218 / 324
第5巻第4章 エリーの過去
エリーの過去8
しおりを挟む
「エリーさん!」
「こら、そんな大きな声で呼ばないの!」
合流してきた今日は休みのダニーの護衛を、エリーは声を殺して叱りつける。
「すみません、つい……」
今日の作戦がうまくいけばダニーから開放されることが嬉しいのか、エリーのもとにやってきた護衛のテンションは高めだった。
「それで、今日の護衛の配置は?」
「こちらです」
明らかに年下であるエリーに対し、護衛のエルフは丁寧な口調でいうと護衛の配置が書かれた地図を差し出した。
エリーが護衛の魔法陣を書き換えて助けてからというもの、護衛たちはエリーに対して敬意を払っていた。
「ありがとう。ふむ……予想通りね」
「なんとかなりそうですか?」
「ええ、この配置ならね。今日当番の護衛のみんなにはちょっと痛い目にあってもらわないとだけど」
「それは仕方ないことでしょう。彼らも喜んで協力すると言っていましたし」
「そう言ってくれると助かるわ。それじゃ、私は行ってくるから、あなたは家族のところに戻りなさい」
「はい、了解です」
護衛は最後にエリーへ1つ礼をすると、サッと姿を消した。
このあたりの動きを見ていると、ダニーの護衛たちがいかに優れた戦闘能力を持っているかがわかるというものだ。
(さて、それじゃあ予定通りいきましょうか)
エリーは身体強化で路地裏から飛び出すと、1人目の護衛に向かって疾駆したのだった。
***
「さて、これで護衛は全部倒されちゃったわけだけど、どうするのかしら、ダニーさん?」
目深にフードを被った少女に護衛のすべてを無力化され、名を呼ばれたダニーは震え上がる。
「ひいぃ……っ!?」
エリーが最初の護衛を襲撃してから十数分後、エリーは最後の護衛を気絶させると、くるりとダニーへ振り返った。
短く悲鳴を上げたダニーの周りには、ほとんど戦闘能力を持たない商人の部下たちがダニーと一緒に腰を抜かしていた。
「な、何が目的だ、この小娘!」
「あら、威勢がいいじゃない? 何が目的って……心当たりなら腐る程あるんじゃない?」
エリーは大げさな仕草でフードを取り払うと、その美しい金髪を掻き上げダニーへとその耳を見せつけた。
「エルフ……なるほど、そういうことか」
「そういうことよ。それじゃ、みんなまとめて死んで頂戴」
エリーは身体強化で加速した足でダニーへと一瞬で迫ると、そのままダニーのすぐ隣りにいた商人の首へと手刀を叩き込んだ。
ベギゴッという嫌な音ともに、ダニーの部下は断末魔を上げる暇もなくその場に倒れてしまう。
その首は完全に頭を支えられておらず、完全に外見上繋がっているというだけだった。
「わかった、交渉っ! 交渉しようじゃないか!」
目の前で部下の一人を瞬殺されたダニーは、すがるような瞳でエリーを見上げる。
それに絶対零度の視線を返したエリーは、ダニーへと顎で続きを話すように促す。
普段ならそんな高圧的な態度をとる者がいればどんな手段を使ってでも謝罪させるダニーだが、今は命が惜しいのか素直に続きを話し始めた。
「お前の望みを叶えてやる! 金か? 男か? それともエルフの開放か?」
最後の一言にエリーの眉がピクリと動いたのをダニーは見逃さなかった。
「エルフの開放がお前の望みだな? いいだろう、お前が望むエルフを開放しよう」
持ち前の交渉術で窮地を脱せそうなところだったダニーの唯一の失敗は、最初からすべてのエルフを開放すると言わなかったことだろう。
「はあ、この期に及んで爆破」
ため息とともにエリーが指を鳴らすと、ダニーの周りにいた部下たちが爆発四散した。
ベチョという音ともに、ダニーの頬に生暖かい肉片がへばりつく。
「ひいぃっ……わかった、開放する、全てだ、全てのエルフを開放するから命だけは……っっ」
「へえ、全てのエルフを、ね。それはもちろんあなたがエリスって呼んでるエルフも含まれるのよね?」
「それは……」
ダニーが一瞬躊躇したことで、エリーはゆっくりとダニーの頭に指を向ける。
それを見たダニーは慌ててエリーの前にひれ伏した。
「当然だ! エリスも含めて全てのエルフを開放する! だから私だけは……」
「そう、ありがとう。それじゃあもうあなたには用はないわね」
冷たく言い放ったエリーに、ダニーは青ざめた顔でエリー足に取り縋ると、捲し立てる。
「頼む。私の殺せばエルフ開放は不可能だ。嘘じゃない。見ろ、この魔法陣を! これがなにか、エルフの魔法使いである貴様ならわかるだろう?」
ボタンを弾き飛ばす勢いで上半身の服を脱ぎ捨てたダニーは、そのままエリーへと背中を見せる。
そこにはダニーの言う通り魔法陣が入れ墨されていた。
