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第4巻第2章 諜報部隊結成
パコからの情報
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「おおっ、本当に立派な家に住んでるんだね」
マヤはパコに案内されてやってきた2人の家の見るなり声を上げた。
そもそもマヤの発案で行われている支援策なので、どの程度の住宅なのかという情報をマヤは書類上では知っていた。
しかしながら実際に見てみると、予想以上に立派で驚いてしまったのだ。
「だろ? なんでもこーきょーじぎょーってやつでちゃんとした家を作ってくれたんだって」
「公共事業ね。これを作ることで仕事が生まれて経済が回るってやつ」
「そうそう、先生がそんなこと言ってた。まあ、俺としてはこんな立派な家に住まわせてもらえるなら何でもいいけど」
パコは懐から鍵を取り出すとドアを開けてマヤたちに道を開ける。
「それじゃ、お邪魔しまーす」
マヤがドアをくぐると、魔道具の照明で照らされた室内が目に飛び込んできた。
エマはマヤの横を駆け抜けていくと、台所でボタンを押し、やかんが乗っているコンロのスイッチを入れた。
「まあマヤさんとカーサ姉ちゃんは座っててくれよ。お客さんなんだからさ」
マヤとカーサは素直にソファーに座って待つことにする。
マヤは待っている間に部屋の中を見回した。
部屋の中はキサラギ亜人王国製の最新の魔道具が各所に設置されている。
先程エマがボタン一つで点火したコンロも、そんな魔道具の1つだ。
ちなみにマヤ発案だったりする。
マヤがそんな調子でキョロキョロしていると、程なくしてエマがお茶の入ったマグカップを2つ持ってやってきた。
「どうぞ!」
マヤとカーサの前にお茶を置いてえっへんと胸を張るエマ。
そのあまりの可愛らしさに、マヤはエマを抱き寄せて膝に座らせ頭をなでてあげる。
「ねえパコ君、この子私に頂戴」
「何言ってんだよマヤさん! 駄目に決まってるだろ!」
「えーけちー」
マヤはエマを抱きしめ頬ずりしながらパコに非難の目を向ける。
「けちじゃねえ! まさか俺たちに会いに来たのはその話をするためか!?」
「まさかー、私も流石にそこまで暇じゃないって」
「本当かよ……この前までそこの市場で野菜売りしてただけのマヤさんが忙しいなんて信じられないんだけど?」
「あはは、確かにそうかもね。でも、今は本当に忙しいんだ。今日だって、ちゃんと用事があってパコ君たちに会いに来たんだから」
ちなみに2つある用事のうち、1つはすでにあらかた終わっている。
なぜなら用事の片方は、パコたちのような、ハミルトンの娼館の被害にあった子どもたちの支援状況の確認だからだ。
立派な家で最新の魔道具に囲まれて勉強に集中できる環境で生活できているようなので、こちらは問題ないだろう。
「なにか困ったことでもあったのか?」
「うーん、まあそんな感じかな。パコ君、エマちゃん、2人はカーサのお兄さんのことは知ってるかな?」
「ウォーレン兄ちゃんのことか?」
「エマは知らなーい」
元気よく手を上げたエマを、マヤはよしよしと撫でてあげる。
マヤはエマを撫でながら、パコへと顔を向けた。
「パコ君は知ってるんだね」
「ああ。エマはあの頃本当に生まれたばっかりだったから知らないのもしょうがないと思う」
「なるほどね。それで、どんな人だったか覚えてたりするかな?」
「そうだなあ……一言で言うと兄バカってやつだよ」
「兄バカ?」
「ああ、とにかくカーサ姉ちゃんのことが好きで好きでたまらないって感じの人だった」
「えー……」
まさかのシスコンお兄さんでマヤは少し引いてしまう。
まあしかし、カーサは可愛いし仕方ないのかもしれないが。
「そう、かな? 普通の、お兄ちゃん、だった、と、思う、けど」
「いやいやいや、流石にあれはベタベタしすぎだろ」
「そう? 兄妹、なら、普通、くらい、だった、と思う、よ?」
「いや普通じゃないね。いっつも手繋いでたし、一緒のベッドで寝てたし、一緒にお風呂も入ってたし」
「パコ君、とも、手繋い、でたし、一緒の、ベッドで、寝たし、お風呂も、一緒に、入った、でしょ?」
「それはっ……そうだったかもしれないけど。…………俺だけと一緒にいてほしかったのに」
パコの最後のつぶやきを聞いた瞬間に、マヤは大体の状況を理解した。
(なーんだ、ウォーレンさんがシスコンなんじゃなくて、昔のパコ君が大好きなカーサお姉ちゃんを独占できなくてヤキモチ焼いてただけか)
「はいはい、ウォーレンさんがカーサのこと大好きなのはわかったからさ、他に何か覚えてることはないかな?」
「それ以外は……そうだ、そういえばウォーレン兄ちゃんたまに1人で誰かと喋ってたな。引っ込んでろっ! とか、お前の好きにはさせないっ! とか1人で言ってたの、俺見たことある」
「えっ? お兄、ちゃん、そんな、こと、してた、の?」
「あー、それは……」
マヤは思わず言葉に詰まってしまう。
まさか剣と魔法の世界に来て中二病の話を聞くことになるとは思っていなかった。
(どこの世界でも、男の子ってやつは自分に特別な力があるって思いたがるんだねえ……)
ウォーレンほどではないが、そういう時期があったマヤは、温かい目でカーサの肩に手をおいた。
「マヤさん?」
「いい? もしお兄さんにあっても、今聞いたことは黙っててあげるんだよ」
「どう、して?」
「そうだよ、どうして伝えちゃいけないんだ? それになんでそんな優しい目をしてるんだ、マヤさんは」
「いいから、ね? パコ君も、ウォーレンさんに会っても今のことは言っちゃだめだよ?」
「まあ、そこまで言うなら言わないけど……変なマヤさんだなあ……」
ゆっくりと、しかしはっきりと力強く念押しするマヤに、パコは訝しげながらもマヤの言うことを聞く。
「私も、わかった。なんで、なのか、よく、わから、ない、けど」
「うんうん、そうしてあげて」
マヤは自身のちょっとした黒歴史を思い出しながら、窓の外を眺めて遠い目をするのだった。
***
「はあはあはあはあはあ……くそっ!」
とある森の中、全力疾走を続けていたオークの青年は、立ち止まり膝をつくと、息が整うのも待たず吐き捨てるように怒鳴って地面を殴りつけた。
凄まじい轟音とともに、地面に突き刺さったその拳は、前方の地面にまで亀裂を走らせる。
ただそれだけで、その緑髪のオークが只者ではないことが明らかだった。
「くそっ! くそくそくそくそくそっ! どうしてだっ! どうして、どう……してっ!……どうしてこうなるんだよ……ううっ」
何度か地面を殴りつけ、大きなクレーターを作った青年の声には、次第に嗚咽が混じり始める。
「ううっ……うううっ…………ごめん……ごめんな…………俺がもっと強ければ…………ごめんな、カーサ」
森の中で1人、泣きながら謝るその青年の声は、いつしか降り出した雨音の中に消えていったのだった。
マヤはパコに案内されてやってきた2人の家の見るなり声を上げた。
そもそもマヤの発案で行われている支援策なので、どの程度の住宅なのかという情報をマヤは書類上では知っていた。
しかしながら実際に見てみると、予想以上に立派で驚いてしまったのだ。
「だろ? なんでもこーきょーじぎょーってやつでちゃんとした家を作ってくれたんだって」
「公共事業ね。これを作ることで仕事が生まれて経済が回るってやつ」
「そうそう、先生がそんなこと言ってた。まあ、俺としてはこんな立派な家に住まわせてもらえるなら何でもいいけど」
パコは懐から鍵を取り出すとドアを開けてマヤたちに道を開ける。
「それじゃ、お邪魔しまーす」
マヤがドアをくぐると、魔道具の照明で照らされた室内が目に飛び込んできた。
エマはマヤの横を駆け抜けていくと、台所でボタンを押し、やかんが乗っているコンロのスイッチを入れた。
「まあマヤさんとカーサ姉ちゃんは座っててくれよ。お客さんなんだからさ」
マヤとカーサは素直にソファーに座って待つことにする。
マヤは待っている間に部屋の中を見回した。
部屋の中はキサラギ亜人王国製の最新の魔道具が各所に設置されている。
先程エマがボタン一つで点火したコンロも、そんな魔道具の1つだ。
ちなみにマヤ発案だったりする。
マヤがそんな調子でキョロキョロしていると、程なくしてエマがお茶の入ったマグカップを2つ持ってやってきた。
「どうぞ!」
マヤとカーサの前にお茶を置いてえっへんと胸を張るエマ。
そのあまりの可愛らしさに、マヤはエマを抱き寄せて膝に座らせ頭をなでてあげる。
「ねえパコ君、この子私に頂戴」
「何言ってんだよマヤさん! 駄目に決まってるだろ!」
「えーけちー」
マヤはエマを抱きしめ頬ずりしながらパコに非難の目を向ける。
「けちじゃねえ! まさか俺たちに会いに来たのはその話をするためか!?」
「まさかー、私も流石にそこまで暇じゃないって」
「本当かよ……この前までそこの市場で野菜売りしてただけのマヤさんが忙しいなんて信じられないんだけど?」
「あはは、確かにそうかもね。でも、今は本当に忙しいんだ。今日だって、ちゃんと用事があってパコ君たちに会いに来たんだから」
