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第2巻第4章 バニスター反攻作戦
レオノルVSファムランド
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「これで、どうだ!」
マヤは、シロちゃん以外の魔物を操って追い込んだオリガに、シロちゃんの一撃を叩き込む。
「あああああっ! もうっ! そんなのずるじゃんかああ!」
やっとの思い出打ち込んだ一撃は、オリガの防御魔法によって防がれてしまう。
マヤはもう何度も、やっと思いでした攻撃を、オリガに難なく防がれる、ということをくりかえしてきた。
「オリガさん、味方だと、とっても、心強い、けど、敵に、なると、強すぎて、とても、困る」
カーサはオリガが次々に放つ攻撃魔法をかわしたり、時には攻撃魔法そのものを一刀両断したりして、やっとできたちょっとの空白時間に、マヤの隣にやってきた。
「本当にね。こんなのずるじゃんね?」
「うん、もう、ずる、みたいな、もの」
「それを今から、私達は殺すんじゃなくて、生きたまま拘束して無力化しようとしてる、ってことだよね」
「そういう、こと、だね」
「いやー、、正直無理では?」
「うん、正直、無理」
「だよねー。さて、これはどうしたもんかな……おっと」
マヤはオリガがマヤめがけて放ったいくつかの攻撃魔法を、シロちゃんを駆ってかわしていく。
いつもどおりゆっくり考えようとしたマヤだったが、今回はオリガの防御魔法があるわけではない。
当然ながら、防御魔法がなければ戦闘中にのんびり考え事など出来ようはずもない。
「オリガがいないっていうのは思った以上にきついんだね」
「マヤさん、どうする?」
「さて、どうしようかな」
再び打開策を考え始めたマヤに、オリガの魔法が襲いかかってきた。
***
「レオノル! おい! しっかりしろ!」
ファムランドは、レオノルの魔法をさばきながら、レオノルに呼びかけてみるが……。
「………………」
「やっぱりこれくらいじゃどうにもなんねえか……」
ファムランドとて、相手が自信満々に使ってきた装置の効果が、呼びかけ一つで解けてしまったりするとは思っていない。
「仕方ねえ、とりあえず一か八かやってみるか」
ファムランドは魔法による攻撃を繰り返すレオノルとの距離を詰めるべく、身体強化の魔法を強める。
(とにかくレオノルに触って、レオノルに俺の魔力を流し込む!)
ファムランドの見立てが正しければ、レオノルは今、マノロ将軍がさっき使った装置によって、体内の魔力を制御されて操られている。
もしファムランドの見立てが正しければ、レオノルに直接触って魔力を流し込み、装置による制御を乱すことができれば、そこに勝機があるはずだ。
ファムランドはレオノルの攻撃魔法を弾幕をすべてかわすと、レオノルまでの距離を一気に詰める。
「正気に戻れ! レオノル!」
ファムランドはレオノル腕をつかむと、そのまま魔力を流し込む。
「くっ……」
体内の魔力が乱れたからか、レオノルは一瞬顔をしかめたが、制御が解除される様子はない。
「くそっ、この程度じゃ効果がねーか……、うおっと、危ねえ……」
しばらく魔力を流し込んでいたファムランドだったが、レオノルの自身を巻き添えにしたファムランドへの攻撃によって、ファムランドはレオノルから離れることを余儀なくされる。
「マノロの野郎、俺の女になんて戦い方させやがる!」
半ば自爆とも言えるレオノルの攻撃に、ファムランドはマノロ将軍を避難する。
「侵害だなファムランドとやら。見てみろ、レオノルは無傷だぞ?」
マノロ将軍の言うとおり、土煙が収まった後に現れたレオノルの姿は、全く無傷だった。
「そういうことを言ってんじゃねーよクソ野郎!」
「なんとでも言えエルフ風情が。おいレオノル、さっさとそいつをやってしまえ」
「わかり……ました……」
光のない目でマノロ将軍の指示に従うレオノルだったが、その目元に涙が浮かんでいるのを、ファムランドは見逃さなかった。
「俺の女のぞんざいに扱っただけじゃなく、俺の女も泣かせたな? お前はぜってえ許さねえ!」
「許さないならどうするというのだ?」
「とにかくレオノルを取り返してお前をぶっ飛ばす!」
「はははははっ、やれるものならやってみろ!」
ファムランドはマノロ将軍から視線をレオノルに戻す。
ファムランドがマノロ将軍と話している間に、レオノルは次の魔法攻撃の準備を完了させていた。
(あれを全部かわして、もう一回レオノルに近づく。だが、近づいてどうするってんだ?)