「なるほど、あなたを殺すとすべての奴隷が死ぬようになってるのね」
すぐにその魔法陣の効果を看破したエリーは、蔑みきった目でダニーを見下ろす。
「そういうことだ。これを解除できるのは私だけっ――なぜだ! や、やめろっ!?」
ダニーの予想に反してゆっくりと手を上げたエリーに、ダニーの思考は混乱を極めた。
「悪いけど、何があってもあんたは殺すって決めてたのよ」
「やめろ……やめてくれ……っっ!」
みっともなく泣き始めたダニーに、エリーは冷たく言い捨てる。
「爆破」
エリーの魔法によって、ダニーは他の部下たち同様、その場で爆発四散し、後は四方八方に飛び散った血で地面に描かれた血華だけが残ったのだった。
***
「ふう……やっぱりもう一つ保険があったみたいね」
エリーはゆっくりと目を開けると、ダニーの頭から手を離した。
「お疲れ様、エリーちゃん」
夢の操作による尋問を終えたエリーを、クローナが飲み物差し出しながら労ってくれる。
最後の護衛を無力化した時点でダニーとその部下たちは眠らされ、エリーが用意した町外れの小屋に連れ込まれていたのだ。
つまり、ダニーが部下ともども爆死したのは、すべてエリーが見せた夢だったのだ。
「ありがとう、クローナお姉さん」
「それで、最後の保険って?」
「こいつの背中に魔法陣があるわ。どうやらこいつが死ぬと事前に魔力が溜め込まれた水晶か何かから魔法が発動して、こいつが自分の奴隷だと思ってる人全員を道連れにするみたいね」
「おそろしいですね、それは……」
「でも、わかってしまえばなんてことないわ。魔力が溜まってる場所も大体わかるしね」
「それじゃあエリーちゃんはそっちに行ってきて。この人たちは私が眠らせ続けておくわ」
「うん、お願い」
エリーは立ち上がると、ダニーの屋敷へと向かったのだった。
「こら、そんな大きな声で呼ばないの!」
合流してきた今日は休みのダニーの護衛を、エリーは声を殺して叱りつける。
「すみません、つい……」
今日の作戦がうまくいけばダニーから開放されることが嬉しいのか、エリーのもとにやってきた護衛のテンションは高めだった。
「それで、今日の護衛の配置は?」
「こちらです」
明らかに年下であるエリーに対し、護衛のエルフは丁寧な口調でいうと護衛の配置が書かれた地図を差し出した。
エリーが護衛の魔法陣を書き換えて助けてからというもの、護衛たちはエリーに対して敬意を払っていた。
「ありがとう。ふむ……予想通りね」
「なんとかなりそうですか?」
「ええ、この配置ならね。今日当番の護衛のみんなにはちょっと痛い目にあってもらわないとだけど」
「それは仕方ないことでしょう。彼らも喜んで協力すると言っていましたし」
「そう言ってくれると助かるわ。それじゃ、私は行ってくるから、あなたは家族のところに戻りなさい」
「はい、了解です」
護衛は最後にエリーへ1つ礼をすると、サッと姿を消した。
このあたりの動きを見ていると、ダニーの護衛たちがいかに優れた戦闘能力を持っているかがわかるというものだ。
(さて、それじゃあ予定通りいきましょうか)
エリーは身体強化で路地裏から飛び出すと、1人目の護衛に向かって疾駆したのだった。
***
「さて、これで護衛は全部倒されちゃったわけだけど、どうするのかしら、ダニーさん?」
目深にフードを被った少女に護衛のすべてを無力化され、名を呼ばれたダニーは震え上がる。
「ひいぃ……っ!?」
エリーが最初の護衛を襲撃してから十数分後、エリーは最後の護衛を気絶させると、くるりとダニーへ振り返った。
短く悲鳴を上げたダニーの周りには、ほとんど戦闘能力を持たない商人の部下たちがダニーと一緒に腰を抜かしていた。
「な、何が目的だ、この小娘!」
「あら、威勢がいいじゃない? 何が目的って……心当たりなら腐る程あるんじゃない?」
エリーは大げさな仕草でフードを取り払うと、その美しい金髪を掻き上げダニーへとその耳を見せつけた。
「エルフ……なるほど、そういうことか」
「そういうことよ。それじゃ、みんなまとめて死んで頂戴」
エリーは身体強化で加速した足でダニーへと一瞬で迫ると、そのままダニーのすぐ隣りにいた商人の首へと手刀を叩き込んだ。
ベギゴッという嫌な音ともに、ダニーの部下は断末魔を上げる暇もなくその場に倒れてしまう。
その首は完全に頭を支えられておらず、完全に外見上繋がっているというだけだった。
「わかった、交渉っ! 交渉しようじゃないか!」
目の前で部下の一人を瞬殺されたダニーは、すがるような瞳でエリーを見上げる。
それに絶対零度の視線を返したエリーは、ダニーへと顎で続きを話すように促す。
