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第7巻第1章 聖剣の扱い方
シャルルとデリック
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「こんにちはー」
マヤはキサラギ亜人王国内に建設されたデリックの仮設道場の門くぐる。
「マヤか。それにウォーレンも。何だ、逢引でもしていたのか?」
「えへへ、そう見えるー? 実はそうなんだよー」
「違うぞ師匠、俺はマヤの買い物に付き合っていただけで……」
「えー、さっきはデートって言ってくれたのにー」
「ウォーレン、あまり女に恥をかかせるものじゃないぞ?」
「師匠にそんなこと言われる日が来るとは……」
女性と一緒にいるイメージが全くないデリックに、女性への接し方を指摘されたことがよっぽどショックだったのか、ウォーレンが肩を落として小さくなる。
ちなみにデリックは結婚しており、めったに表舞台には出てこないが妻も不老不死を獲得している実力者らしい。
噂では純粋な剣の実力でデリックと張り合えるのは初代剣聖カーリを除けば、デリックの妻だけだとも言われている。
「そうだよウォーレンさん、恥ずかしいからって誤魔化しちゃ駄目だよ?」
「それでマヤ、今日は突然どうしたのだ? ウォーレンを婿にくれという話なら私に反対する理由はないぞ?」
「うーん、それも確かにいつかは言ってみたいけど、今日はそうじゃなくてね。シャルルさんの修行の様子を見に来たんだよ」
以前はマヤとの実戦形式での訓練が主だったシャルルだが、ここ数日はデリックのところで基礎を鍛え直している。
それというのも、シャルルは剣を修めることなく冒険者になったため、その剣は完全に我流なのだ。
良く言えば実戦的だが、悪く言えば荒削りで無駄が多い。
それを改善するために、デリックのところで徹底的に鍛え直してもらっているのだ。
「そういうことか。それならばついてこい。マヤも昔やった訓練をしているところだ」
「私も昔やった訓練、か…………あー、これね……」
マヤはウォーレンがカーリと戦う力をつけるためにルースの封印空間で修行した際に、つきあわされる形で剣の修行をさせられていたことがあったのだ。
なので今目の前でシャルルがやらされている、魔法で見た目からは信じられないほど重くなっている剣での素振りも経験済みだ。
「懐かしいな。あの剣はあの見た目のくせしてこれよりも重いからな」
ウォーレンは背負っている大剣を親指でつつく。
「ねえー。でも、あれできれいに素振りできるようになれば、太刀筋が安定するから」
「お前たちも久しぶりにやっていくか?」
「いや、遠慮しとくよ。今日は様子を見に来ただけだし、せっかく身体を休めるために午後はお休みにしたんだから、ここで疲れちゃ意味ないしね」
マヤはその後もシャルルの修行を見学していたが、しばらくしてウォーレンと2人で帰って行った。
「本当に見に来ただけだったんだな。シャルル、どうだ、まだいけるか?」
「ああっ……問題……ない……っ!」
「よしっ! ではあと100本!」
「りょう……っ、かい……っ!」
シャルルはその後100回素振りを終えると、ゆっくりと剣をおいてその場に大の字になった。
「よくやったな」
「なあ、剣神様、こんなことをやって、私は強くなれるのか?」
「強くなれることだけは保証しよう。しかし、お前が聞きたいことは、そういうことじゃないんだろう?」
「…………」
「嘘をついても意味がないからな、正直に答えさせてもらう」
デリックは一呼吸置くと、ゆっくりと続けた。
「マヤや原初の魔王の3人が言う、神なる存在に勝てる力がつくかは、私にはわからん。なにせ、その神がどの程度のものか、私は知らないのだからな」
「…………随分冷静なんだな。負けたら世界が終わるんだぞ?」
「その時はその時だ。全力を出してそれでも敵わなかったなら、諦めもつくというもの」
「なんだよそれ……それじゃまるで、死んでもいいみたいじゃないか……っ!」
シャルルは泣きそうな表情でデリックを見上げる。
マヤと原初の魔王3人と並んで、神へ対抗する力の1人に数えられているシャルルは、その責任の大きさに、押し潰されそうになっていた。
「そうだな、死んでもいい」
「なっ……!? どうしてだ?」
