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第4巻第4章 初代剣聖
初代剣聖カーリ
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「おおっ! ウォーレン! 久しぶりだなあ!」
カーサがいると思われる街に着くなり、ウォーレンが向かった先で、1人の男がウォーレンを出迎えた。
笑顔でウォーレンとの再会を喜ぶ男の肩に、ウォーレンは勢いよく手を置くと、ぐっと力を込める。
「悪いが今は再会を喜んでいる余裕はない。カーサはどこに行った?」
「どうしたんだよ一体……カーサちゃんならつい1時間ほど前に出ていったぞ? おそらくだが、あっちの街道の方に行ったと思うが……」
「助かった。すべて済んだらまた顔を出す。それではな!」
勢いよく走り出したウォーレンに、後ろにいたマヤも男性に一礼してシロちゃん跨るとその後を追った。
「何だったんだよ、一体……」
突然やってきて突然去っていったウォーレンに、取り残された男性は呆気にとられてしまうのだった。
***
街道へ向けて街を疾走するウォーレンに、追いついたマヤが後ろから声をかける。
「ウォーレンさん、後ろに乗って!」
「カーサの場所がわかったのか?」
「うん、シロちゃんが匂いを見つけられたみたい!」
「でかした!」
ウォーレンが後ろに飛び乗ると、シロちゃんが得げに話し出す。
「カーサさんの匂いはずっと嗅いでいたので覚えているのです。だから、間違いないのです」
「……妹の匂いをずっと嗅いでいたと言われるのはちょっとなんとも言えない気分だが……ともかく助かった」
「あはは……まあシロちゃんは喋れるけど狼だから、ペットみたいなものだし気にしないほうがいいと思うよ?」
「そうなのです。私はメスの狼にしか興味はないので気にすることはないのです」
「それはそうなんだが……」
そんなことを話しながらも、シロちゃんが高速で走っているため、マヤたちはどんどんとカーサへと近づいていた。
「そうだウォーレンさん、これを渡しとくね」
マヤは収納袋から2振りの剣を取り出してウォーレンへと渡した。
「何だこれは?」
「それは聖魔石っていう特別な魔石でできた剣だよ」
「聖魔石? 聞いたことがないな……」
「やっぱりそうだよね。詳しいことは私も知らないんだけど、とりあえずその聖魔石の剣を使ってくれれば、私の強化魔法の対象になれるんだよ」
「つまり、マヤが俺を強化できるってことか?」
「まあそんな感じかな。でね、もし初代剣聖がウォーレンさんに取り憑いてくれそうに無かったら、その剣を1本、自然な感じでカーサに渡してほしいんだよね。もう1本はウォーレンさんが使っていいからさ」
「どういうことだ?」
マヤの意図が読めないウォーレンは、眉をひそめる。
「あはは、まあ念のために他の作戦も用意してるってことだよ。詳しいこと言っちゃうとウォーレンさんうまく演技できなくなりそうだし、今は内緒ね」
なんだか適当に誤魔化された気がするウォーレンだったが、マヤはそれっきり何も言わなくなってしまう。
どうやら今は話すつもりがないらしいマヤに、ウォーレンは諦めてマヤから渡された聖魔石の剣を背負った。
そうこうしているうちに、街道に入っていたシロちゃんは、特に何もないところで急に足を止める。
前に乗っていたマヤは、思わずシロちゃんの背中に顔から突っ込んでしまった。
「ぷはっ……どうしたのシロちゃん、急に止まって……ん? これは……?」
マヤは自分にもわかるくらいはっきりとした臭いが、風に乗って流れてきていることに気がついた。
「血の臭い、だな……あっちか!」
「ああ! ちょっと待ってよウォーレンさん! シロちゃん、お願い!」
シロちゃんから飛び降りて森の中を駆けていくウォーレンをマヤはシロちゃんに乗ったまま慌てて追いかける。
しばらく森の中を進むと、少し開けた場所があり、そこに1人のオークが立っていた。
それはマヤのよく見慣れた背中で――。
「見つけたよ! カーサ!」
ようやく見つけたカーサに声をかけたマヤに、カーサは振り返り。
「何だ? カーサの知り合いか?」
と、カーサらしからぬなめらかな口調と冷たい声音でそう言った。
「ウォーレンではないか、今更貴様が何の用だ?」
そして、カーサが再会を待ち望んでいた兄であるウォーレンに向かって、これまたカーサらしからぬ口調で言い放った。
「もしかして、今のカーサって……」
「ああ、間違いなくあいつに乗っ取られている」
マヤとウォーレンはカーサの態度と、カーサの足元に転がっている心臓を突かれ、首を斬り落とされた2人の男性の死体から、カーサの状態を推察した。
「ああなるほど、そういえばお前は妹を助けたいのだったな。だが、それはもう叶わぬぞ?」
「どういうこと?」
「お前は……なるほど、お前が新たに魔王となったマヤとかいう小娘か。いいだろう、教えてやる。こいつの、カーサの身体は、この我、初代剣聖カーリがすでに完全掌握した」
「そんな……っ!」
その可能性もあるだろうな、とは予想していたマヤだったが、改めてそう告げられるとショックが大きかった。
ただ、確かに見た目以外マヤの知るカーサの要素が残っていない今のカーサを見ていると、マヤは今のカーサ改め初代剣聖カーリの言葉を信じる他ない。
「お前は本当に初代剣聖だったのだな」
「ほう、ということは、ようやく我の正体に気がついたということか。いや、今更お前が気がつくとは思えん、おおかたそこの小娘が気づいたといったところか」
「そんなことはどうでもいい! カーリとやら、お前は最も強いオークも剣士に取り憑くのだろう?」
「…………そこまで気がついたか。なるほど、その小娘、見た目の割に優秀らしい」
「見た目の割にってどういうことさ!」
「マスター、今それはどうでもいいのです」
変なところに反応したマヤに、シロちゃんが呆れながらツッコミを入れる。
気の抜けたやり取りをしている1人と1匹だが、その間も全神経をカーリに集中させ、警戒を解くことはなかった。
「お前の言うとおりだ、ウォーレン。我は最強のオークを探している」
「ならば好都合。お前が見限った俺が、俺こそが、今この瞬間最強のオークだ!」
ウォーレンが啖呵を切ると、その全身から殺気が溢れ出す。
まるで質量があるかのようなその気配に、カーリは一瞬目を見開いた。
「なるほど、確かに我が切り捨てた頃とは段違いだ。いいだろう、試してやる」
カーリは剣を抜くと、ウォーレンへと構えた。
その剣には、べったりと血糊がついている。
「そんな剣では俺は斬れんぞ?」
「ふんっ、貴様ごときが我の心配とは、よほど自信があるらしいなっ!」
カーリの姿が消えたかと思うと、ほぼ同時にウォーレンの姿も消える。
次の瞬間、カーリとウォーレン、2人のちょうど中間で金属がぶつかり合う甲高い音とともに、大きな火花が散ったのだった。
カーサがいると思われる街に着くなり、ウォーレンが向かった先で、1人の男がウォーレンを出迎えた。
笑顔でウォーレンとの再会を喜ぶ男の肩に、ウォーレンは勢いよく手を置くと、ぐっと力を込める。
「悪いが今は再会を喜んでいる余裕はない。カーサはどこに行った?」
「どうしたんだよ一体……カーサちゃんならつい1時間ほど前に出ていったぞ? おそらくだが、あっちの街道の方に行ったと思うが……」
「助かった。すべて済んだらまた顔を出す。それではな!」
勢いよく走り出したウォーレンに、後ろにいたマヤも男性に一礼してシロちゃん跨るとその後を追った。
「何だったんだよ、一体……」
突然やってきて突然去っていったウォーレンに、取り残された男性は呆気にとられてしまうのだった。
***
街道へ向けて街を疾走するウォーレンに、追いついたマヤが後ろから声をかける。
「ウォーレンさん、後ろに乗って!」
「カーサの場所がわかったのか?」
「うん、シロちゃんが匂いを見つけられたみたい!」
「でかした!」
ウォーレンが後ろに飛び乗ると、シロちゃんが得げに話し出す。
「カーサさんの匂いはずっと嗅いでいたので覚えているのです。だから、間違いないのです」
「……妹の匂いをずっと嗅いでいたと言われるのはちょっとなんとも言えない気分だが……ともかく助かった」
「あはは……まあシロちゃんは喋れるけど狼だから、ペットみたいなものだし気にしないほうがいいと思うよ?」
「そうなのです。私はメスの狼にしか興味はないので気にすることはないのです」
「それはそうなんだが……」
そんなことを話しながらも、シロちゃんが高速で走っているため、マヤたちはどんどんとカーサへと近づいていた。
「そうだウォーレンさん、これを渡しとくね」
マヤは収納袋から2振りの剣を取り出してウォーレンへと渡した。
「何だこれは?」
「それは聖魔石っていう特別な魔石でできた剣だよ」
「聖魔石? 聞いたことがないな……」
「やっぱりそうだよね。詳しいことは私も知らないんだけど、とりあえずその聖魔石の剣を使ってくれれば、私の強化魔法の対象になれるんだよ」
「つまり、マヤが俺を強化できるってことか?」
「まあそんな感じかな。でね、もし初代剣聖がウォーレンさんに取り憑いてくれそうに無かったら、その剣を1本、自然な感じでカーサに渡してほしいんだよね。もう1本はウォーレンさんが使っていいからさ」
「どういうことだ?」
マヤの意図が読めないウォーレンは、眉をひそめる。
「あはは、まあ念のために他の作戦も用意してるってことだよ。詳しいこと言っちゃうとウォーレンさんうまく演技できなくなりそうだし、今は内緒ね」
なんだか適当に誤魔化された気がするウォーレンだったが、マヤはそれっきり何も言わなくなってしまう。
どうやら今は話すつもりがないらしいマヤに、ウォーレンは諦めてマヤから渡された聖魔石の剣を背負った。
そうこうしているうちに、街道に入っていたシロちゃんは、特に何もないところで急に足を止める。
前に乗っていたマヤは、思わずシロちゃんの背中に顔から突っ込んでしまった。
「ぷはっ……どうしたのシロちゃん、急に止まって……ん? これは……?」
マヤは自分にもわかるくらいはっきりとした臭いが、風に乗って流れてきていることに気がついた。
「血の臭い、だな……あっちか!」
「ああ! ちょっと待ってよウォーレンさん! シロちゃん、お願い!」
シロちゃんから飛び降りて森の中を駆けていくウォーレンをマヤはシロちゃんに乗ったまま慌てて追いかける。
しばらく森の中を進むと、少し開けた場所があり、そこに1人のオークが立っていた。
それはマヤのよく見慣れた背中で――。
「見つけたよ! カーサ!」
ようやく見つけたカーサに声をかけたマヤに、カーサは振り返り。
「何だ? カーサの知り合いか?」
と、カーサらしからぬなめらかな口調と冷たい声音でそう言った。
「ウォーレンではないか、今更貴様が何の用だ?」
そして、カーサが再会を待ち望んでいた兄であるウォーレンに向かって、これまたカーサらしからぬ口調で言い放った。
「もしかして、今のカーサって……」
「ああ、間違いなくあいつに乗っ取られている」
マヤとウォーレンはカーサの態度と、カーサの足元に転がっている心臓を突かれ、首を斬り落とされた2人の男性の死体から、カーサの状態を推察した。
「ああなるほど、そういえばお前は妹を助けたいのだったな。だが、それはもう叶わぬぞ?」
「どういうこと?」
「お前は……なるほど、お前が新たに魔王となったマヤとかいう小娘か。いいだろう、教えてやる。こいつの、カーサの身体は、この我、初代剣聖カーリがすでに完全掌握した」
「そんな……っ!」
その可能性もあるだろうな、とは予想していたマヤだったが、改めてそう告げられるとショックが大きかった。
ただ、確かに見た目以外マヤの知るカーサの要素が残っていない今のカーサを見ていると、マヤは今のカーサ改め初代剣聖カーリの言葉を信じる他ない。
「お前は本当に初代剣聖だったのだな」
「ほう、ということは、ようやく我の正体に気がついたということか。いや、今更お前が気がつくとは思えん、おおかたそこの小娘が気づいたといったところか」
「そんなことはどうでもいい! カーリとやら、お前は最も強いオークも剣士に取り憑くのだろう?」
「…………そこまで気がついたか。なるほど、その小娘、見た目の割に優秀らしい」
「見た目の割にってどういうことさ!」
「マスター、今それはどうでもいいのです」
変なところに反応したマヤに、シロちゃんが呆れながらツッコミを入れる。
気の抜けたやり取りをしている1人と1匹だが、その間も全神経をカーリに集中させ、警戒を解くことはなかった。
「お前の言うとおりだ、ウォーレン。我は最強のオークを探している」
「ならば好都合。お前が見限った俺が、俺こそが、今この瞬間最強のオークだ!」
ウォーレンが啖呵を切ると、その全身から殺気が溢れ出す。
まるで質量があるかのようなその気配に、カーリは一瞬目を見開いた。
「なるほど、確かに我が切り捨てた頃とは段違いだ。いいだろう、試してやる」
カーリは剣を抜くと、ウォーレンへと構えた。
その剣には、べったりと血糊がついている。
「そんな剣では俺は斬れんぞ?」
「ふんっ、貴様ごときが我の心配とは、よほど自信があるらしいなっ!」
カーリの姿が消えたかと思うと、ほぼ同時にウォーレンの姿も消える。
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