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第5巻第7章 オーガの姫
歴史の修正力
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「ふう、やっと落ち着いた……」
マヤは力なくソファーに座り込むと、だらりと四肢を伸ばす。
「マヤならあれくらいで疲れたりしないでしょ?」
「疲れるよ……何人来たと思ってるのさ」
「マヤの強化魔法なら疲労回復もできるでしょ?」
「それはそうだけど……」
「じゃあ疲れないじゃない」
「それとこれとは別なの。精神的に疲れたんだよ」
「そういうものなのかしら」
「そういうものなんだよ。ほら、ハイメ君からも言ってあげてよ」
「そうですね、僕も精神的に疲れました。疲労はエリー様に治癒魔法で回復してもらいましたけど、それとこれとは別問題ですね」
「ほら、ハイメ君だって疲れてるじゃん。エリーの精神が強すぎるんだよ」
「うぐっ……ハイメまでそう言うなら、そういうものなのかもしれないわね、悪かったわ」
「分かればいいんだよ、分かれば」
「なんだか納得いかないわ……」
ハイメが味方についてくれたことで調子に乗るマヤに三白眼を向けながら、エリーはため息をつく。
「おーいマヤ!」
「シャルルさん、どうしたの?」
「ルーシェ様がマヤをお呼びだ」
「ルーシェ様が? わかった、今行くよ」
マヤはシャルルからルーシェの場所を聞くと、その場所に向かった。
「いかがいたしましたか、ルーシェ様」
「…………未来で私とあなたは知己なのですよね?」
「ええ、そうですが、それがなにか?」
「その、普通に話してくれていいですよ? 未来ではそうなのでしょう?」
「なぜそれを?」
「あなたの態度を見ていればわかります」
「そうですか……いや、そうなんだ、流石だねルーシェは。それから、ルーシェももっと砕けた感じでいいよ? 未来ではそうだからね」
「じゃあお言葉に甘えて。私を呼び捨てにできるのは、原初の魔王以外ではマヤだけじゃない?」
「それはどうかな? エメリンさんも2人きりの時は呼び捨てにしてるんじゃないかな?」
「エメリンさんが私を? もしかして、私が彼女を副官にしようとしてるのと関係があるのかしら?」
マヤはニヤリと笑いながら、白々しく知らんぷりをする。
「さあて、どうだろうね。それで、なんで私は呼び出されたの?」
「そうだった。マヤ、あの数のオーガをどうするつもり? まさか私の城で預かれってわけじゃないよね?」
「あはは、まさか。まあ、ルーシェならそれくらいできそうだけど、流石にそんなことに頼まないって」
「じゃあどうするの? どこかにオーガの国でも作るの?」
「2回も建国する気はないよ」
「2回も?」
「いや、今のは忘れて。でも、国を作るとかそういうんじゃないよ。オーガたちは未来に連れて行くつもり」
「全員?」
「全員」
「なんでまたそんなことを……」
「まあ色々あってさ。でも、連れて行かないとたぶん全員殺されちゃうんだよ、それこそルーシェが守ってくれでもしない限りね」
「…………なるほど、だいたいわかった」
ルーシェは何がわかったかを口に出すことはなかったが、オーガが未来の世界では絶滅していることを察したのだろう。
「そういうわけだから、未来のマルコスさんが私たちを連れ戻してくれるまで、ここにいさせて」
「わかった。けど、たぶんもうお迎えみたい」
「え?」
『流石、お前の観測の前には時の壁すら無意味か』
「そんなことないわ、マルコス。私はマヤと話に来たあなたの精神エネルギーが見えただけだもの。未来のあなたを見ることはできないわ」
『それでも十分に恐ろしい。私はマヤにのみ聞こえるようにしたつもりなのだからな』
「未来のマルコスさんってことでいいんだよね?」
『ああ、その通りだ。オーガの姫とその仲間のオーガ全員を迎えに来た』
「いきなりだね」
『仕方ないだろう? こちらの私が寝ている時しか私はこちらに干渉できないのだからな』
「そうだったね。それで、未来に呼び戻すのってすぐ始められるの?」
『ああ、すぐだ。それぞれがそれぞれの場所にいて構わん。それでは、行くぞ』
マルコスの声が一方的に告げると、マヤの身体を淡い光が包み始める。
「じゃあね、ルーシェ」
「うん、さようなら、マヤ。また未来で」
「うん、また未来で」
『そういえばいい忘れていたが、マヤ、お前という存在は本来この時間に存在しないものだ。お前がこの時代を去れば、お前という存在の記憶は、この時代の住人の中からいずれ消える』
「ええっ!? そうなの!? じゃあ戻ってもルーシェやエメリンさんは私のこと覚えてないんだあ……」
『いや、ルーシェは覚えているだろう』
「へ? どうして?」
てっきりよくある歴史の修正力とかそういうやつだと思っていたマヤは、例外がいることに目を丸くする。