「どう言ったらいいか……簡単に言えば、後悔しないように生きてきたからだ」
「後悔しないように……」
すでに後悔だらけの人生を送ってきたシャルルには、そう言い切れるデリックが羨ましかった。
「後悔がない、と言っても、失敗がなかったわけではない。だが、失敗したことも、それはそれで良かったと思えるような今を生きている。だから、いつ死んでも構わん」
「失敗を良かったと思えるような今を……どういうことだ?」
「過去の選択は、後から見れば失敗だと思うこともあるだろう。しかし、今のお前はその失敗の選択の先に存在している。そして、失敗の選択の先の今のお前は、失敗したことから学び成長している。つまり過去の失敗は、学びでこそあれ、後悔するものではない」
「それは……そうかもしれないが……」
確かにデリックの言うことは正論かもしれないが、みんながみんなそれができれば誰も苦労しないだろう、とシャルルは素直にそう思った。
「失敗に学び、次に活かせるのであれば、過去の経験すべてが成長に繋がる。過去のすべてが成長につながるなら、今の自分が一番成長しているはずだ。そんな過去最高を更新し続けている今の自分が、全身全霊で挑んでも敵わないのであれば、そこで死ぬことは天命だったのだ。受け入れるしかあるまい」
夕日が射し込む窓に目をやりながら、ゆっくりと語るデリックに、無理をして嘘を言っている様子はない。
それを見たシャルルは、これがデリックの本心なのだと理解した。
「私は……まだあなたのように考えることはできそうにない。だが――」
シャルルは上半身を起こすと、パンパンと頬を叩いた。
「――少しだけ、気持ちが楽になった気がする。助かった」
シャルルは立ち上がると力強く微笑んだ。
後悔しない、というデリックの境地には達せそうにないが、もし負けて世界が滅ぶことになって、後悔しないでいれるように、今全身全霊を尽くすことはできる。
シャルルは、世界の事など一旦忘れてただ自分が後悔しないために、できることはすべてしておこうと決意した。
「そうか」
「そういえばさっき、マヤはウォーレンを連れていたな。もしかしてマヤも――」
「かもしれないな」
「なるほど。少し手伝ってやるか」
同じく神との戦いに挑むマヤに、死ぬ可能性も考えて想い人と恋仲になろうと動き出した友人に、シャルルは一肌脱いでやることにしたのだった。
マヤはキサラギ亜人王国内に建設されたデリックの仮設道場の門くぐる。
「マヤか。それにウォーレンも。何だ、逢引でもしていたのか?」
「えへへ、そう見えるー? 実はそうなんだよー」
「違うぞ師匠、俺はマヤの買い物に付き合っていただけで……」
「えー、さっきはデートって言ってくれたのにー」
「ウォーレン、あまり女に恥をかかせるものじゃないぞ?」
「師匠にそんなこと言われる日が来るとは……」
女性と一緒にいるイメージが全くないデリックに、女性への接し方を指摘されたことがよっぽどショックだったのか、ウォーレンが肩を落として小さくなる。
ちなみにデリックは結婚しており、めったに表舞台には出てこないが妻も不老不死を獲得している実力者らしい。
噂では純粋な剣の実力でデリックと張り合えるのは初代剣聖カーリを除けば、デリックの妻だけだとも言われている。
「そうだよウォーレンさん、恥ずかしいからって誤魔化しちゃ駄目だよ?」
「それでマヤ、今日は突然どうしたのだ? ウォーレンを婿にくれという話なら私に反対する理由はないぞ?」
「うーん、それも確かにいつかは言ってみたいけど、今日はそうじゃなくてね。シャルルさんの修行の様子を見に来たんだよ」
以前はマヤとの実戦形式での訓練が主だったシャルルだが、ここ数日はデリックのところで基礎を鍛え直している。
それというのも、シャルルは剣を修めることなく冒険者になったため、その剣は完全に我流なのだ。
良く言えば実戦的だが、悪く言えば荒削りで無駄が多い。
それを改善するために、デリックのところで徹底的に鍛え直してもらっているのだ。
「そういうことか。それならばついてこい。マヤも昔やった訓練をしているところだ」
「私も昔やった訓練、か…………あー、これね……」
マヤはウォーレンがカーリと戦う力をつけるためにルースの封印空間で修行した際に、つきあわされる形で剣の修行をさせられていたことがあったのだ。
なので今目の前でシャルルがやらされている、魔法で見た目からは信じられないほど重くなっている剣での素振りも経験済みだ。
「懐かしいな。あの剣はあの見た目のくせしてこれよりも重いからな」
ウォーレンは背負っている大剣を親指でつつく。
「ねえー。でも、あれできれいに素振りできるようになれば、太刀筋が安定するから」
「お前たちも久しぶりにやっていくか?」
「いや、遠慮しとくよ。今日は様子を見に来ただけだし、せっかく身体を休めるために午後はお休みにしたんだから、ここで疲れちゃ意味ないしね」
マヤはその後もシャルルの修行を見学していたが、しばらくしてウォーレンと2人で帰って行った。
「本当に見に来ただけだったんだな。シャルル、どうだ、まだいけるか?」
「ああっ……問題……ない……っ!」
「よしっ! ではあと100本!」
「りょう……っ、かい……っ!」
シャルルはその後100回素振りを終えると、ゆっくりと剣をおいてその場に大の字になった。
「よくやったな」
「なあ、剣神様、こんなことをやって、私は強くなれるのか?」
「強くなれることだけは保証しよう。しかし、お前が聞きたいことは、そういうことじゃないんだろう?」
「…………」
「嘘をついても意味がないからな、正直に答えさせてもらう」
デリックは一呼吸置くと、ゆっくりと続けた。
「マヤや原初の魔王の3人が言う、神なる存在に勝てる力がつくかは、私にはわからん。なにせ、その神がどの程度のものか、私は知らないのだからな」
「…………随分冷静なんだな。負けたら世界が終わるんだぞ?」
「その時はその時だ。全力を出してそれでも敵わなかったなら、諦めもつくというもの」
「なんだよそれ……それじゃまるで、死んでもいいみたいじゃないか……っ!」
シャルルは泣きそうな表情でデリックを見上げる。
マヤと原初の魔王3人と並んで、神へ対抗する力の1人に数えられているシャルルは、その責任の大きさに、押し潰されそうになっていた。
「そうだな、死んでもいい」
「なっ……!? どうしてだ?」
「どう言ったらいいか……簡単に言えば、後悔しないように生きてきたからだ」
「後悔しないように……」
すでに後悔だらけの人生を送ってきたシャルルには、そう言い切れるデリックが羨ましかった。
「後悔がない、と言っても、失敗がなかったわけではない。だが、失敗したことも、それはそれで良かったと思えるような今を生きている。だから、いつ死んでも構わん」
「失敗を良かったと思えるような今を……どういうことだ?」
「過去の選択は、後から見れば失敗だと思うこともあるだろう。しかし、今のお前はその失敗の選択の先に存在している。そして、失敗の選択の先の今のお前は、失敗したことから学び成長している。つまり過去の失敗は、学びでこそあれ、後悔するものではない」
「それは……そうかもしれないが……」
確かにデリックの言うことは正論かもしれないが、みんながみんなそれができれば誰も苦労しないだろう、とシャルルは素直にそう思った。
「失敗に学び、次に活かせるのであれば、過去の経験すべてが成長に繋がる。過去のすべてが成長につながるなら、今の自分が一番成長しているはずだ。そんな過去最高を更新し続けている今の自分が、全身全霊で挑んでも敵わないのであれば、そこで死ぬことは天命だったのだ。受け入れるしかあるまい」
夕日が射し込む窓に目をやりながら、ゆっくりと語るデリックに、無理をして嘘を言っている様子はない。
それを見たシャルルは、これがデリックの本心なのだと理解した。
「私は……まだあなたのように考えることはできそうにない。だが――」
シャルルは上半身を起こすと、パンパンと頬を叩いた。
「――少しだけ、気持ちが楽になった気がする。助かった」
シャルルは立ち上がると力強く微笑んだ。
後悔しない、というデリックの境地には達せそうにないが、もし負けて世界が滅ぶことになって、後悔しないでいれるように、今全身全霊を尽くすことはできる。
シャルルは、世界の事など一旦忘れてただ自分が後悔しないために、できることはすべてしておこうと決意した。
「そうか」
「そういえばさっき、マヤはウォーレンを連れていたな。もしかしてマヤも――」
「かもしれないな」
「なるほど。少し手伝ってやるか」
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