ちなみに2つある用事のうち、1つはすでにあらかた終わっている。
なぜなら用事の片方は、パコたちのような、ハミルトンの娼館の被害にあった子どもたちの支援状況の確認だからだ。
立派な家で最新の魔道具に囲まれて勉強に集中できる環境で生活できているようなので、こちらは問題ないだろう。
「なにか困ったことでもあったのか?」
「うーん、まあそんな感じかな。パコ君、エマちゃん、2人はカーサのお兄さんのことは知ってるかな?」
「ウォーレン兄ちゃんのことか?」
「エマは知らなーい」
元気よく手を上げたエマを、マヤはよしよしと撫でてあげる。
マヤはエマを撫でながら、パコへと顔を向けた。
「パコ君は知ってるんだね」
「ああ。エマはあの頃本当に生まれたばっかりだったから知らないのもしょうがないと思う」
「なるほどね。それで、どんな人だったか覚えてたりするかな?」
「そうだなあ……一言で言うと兄バカってやつだよ」
「兄バカ?」
「ああ、とにかくカーサ姉ちゃんのことが好きで好きでたまらないって感じの人だった」
「えー……」
まさかのシスコンお兄さんでマヤは少し引いてしまう。
まあしかし、カーサは可愛いし仕方ないのかもしれないが。
「そう、かな? 普通の、お兄ちゃん、だった、と、思う、けど」
「いやいやいや、流石にあれはベタベタしすぎだろ」
「そう? 兄妹、なら、普通、くらい、だった、と思う、よ?」
「いや普通じゃないね。いっつも手繋いでたし、一緒のベッドで寝てたし、一緒にお風呂も入ってたし」
「パコ君、とも、手繋い、でたし、一緒の、ベッドで、寝たし、お風呂も、一緒に、入った、でしょ?」
「それはっ……そうだったかもしれないけど。…………俺だけと一緒にいてほしかったのに」
パコの最後のつぶやきを聞いた瞬間に、マヤは大体の状況を理解した。
(なーんだ、ウォーレンさんがシスコンなんじゃなくて、昔のパコ君が大好きなカーサお姉ちゃんを独占できなくてヤキモチ焼いてただけか)
「はいはい、ウォーレンさんがカーサのこと大好きなのはわかったからさ、他に何か覚えてることはないかな?」
「それ以外は……そうだ、そういえばウォーレン兄ちゃんたまに1人で誰かと喋ってたな。引っ込んでろっ! とか、お前の好きにはさせないっ! とか1人で言ってたの、俺見たことある」
「えっ? お兄、ちゃん、そんな、こと、してた、の?」
「あー、それは……」
マヤは思わず言葉に詰まってしまう。
まさか剣と魔法の世界に来て中二病の話を聞くことになるとは思っていなかった。
(どこの世界でも、男の子ってやつは自分に特別な力があるって思いたがるんだねえ……)
ウォーレンほどではないが、そういう時期があったマヤは、温かい目でカーサの肩に手をおいた。
「マヤさん?」
「いい? もしお兄さんにあっても、今聞いたことは黙っててあげるんだよ」
「どう、して?」
「そうだよ、どうして伝えちゃいけないんだ? それになんでそんな優しい目をしてるんだ、マヤさんは」
「いいから、ね? パコ君も、ウォーレンさんに会っても今のことは言っちゃだめだよ?」
「まあ、そこまで言うなら言わないけど……変なマヤさんだなあ……」
ゆっくりと、しかしはっきりと力強く念押しするマヤに、パコは訝しげながらもマヤの言うことを聞く。
「私も、わかった。なんで、なのか、よく、わから、ない、けど」
「うんうん、そうしてあげて」
マヤは自身のちょっとした黒歴史を思い出しながら、窓の外を眺めて遠い目をするのだった。
***
「はあはあはあはあはあ……くそっ!」
とある森の中、全力疾走を続けていたオークの青年は、立ち止まり膝をつくと、息が整うのも待たず吐き捨てるように怒鳴って地面を殴りつけた。
凄まじい轟音とともに、地面に突き刺さったその拳は、前方の地面にまで亀裂を走らせる。
ただそれだけで、その緑髪のオークが只者ではないことが明らかだった。
「くそっ! くそくそくそくそくそっ! どうしてだっ! どうして、どう……してっ!……どうしてこうなるんだよ……ううっ」
何度か地面を殴りつけ、大きなクレーターを作った青年の声には、次第に嗚咽が混じり始める。
「ううっ……うううっ…………ごめん……ごめんな…………俺がもっと強ければ…………ごめんな、カーサ」
森の中で1人、泣きながら謝るその青年の声は、いつしか降り出した雨音の中に消えていったのだった。
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