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第5巻第4章 エリーの過去
エリーの暴走
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「また負けたー!」
マヤに剣の切っ先を突きつけられたエリーは、両手をあげて後ろへと倒れ込む。
「はあはあ……いや、今日は本当にギリギリだったよ……」
マヤも剣をしまうとその場にしゃがみこむ。
「そうだな。まさかマヤの呼吸が乱れるとは思わなかった」
しゃがみこむマヤへと、シャルルがタオルを差し出してくれる。
ちなみに今は昼間でシャルルも先ほどまでは訓練に加わっていたのだが、その服装は以前の男装ではなかった。
今のシャルルはマヤが選んだ女冒険者の格好をしているのだ。
我ながらなかなか可愛くできたこと改めて満足しながら、マヤはシャルルからタオルを受け取った。
「ほら、エリーも」
「ありがとうシャルルさん」
エリーもシャルルから受け取ったタオルで顔の汗を拭う。
「でも本当に強くなったね、エリー。まさか強化魔法を使って状態であそこまで追い詰められるとは思わなかったよ」
「追い込めてたのかしら? 全然そんなふうには見えなかったけど?」
「まあそれはそうだろうね。そう見えないようにしてるから」
「それも戦術のうち、ってことかしら?」
「そうそう。いつも通り師匠の受け売りだけど、相手に圧力をかけたいなら常に余裕に見せておけ、ってね。こっちが全力なのに相手が余裕綽々だったら焦るでしょ?」
「それはそうね。なるほど、私はまんまとやられたってわけね」
「そこら辺はまだまだ私の方が上手ってことだね。さて、今日はまだ時間も早いし、お風呂で汗を流したらお昼にしようか」
「そうね。ここまで汗だくだとまずはお風呂に行きたいわ」
公衆浴場のある方に歩き出したマヤに、エリーも立ち上がるとその後ろについてくる。
最後に「今日も胸を拝まれるのか……」と少し憂鬱そうなシャルルが続いた。
いつも通り公衆浴場にたどり着き、いつも通りお風呂に入ることになるかと思われたが、その道中でそれは起こった。
「あ、あれはっ!」
「ちょ、ちょっとエリー!?」
マヤの後ろを歩いていたエリーが突然飛び出したのだ。
エリーはそのまま、前方を歩いていた奴隷商人へと魔法を放った。
「ちょっとちょっとちょっと!?」
マヤは慌てて自身へ強化魔法をかけると、奴隷商人とエリーの間にその身を踊らせる。
そのままエリーが放った魔法を真っ二つに斬り、奴隷商人とその商人が連れている奴隷に当たらないようにした。
「マヤ、邪魔しないで!」
「いや、邪魔するでしょ!? どうしたのさ突然!」
「っ……マヤ、あなたは知らないかもしれないけど、この街には1つだけ暗黙のルールがあるのよ」
「暗黙のルール?」
「そう。この街ではエルフを奴隷にすることは許されていないの」
「エルフだけ奴隷にできないの? 確かに言われれて見れば見なかったような気がするけど……」
「そうでしょう? でも、そこの男はエルフの奴隷を連れている。これは許されることじゃないわ」
「なるほど……。ん、でもなんでそれをエリーが咎めるのさ? いやまあ確かにエリーはエルフだけど、そのルールって暗黙の了解なんでしょ? それじゃあ外から来た奴隷商人が知らなくてもしょうがないんじゃないの?」
マヤの後ろで、思わず腰を抜かしていた奴隷商人がこくこくとうなずいている気配を感じる。
「それは……っ」
言葉に詰まったエリーに、マヤは言葉を重ねる。
「私もさ、奴隷自体には反対なんだよ。エルフに限らず、どの亜人だって奴隷にされていいわけ無いと思うんだよね」
「そうよ! その通りよ! でも、それならなぜ私の邪魔をするの?」
「それはね、残念だけど今は奴隷が認められちゃってるからだよ」
「そんなこと関係ないわ!」
「いや、関係あるよ。奴隷という制度が許容できなかったとしても、それが認められている以上、力ずくでそれを変えるのは良くない」
「どうして? 今そいつを殺せばそのエルフたちは開放されるわ」
エリーに指さされた奴隷商人に縮み上がって震える。
「そうかもしれないけど、皆がそれをしだしたらどうなると思う?」
「どうなるって、奴隷がほとんど開放されるんじゃないの?」
「ううん、その逆だよ。商人はより多くの奴隷を集めるだろうね」
「なんでよ!? そんなことしてもすぐにまた――」
「そう、すぐにまた襲われて奴隷を取られるかもしれない。でもだからこそ、商人たちは護衛の傭兵の数を増やしたり、多少奪われても大丈夫なようにそもそもの奴隷の数を増やすと思うよ」
「そんな……」
「だからさ、今は一旦落ち着こう?…………そうだなあ、ねえそこの商人さん」
「な、なんだ?」
「そこのエルフの奴隷3人だけどさ、私に売ってくれない?」
「なっ……!? どうしてお前みたいな小娘に……」
「へえ、小娘とか言っちゃうんだ~? いいのかあ? 今誰のおかげで生きてるかわかってる?」
面白そうに妖しく微笑むマヤに、商人は背筋が凍る。
マヤの言葉は、言葉の意味をそのまま取れば提案だが、その実命令にほかなからなかった。
「わ、わかった! 売る、いや、売らせてください!」
エルフ3人分の鎖を差し出した商人に、マヤは満足げにうなずく。
「よろしい。それじゃあこれが代金ね」
マヤは隣町で見かけた一般的なエルフの奴隷3人分に当たる代金を商人に渡すと、そのまま鎖を引いてエリーのところに歩いていった。
「はい、エリー。これで助けられたでしょ?」
鎖3本をエリー差し出されたエリーは、マヤの行動にあっけにとられながらつぶやく。
「マヤ……でも、今のお金……」
「あー、まあ確かに結構痛かったかもね。また冒険者として仕事しないとなあ」
あっけらかんと言いながら頭をかくマヤに、エリーは思わず笑ってしまった。
「あはははははっ、何よそれ、何も考えてなかったの? あはははっ、やっぱりマヤっておかしな人ね」
「えー、そうかな? 普通だと思うけど?」
「普通じゃないわよ、あはは……でも、ありがと。お金は後で渡すわ」
マヤから鎖を受け取ったエリーは、そう言うと踵を返した。
「あれ、お風呂行かないの?」
「今日は辞めておくわ。この人たちの拘束も解いてあげないといけないし」
「なんだ、そういうことか。それなら……はっ!」
マヤが気合の声とともに剣を閃かせると、次の瞬間奴隷のエルフたちの首や手首、足首などにつけられていた鋼鉄の拘束具がきれいに切断されて地面に落ちる。
「これで大丈夫でしょ? ついでにこの人たちにもお風呂入ってもらった方がいいと思うし、一緒に行こう? ね?」
「マヤ……」
マヤに押される形で、結局エリーは、奴隷のエルフ3人も連れて、マヤたちと一緒にお風呂へ行くことになったのだった。
マヤに剣の切っ先を突きつけられたエリーは、両手をあげて後ろへと倒れ込む。
「はあはあ……いや、今日は本当にギリギリだったよ……」
マヤも剣をしまうとその場にしゃがみこむ。
「そうだな。まさかマヤの呼吸が乱れるとは思わなかった」
しゃがみこむマヤへと、シャルルがタオルを差し出してくれる。
ちなみに今は昼間でシャルルも先ほどまでは訓練に加わっていたのだが、その服装は以前の男装ではなかった。
今のシャルルはマヤが選んだ女冒険者の格好をしているのだ。
我ながらなかなか可愛くできたこと改めて満足しながら、マヤはシャルルからタオルを受け取った。
「ほら、エリーも」
「ありがとうシャルルさん」
エリーもシャルルから受け取ったタオルで顔の汗を拭う。
「でも本当に強くなったね、エリー。まさか強化魔法を使って状態であそこまで追い詰められるとは思わなかったよ」
「追い込めてたのかしら? 全然そんなふうには見えなかったけど?」
「まあそれはそうだろうね。そう見えないようにしてるから」
「それも戦術のうち、ってことかしら?」
「そうそう。いつも通り師匠の受け売りだけど、相手に圧力をかけたいなら常に余裕に見せておけ、ってね。こっちが全力なのに相手が余裕綽々だったら焦るでしょ?」
「それはそうね。なるほど、私はまんまとやられたってわけね」
「そこら辺はまだまだ私の方が上手ってことだね。さて、今日はまだ時間も早いし、お風呂で汗を流したらお昼にしようか」
「そうね。ここまで汗だくだとまずはお風呂に行きたいわ」
公衆浴場のある方に歩き出したマヤに、エリーも立ち上がるとその後ろについてくる。
最後に「今日も胸を拝まれるのか……」と少し憂鬱そうなシャルルが続いた。
いつも通り公衆浴場にたどり着き、いつも通りお風呂に入ることになるかと思われたが、その道中でそれは起こった。
「あ、あれはっ!」
「ちょ、ちょっとエリー!?」
マヤの後ろを歩いていたエリーが突然飛び出したのだ。
エリーはそのまま、前方を歩いていた奴隷商人へと魔法を放った。
「ちょっとちょっとちょっと!?」