(まさかルーシェは世界の法則でさえ干渉できない存在、とか? いやいやいや、流石にそれはないよね、うん)
『ルーシェが原初の魔王だからだ。我々原初の魔王は、歴史の修正力の影響さえ受けん』
「って、本当に世界の法則でも干渉できないんかいっ!」
「どうしたのマヤ?」
「あ、いや、何でも……でもそれじゃあ、未来で初めて会った時、ルーシェは私のこと知ってたってこと?」
「そういうことになるね。でも、それはちょっと面白くないなあ」
ルーシェはしばらくうんうんと考えて、ぽんと手を打った。
「そうだ、マルコス、お願いがあるのだけど」
『なんだ?』
「未来の世界に戻ったら「今がその時だ、観測者」って私に言ってくれるかしら?」
『構わんが、どうしてだ?』
「今から私の中のマヤに関する記憶を封印するからよ。そして、未来に戻ったあなたの言葉で封印が解けるようにしておくわ」
『なるほど、了解だ。それでは今度こそ行くぞ』
「うん。ばいばい、ルーシェ。また未来でね」
「うん、またね、マヤ」
ルーシェが手を振った直後、マヤの姿は解けるように消える。
「さて、私も記憶を封印しよう」
ルーシェは慣れた手付きで魔法を発動すると、自分の中のマヤに関する記憶を封印した。
ついでに、同じ城の中にいるエメリンとハイメの中にあるマヤの記憶も、複製して一緒に封印しておく。
ルーシェが先ほどまで話していたはずの人物のことをすっかり忘れたタイミングで、エリーとハイメが慌ててルーシェの部屋に入ってきた。
「ルーシェさま! シャルルさんが……っ! ううん、他のオーガたちも、みんな消えちゃったんだけど」
「僕が見ていたオーガの方々もです。急いでマヤさんに知らせないと……えーっと、マヤさんはどこに……というか、マヤさんって誰でしたっけ?」
「何言ってるのよハイメ、マヤは……あれ?」
エリーは自分の記憶の中で、マヤの姿はぼやけ始めていることに気がついた。
「なによ、これ……ルーシェ様、私、マヤのこと忘れちゃう……っ!?」
シャルルが姿を消したこと、オーガたちも姿を消したこと、マヤの記憶が薄れ始めていることなどから、何かを感じ取ったエリーは、ルーシェへと助けを求める。
「マヤという方は、存じ上げないのですが、私とも知り合いだった方でしょうか?」
「そ、そんな……」
完全にマヤのことを忘れて質問を返すルーシェに、エリーはその場で膝をついた。
なにか大切なものを忘れてしまった、そんな気がしてならないエリーだったが、そんな思いさえも、1週間もしないうちに忘れてしまったのだった。
マヤは力なくソファーに座り込むと、だらりと四肢を伸ばす。
「マヤならあれくらいで疲れたりしないでしょ?」
「疲れるよ……何人来たと思ってるのさ」
「マヤの強化魔法なら疲労回復もできるでしょ?」
「それはそうだけど……」
「じゃあ疲れないじゃない」
「それとこれとは別なの。精神的に疲れたんだよ」
「そういうものなのかしら」
「そういうものなんだよ。ほら、ハイメ君からも言ってあげてよ」
「そうですね、僕も精神的に疲れました。疲労はエリー様に治癒魔法で回復してもらいましたけど、それとこれとは別問題ですね」
「ほら、ハイメ君だって疲れてるじゃん。エリーの精神が強すぎるんだよ」
「うぐっ……ハイメまでそう言うなら、そういうものなのかもしれないわね、悪かったわ」
「分かればいいんだよ、分かれば」
「なんだか納得いかないわ……」
ハイメが味方についてくれたことで調子に乗るマヤに三白眼を向けながら、エリーはため息をつく。
「おーいマヤ!」
「シャルルさん、どうしたの?」
「ルーシェ様がマヤをお呼びだ」
「ルーシェ様が? わかった、今行くよ」
マヤはシャルルからルーシェの場所を聞くと、その場所に向かった。
「いかがいたしましたか、ルーシェ様」
「…………未来で私とあなたは知己なのですよね?」
「ええ、そうですが、それがなにか?」
「その、普通に話してくれていいですよ? 未来ではそうなのでしょう?」
「なぜそれを?」
「あなたの態度を見ていればわかります」
「そうですか……いや、そうなんだ、流石だねルーシェは。それから、ルーシェももっと砕けた感じでいいよ? 未来ではそうだからね」
「じゃあお言葉に甘えて。私を呼び捨てにできるのは、原初の魔王以外ではマヤだけじゃない?」
「それはどうかな? エメリンさんも2人きりの時は呼び捨てにしてるんじゃないかな?」
「エメリンさんが私を? もしかして、私が彼女を副官にしようとしてるのと関係があるのかしら?」
マヤはニヤリと笑いながら、白々しく知らんぷりをする。
「さあて、どうだろうね。それで、なんで私は呼び出されたの?」
「そうだった。マヤ、あの数のオーガをどうするつもり? まさか私の城で預かれってわけじゃないよね?」
「あはは、まさか。まあ、ルーシェならそれくらいできそうだけど、流石にそんなことに頼まないって」