普段ならそんな高圧的な態度をとる者がいればどんな手段を使ってでも謝罪させるダニーだが、今は命が惜しいのか素直に続きを話し始めた。
「お前の望みを叶えてやる! 金か? 男か? それともエルフの開放か?」
最後の一言にエリーの眉がピクリと動いたのをダニーは見逃さなかった。
「エルフの開放がお前の望みだな? いいだろう、お前が望むエルフを開放しよう」
持ち前の交渉術で窮地を脱せそうなところだったダニーの唯一の失敗は、最初からすべてのエルフを開放すると言わなかったことだろう。
「はあ、この期に及んで爆破」
ため息とともにエリーが指を鳴らすと、ダニーの周りにいた部下たちが爆発四散した。
ベチョという音ともに、ダニーの頬に生暖かい肉片がへばりつく。
「ひいぃっ……わかった、開放する、全てだ、全てのエルフを開放するから命だけは……っっ」
「へえ、全てのエルフを、ね。それはもちろんあなたがエリスって呼んでるエルフも含まれるのよね?」
「それは……」
ダニーが一瞬躊躇したことで、エリーはゆっくりとダニーの頭に指を向ける。
それを見たダニーは慌ててエリーの前にひれ伏した。
「当然だ! エリスも含めて全てのエルフを開放する! だから私だけは……」
「そう、ありがとう。それじゃあもうあなたには用はないわね」
冷たく言い放ったエリーに、ダニーは青ざめた顔でエリー足に取り縋ると、捲し立てる。
「頼む。私の殺せばエルフ開放は不可能だ。嘘じゃない。見ろ、この魔法陣を! これがなにか、エルフの魔法使いである貴様ならわかるだろう?」
ボタンを弾き飛ばす勢いで上半身の服を脱ぎ捨てたダニーは、そのままエリーへと背中を見せる。
そこにはダニーの言う通り魔法陣が入れ墨されていた。
「なるほど、あなたを殺すとすべての奴隷が死ぬようになってるのね」
すぐにその魔法陣の効果を看破したエリーは、蔑みきった目でダニーを見下ろす。
「そういうことだ。これを解除できるのは私だけっ――なぜだ! や、やめろっ!?」
ダニーの予想に反してゆっくりと手を上げたエリーに、ダニーの思考は混乱を極めた。
「悪いけど、何があってもあんたは殺すって決めてたのよ」
「やめろ……やめてくれ……っっ!」
みっともなく泣き始めたダニーに、エリーは冷たく言い捨てる。
「爆破」
エリーの魔法によって、ダニーは他の部下たち同様、その場で爆発四散し、後は四方八方に飛び散った血で地面に描かれた血華だけが残ったのだった。
***
「ふう……やっぱりもう一つ保険があったみたいね」
エリーはゆっくりと目を開けると、ダニーの頭から手を離した。
「お疲れ様、エリーちゃん」
夢の操作による尋問を終えたエリーを、クローナが飲み物差し出しながら労ってくれる。
最後の護衛を無力化した時点でダニーとその部下たちは眠らされ、エリーが用意した町外れの小屋に連れ込まれていたのだ。
つまり、ダニーが部下ともども爆死したのは、すべてエリーが見せた夢だったのだ。
「ありがとう、クローナお姉さん」
「それで、最後の保険って?」
「こいつの背中に魔法陣があるわ。どうやらこいつが死ぬと事前に魔力が溜め込まれた水晶か何かから魔法が発動して、こいつが自分の奴隷だと思ってる人全員を道連れにするみたいね」
「おそろしいですね、それは……」
「でも、わかってしまえばなんてことないわ。魔力が溜まってる場所も大体わかるしね」
「それじゃあエリーちゃんはそっちに行ってきて。この人たちは私が眠らせ続けておくわ」
「うん、お願い」
エリーは立ち上がると、ダニーの屋敷へと向かったのだった。
0
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました
うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。
そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。
魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。
その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。
魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。
手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。
いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる