人影が見えなかった。
先程まであれほどいた人々はいなくなり、慌てて屋敷の外に出たマヤは、言葉を失う。
屋敷の前でから遥か遠くまでつながる通りにも、人っ子一人いなかったのだ。
「はははっ…………ははははっ……」
誰もいない国の王となってしまったマヤは、乾いた笑い声を上げて、その場に座り込んでしまった。
「何って…………思ったことをそのまま言っただけだよ……」
マヤは怒鳴り込んできたエメリンに、疲れ切った様子で応えると、追い払うように手を振る。
「思ったことをそのまま、って…………それは本当にマヤさんの本心だったんですか?」
マヤの言葉で未だに塞ぎ込んで部屋から出てこられない娘のために、マヤにガツンと言ってやろうとやってきたエメリンだったが、いつもの元気なマヤからは考えられない疲れ切った姿に、勢いをそがれてしまう。
「たぶんね…………ねえ、もういいかな、この話? エメリさんも暇じゃないでしょ? 親バカも大概にして帰りなよ」
「親バカ……でしょうか? 娘を泣かされて何も言わない母親は親ではないと思いますが」
エメリンはオリガやカーサ、クロエなどと違い、すぐに感情的になったりしなかった。
このあたりはやはり、年の功と言うやつなのだろう。
「泣かされた、って勝手に泣いたんでしょ? それに、オリガは泣いただけだけど、クロエさんは私に平手打ちして帰っていったよ? むしろ謝罪を受けなきゃいけないのは私の方なんじゃない?」
当然ながら、クロエがマヤを平手打ちしたのは、マヤがクロエとジョンの関係を羨み僻み、ジョンの悪口を散々言ったからであり、悪いのはマヤだ。
「クロエがマヤさんに……それは失礼しました……」
(これは本格的に様子がおかしいですね)
エメリンはマヤに謝りながら、マヤに何らかの魔法がかかっていないか確かめる。
(見たところ魔法は無いようですが……)
エメリンはマヤへと近づくと、その頭に手を置いた。
そのまま、精神干渉系の魔法をすべて解除する魔法をマヤにかける。
「どうしたの? 私はエメリンさんの娘じゃないんだけど?」
マヤはやや乱暴にエメリンを手を頭から払い除ける。
「失礼しました」
「いや、許せないね。私は王様だよ? 不敬じゃない? そうだな……オリガも連れて出てってくれないかな?」
「えっ…………?」
マヤの言葉は流石に予想外だったのか、エメリンは呆けた返事をしてしまう。
「えっ? じゃないよ。追放だって言ったの。もちろんオリガも連れてってね」
マヤは腕輪から魔物を呼び出すと、エメリンそのまま部屋の外へと連れ出す。
そのまま魔物たちによって屋敷の外まで連れて来られたエメリンが呆然と屋敷を見上げていると、エメリンを連れて来た魔物の一匹であるシロちゃんがエメリンのスカートを引っ張ってきた。
「なんです?」
シロちゃんは言葉を発することはなく、地面の一箇所を前足で示していた。
エメリンはシロちゃんが自分が指差す地面の方を見ないようにしているのことに気がつく。
そこでエメリンは、マヤが魔物と五感を共有できるということを思い出す。
魔物の意図を理解したエメリンは、何も気がついていないふりをして魔物の頭をぽんぽんと撫でた。
「丁寧に運んでくれてありがとうねシロちゃん」
エメリンの言葉に、自分のメッセージが伝わったことを理解したシロちゃんは、そのまま小さく頷いてマヤの元へと帰っていく。
(創造神のせい。マッシュさんが鍵、ですか。ありがとうございます、シロちゃん)
エメリンはシロちゃんがなんとか伝えてくれた情報を元に、行動を開始することにした。
***
「なんかシロちゃんの動きが不自然だった気がするけど、どうしたんだろう? まあ、なんでもいいか……」
何やら地面を変なふうに掻いていたり、エメリンに話しかけずスカートを引っ張っていたりしたが、触覚と視覚と聴覚を共有していたマヤには何をしているのかよく分からなかった。
というより、今のマヤにはそんなことどうでも良かった。
「ようやく確信したよ。起きてるんでしょ、創造神さん? 私たちを仲間割れさせて、その隙になにかしようとしてるね?」
マヤは誰もない執務室で問いかける。
その声に答えるものは、外はもちろんマヤの中にもいなかった。
「だんまりか。まさかこんな手段をとってくるとはね……」
マヤはぐしゃぐしゃと髪をかき回す。
(何をされてるのかはわからないけど、まずい状況なのはわかる……なんとなくわかるのは、マイナス感情ばっかり大きくなりがちってことか…………悪夢で寝不足なのも、マイナス思考に拍車をかけてるだろうなあ……)
マヤは寝不足と連日の自分の本意ではない仲間への罵倒のせいで、疲労が限界にきており、全く頭が回らない。
(エメリンさん追放は流石にまずい……いや、オリガとカーサを泣かせちゃったのも、クロエさんに酷いこと言っちゃったのもまずいけど、エメリンさんの追放はもっとやばい……このままじゃ、この国は……)
マヤはふらふらと椅子から立ち上がり、ドアまでやってきて固まってしまう。
(今の私が追ってどうにかなる? また酷いこと言って終わりなんじゃ……むしろもっと悪化するかも……)
マヤは結局そこから動くことができず、エメリンを追うことはできなかった。
その後も、マヤは仲間が訪ねてくるたび、その仲間本人やその家族、恋人などのことを散々にこき下ろした。
いつしかマヤを訪ねてくるものはいなくなり、マヤも執務室には行かず、自室のベッドでうずくまっていることが多くなった。
そんなある日、いつからかマヤの自室の前に置かれるようになっていた食事を部屋に引っ張り込んで薄暗い部屋で食べていたマヤは、屋敷の前が騒がしいことに気がついた。
「なんだろ……」
まだ人と話さなくなって数日だというのに、マヤはえらく久しぶりに声を発した気がした。
「今日ここに、私たちはキサラギ亜人王国からの離脱を宣言する!」
そこで演説をしていたのは、追放したはずのエメリンだった。
なぜだろうか、と思ったマヤだったが、考えてみれば当たり前で、マヤの指示で国の実務を行っていたのは、エメリンとオリガなのだから、そのエメリンを追放しろ、など言う指示は誰も実行できない。
演説をするエメリンの隣には、何かを決意した表情でしっかりと立つオリガとカーサの姿もあった。
「私たちは変わってしまったマヤ王を捨て、今ここに原初の魔王の御三方を王とした国家「オリジン三魔王国」の建国を宣言する!」
「「「「うおおおおおおっ!」」」」
「オリジン三魔王国? なにそれ?」
よくもまあ現国王の屋敷の前でこんな演説ができたものだ、と感心するマヤをよそに、エメリンの演説で集まった国民たちはどんどんと盛り上がっていく。
「――――手始めに、原初の魔王、セシリオ様の力で、私たちの新天地へ空間跳躍しようと思う!」
「「「「「うおおおおおおおおっ!」」」」」
「そっか、流石にここに建国するわけないよね」
マヤが窓辺から離れた瞬間、屋敷の外の人だかりが姿を消す。
瞬間、マヤを耳が痛くなるほどの静寂が襲った。
「えっ?」
マヤは慌てて窓辺に戻ると、外には人影が見えなかった。
先程まであれほどいた人々はいなくなり、慌てて屋敷の外に出たマヤは、言葉を失う。
屋敷の前でから遥か遠くまでつながる通りにも、人っ子一人いなかったのだ。
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