マヤは慌てて自身へ強化魔法をかけると、奴隷商人とエリーの間にその身を踊らせる。
そのままエリーが放った魔法を真っ二つに斬り、奴隷商人とその商人が連れている奴隷に当たらないようにした。
「マヤ、邪魔しないで!」
「いや、邪魔するでしょ!? どうしたのさ突然!」
「っ……マヤ、あなたは知らないかもしれないけど、この街には1つだけ暗黙のルールがあるのよ」
「暗黙のルール?」
「そう。この街ではエルフを奴隷にすることは許されていないの」
「エルフだけ奴隷にできないの? 確かに言われれて見れば見なかったような気がするけど……」
「そうでしょう? でも、そこの男はエルフの奴隷を連れている。これは許されることじゃないわ」
「なるほど……。ん、でもなんでそれをエリーが咎めるのさ? いやまあ確かにエリーはエルフだけど、そのルールって暗黙の了解なんでしょ? それじゃあ外から来た奴隷商人が知らなくてもしょうがないんじゃないの?」
マヤの後ろで、思わず腰を抜かしていた奴隷商人がこくこくとうなずいている気配を感じる。
「それは……っ」
言葉に詰まったエリーに、マヤは言葉を重ねる。
「私もさ、奴隷自体には反対なんだよ。エルフに限らず、どの亜人だって奴隷にされていいわけ無いと思うんだよね」
「そうよ! その通りよ! でも、それならなぜ私の邪魔をするの?」
「それはね、残念だけど今は奴隷が認められちゃってるからだよ」
「そんなこと関係ないわ!」
「いや、関係あるよ。奴隷という制度が許容できなかったとしても、それが認められている以上、力ずくでそれを変えるのは良くない」
「どうして? 今そいつを殺せばそのエルフたちは開放されるわ」
エリーに指さされた奴隷商人に縮み上がって震える。
「そうかもしれないけど、皆がそれをしだしたらどうなると思う?」
「どうなるって、奴隷がほとんど開放されるんじゃないの?」
「ううん、その逆だよ。商人はより多くの奴隷を集めるだろうね」
「なんでよ!? そんなことしてもすぐにまた――」
「そう、すぐにまた襲われて奴隷を取られるかもしれない。でもだからこそ、商人たちは護衛の傭兵の数を増やしたり、多少奪われても大丈夫なようにそもそもの奴隷の数を増やすと思うよ」
「そんな……」
「だからさ、今は一旦落ち着こう?…………そうだなあ、ねえそこの商人さん」
「な、なんだ?」
「そこのエルフの奴隷3人だけどさ、私に売ってくれない?」
「なっ……!? どうしてお前みたいな小娘に……」
「へえ、小娘とか言っちゃうんだ~? いいのかあ? 今誰のおかげで生きてるかわかってる?」
面白そうに妖しく微笑むマヤに、商人は背筋が凍る。
マヤの言葉は、言葉の意味をそのまま取れば提案だが、その実命令にほかなからなかった。
「わ、わかった! 売る、いや、売らせてください!」
エルフ3人分の鎖を差し出した商人に、マヤは満足げにうなずく。
「よろしい。それじゃあこれが代金ね」
マヤは隣町で見かけた一般的なエルフの奴隷3人分に当たる代金を商人に渡すと、そのまま鎖を引いてエリーのところに歩いていった。
「はい、エリー。これで助けられたでしょ?」
鎖3本をエリー差し出されたエリーは、マヤの行動にあっけにとられながらつぶやく。
「マヤ……でも、今のお金……」
「あー、まあ確かに結構痛かったかもね。また冒険者として仕事しないとなあ」
あっけらかんと言いながら頭をかくマヤに、エリーは思わず笑ってしまった。
「あはははははっ、何よそれ、何も考えてなかったの? あはははっ、やっぱりマヤっておかしな人ね」
「えー、そうかな? 普通だと思うけど?」
「普通じゃないわよ、あはは……でも、ありがと。お金は後で渡すわ」
マヤから鎖を受け取ったエリーは、そう言うと踵を返した。
「あれ、お風呂行かないの?」
「今日は辞めておくわ。この人たちの拘束も解いてあげないといけないし」
「なんだ、そういうことか。それなら……はっ!」
マヤが気合の声とともに剣を閃かせると、次の瞬間奴隷のエルフたちの首や手首、足首などにつけられていた鋼鉄の拘束具がきれいに切断されて地面に落ちる。
「これで大丈夫でしょ? ついでにこの人たちにもお風呂入ってもらった方がいいと思うし、一緒に行こう? ね?」
「マヤ……」
マヤに押される形で、結局エリーは、奴隷のエルフ3人も連れて、マヤたちと一緒にお風呂へ行くことになったのだった。
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