「じゃあどうするの? どこかにオーガの国でも作るの?」
「2回も建国する気はないよ」
「2回も?」
「いや、今のは忘れて。でも、国を作るとかそういうんじゃないよ。オーガたちは未来に連れて行くつもり」
「全員?」
「全員」
「なんでまたそんなことを……」
「まあ色々あってさ。でも、連れて行かないとたぶん全員殺されちゃうんだよ、それこそルーシェが守ってくれでもしない限りね」
「…………なるほど、だいたいわかった」
ルーシェは何がわかったかを口に出すことはなかったが、オーガが未来の世界では絶滅していることを察したのだろう。
「そういうわけだから、未来のマルコスさんが私たちを連れ戻してくれるまで、ここにいさせて」
「わかった。けど、たぶんもうお迎えみたい」
「え?」
『流石、お前の観測の前には時の壁すら無意味か』
「そんなことないわ、マルコス。私はマヤと話に来たあなたの精神エネルギーが見えただけだもの。未来のあなたを見ることはできないわ」
『それでも十分に恐ろしい。私はマヤにのみ聞こえるようにしたつもりなのだからな』
「未来のマルコスさんってことでいいんだよね?」
『ああ、その通りだ。オーガの姫とその仲間のオーガ全員を迎えに来た』
「いきなりだね」
『仕方ないだろう? こちらの私が寝ている時しか私はこちらに干渉できないのだからな』
「そうだったね。それで、未来に呼び戻すのってすぐ始められるの?」
『ああ、すぐだ。それぞれがそれぞれの場所にいて構わん。それでは、行くぞ』
マルコスの声が一方的に告げると、マヤの身体を淡い光が包み始める。
「じゃあね、ルーシェ」
「うん、さようなら、マヤ。また未来で」
「うん、また未来で」
『そういえばいい忘れていたが、マヤ、お前という存在は本来この時間に存在しないものだ。お前がこの時代を去れば、お前という存在の記憶は、この時代の住人の中からいずれ消える』
「ええっ!? そうなの!? じゃあ戻ってもルーシェやエメリンさんは私のこと覚えてないんだあ……」
『いや、ルーシェは覚えているだろう』
「へ? どうして?」
てっきりよくある歴史の修正力とかそういうやつだと思っていたマヤは、例外がいることに目を丸くする。
(まさかルーシェは世界の法則でさえ干渉できない存在、とか? いやいやいや、流石にそれはないよね、うん)
『ルーシェが原初の魔王だからだ。我々原初の魔王は、歴史の修正力の影響さえ受けん』
「って、本当に世界の法則でも干渉できないんかいっ!」
「どうしたのマヤ?」
「あ、いや、何でも……でもそれじゃあ、未来で初めて会った時、ルーシェは私のこと知ってたってこと?」
「そういうことになるね。でも、それはちょっと面白くないなあ」
ルーシェはしばらくうんうんと考えて、ぽんと手を打った。
「そうだ、マルコス、お願いがあるのだけど」
『なんだ?』
「未来の世界に戻ったら「今がその時だ、観測者」って私に言ってくれるかしら?」
『構わんが、どうしてだ?』
「今から私の中のマヤに関する記憶を封印するからよ。そして、未来に戻ったあなたの言葉で封印が解けるようにしておくわ」
『なるほど、了解だ。それでは今度こそ行くぞ』
「うん。ばいばい、ルーシェ。また未来でね」
「うん、またね、マヤ」
ルーシェが手を振った直後、マヤの姿は解けるように消える。
「さて、私も記憶を封印しよう」
ルーシェは慣れた手付きで魔法を発動すると、自分の中のマヤに関する記憶を封印した。
ついでに、同じ城の中にいるエメリンとハイメの中にあるマヤの記憶も、複製して一緒に封印しておく。
ルーシェが先ほどまで話していたはずの人物のことをすっかり忘れたタイミングで、エリーとハイメが慌ててルーシェの部屋に入ってきた。
「ルーシェさま! シャルルさんが……っ! ううん、他のオーガたちも、みんな消えちゃったんだけど」
「僕が見ていたオーガの方々もです。急いでマヤさんに知らせないと……えーっと、マヤさんはどこに……というか、マヤさんって誰でしたっけ?」
「何言ってるのよハイメ、マヤは……あれ?」
エリーは自分の記憶の中で、マヤの姿はぼやけ始めていることに気がついた。
「なによ、これ……ルーシェ様、私、マヤのこと忘れちゃう……っ!?」
シャルルが姿を消したこと、オーガたちも姿を消したこと、マヤの記憶が薄れ始めていることなどから、何かを感じ取ったエリーは、ルーシェへと助けを求める。
「マヤという方は、存じ上げないのですが、私とも知り合いだった方でしょうか?」
「そ、そんな……」
完全にマヤのことを忘れて質問を返すルーシェに、エリーはその場で膝をついた。
なにか大切なものを忘れてしまった、そんな気がしてならないエリーだったが、そんな思いさえも、1週間もしないうちに忘れてしまったのだった。
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