ファムランドの考えていた魔力を流し込みという方法は、少なくとも腕をつかんでそこから魔力を流し込むくらいでは、大した効果は得られないことが先程のやり取りでわかっている。
(俺が魔力を流し込んだ時、レオノルは少しだが顔をしかめた。つまり、全く効果がなかったわけじゃーはずだ)
つまり、もっと効率よくもっと多くの魔力を流し込めれば、大きな効果が得られるかもしれない。
(それから、さっきマノロの野郎におれを攻撃するように指示された時、レオノルは間違いなく泣いてやがった。ってことは、レオノルの精神はもとのままでレオノルの中に残ってるかもしれねえってことだ)
レオノルの精神がもとのままレオノルの中に残っているのであれば、レオノルの精神が衝撃を受ければ、マノロ将軍の支配を抜けることもできるかもしれない。
ファムランドが試すべき方法は、レオノルにより効率的に大量に魔力を流し込むことができ、その上でレオノルの精神に衝撃を与えることができる方法、ということになるだろう。
「ははっ、まさかこんな形でお前さんと初めてすることになると思わなかったが……先に誤っとくぞ、ごめんなレオノル」
条件を満たす方法が1つしか思いつかなかったファムランドは、その方法を試すべく、再びレオノルに肉薄する。
「何度やっても無駄なことだ」
「無駄かどうかはやってみなくちゃわからねえだろうが!」
ファムランドがマノロ将軍に啖呵を切ると、そのままレオノルの唇に自身の唇を押し付け。
つまり、キスをしたのだ。
「…………っ!?」
レオノルの表情が、目まぐるしく変わっていく。
マノロ将軍に操られてからの無表情から一転、戸惑いの後に、驚き、そして頬を紅潮させ喜びへと変わっていき――――。
「ファムランドさん、初めてキス、しちゃいましたね」
「もとに戻って第一声がそれかよ」
「だって、嬉しかったんですもん」
「そうか? 怒ってねえのか?」
「怒る? 私が? どうしてです?」
「いや、勝手にキスしちまったし……」
「そんなことで怒るわけないじゃ――」
「ありえない! どうしてお前は正気に戻っているんだ! レオノル!」
もはやただのイチャイチャしている恋人同士でしかなくなっていた2人の会話を、焦り怒ったマノロ将軍の怒声が遮った。
それとは対象的に、ファムランドは冷静に答える。
「なぜかって? そりゃ、俺たちが恋人同士だからだろ?」
ファムランドの言葉に、マノロ将軍は言葉を失ってしまうのだった。
マヤは、シロちゃん以外の魔物を操って追い込んだオリガに、シロちゃんの一撃を叩き込む。
「あああああっ! もうっ! そんなのずるじゃんかああ!」
やっとの思い出打ち込んだ一撃は、オリガの防御魔法によって防がれてしまう。
マヤはもう何度も、やっと思いでした攻撃を、オリガに難なく防がれる、ということをくりかえしてきた。
「オリガさん、味方だと、とっても、心強い、けど、敵に、なると、強すぎて、とても、困る」
カーサはオリガが次々に放つ攻撃魔法をかわしたり、時には攻撃魔法そのものを一刀両断したりして、やっとできたちょっとの空白時間に、マヤの隣にやってきた。
「本当にね。こんなのずるじゃんね?」
「うん、もう、ずる、みたいな、もの」
「それを今から、私達は殺すんじゃなくて、生きたまま拘束して無力化しようとしてる、ってことだよね」
「そういう、こと、だね」
「いやー、、正直無理では?」
「うん、正直、無理」
「だよねー。さて、これはどうしたもんかな……おっと」
マヤはオリガがマヤめがけて放ったいくつかの攻撃魔法を、シロちゃんを駆ってかわしていく。
いつもどおりゆっくり考えようとしたマヤだったが、今回はオリガの防御魔法があるわけではない。
当然ながら、防御魔法がなければ戦闘中にのんびり考え事など出来ようはずもない。
「オリガがいないっていうのは思った以上にきついんだね」
「マヤさん、どうする?」
「さて、どうしようかな」
再び打開策を考え始めたマヤに、オリガの魔法が襲いかかってきた。
***
「レオノル! おい! しっかりしろ!」
ファムランドは、レオノルの魔法をさばきながら、レオノルに呼びかけてみるが……。
「………………」
「やっぱりこれくらいじゃどうにもなんねえか……」
ファムランドとて、相手が自信満々に使ってきた装置の効果が、呼びかけ一つで解けてしまったりするとは思っていない。
「仕方ねえ、とりあえず一か八かやってみるか」
ファムランドは魔法による攻撃を繰り返すレオノルとの距離を詰めるべく、身体強化の魔法を強める。
(とにかくレオノルに触って、レオノルに俺の魔力を流し込む!)
ファムランドの見立てが正しければ、レオノルは今、マノロ将軍がさっき使った装置によって、体内の魔力を制御されて操られている。
もしファムランドの見立てが正しければ、レオノルに直接触って魔力を流し込み、装置による制御を乱すことができれば、そこに勝機があるはずだ。
ファムランドはレオノルの攻撃魔法を弾幕をすべてかわすと、レオノルまでの距離を一気に詰める。
「正気に戻れ! レオノル!」
ファムランドはレオノル腕をつかむと、そのまま魔力を流し込む。
「くっ……」
体内の魔力が乱れたからか、レオノルは一瞬顔をしかめたが、制御が解除される様子はない。
「くそっ、この程度じゃ効果がねーか……、うおっと、危ねえ……」
しばらく魔力を流し込んでいたファムランドだったが、レオノルの自身を巻き添えにしたファムランドへの攻撃によって、ファムランドはレオノルから離れることを余儀なくされる。
「マノロの野郎、俺の女になんて戦い方させやがる!」
半ば自爆とも言えるレオノルの攻撃に、ファムランドはマノロ将軍を避難する。
「侵害だなファムランドとやら。見てみろ、レオノルは無傷だぞ?」
マノロ将軍の言うとおり、土煙が収まった後に現れたレオノルの姿は、全く無傷だった。
「そういうことを言ってんじゃねーよクソ野郎!」
「なんとでも言えエルフ風情が。おいレオノル、さっさとそいつをやってしまえ」
「わかり……ました……」
光のない目でマノロ将軍の指示に従うレオノルだったが、その目元に涙が浮かんでいるのを、ファムランドは見逃さなかった。
「俺の女のぞんざいに扱っただけじゃなく、俺の女も泣かせたな? お前はぜってえ許さねえ!」
「許さないならどうするというのだ?」
「とにかくレオノルを取り返してお前をぶっ飛ばす!」
「はははははっ、やれるものならやってみろ!」
ファムランドはマノロ将軍から視線をレオノルに戻す。
ファムランドがマノロ将軍と話している間に、レオノルは次の魔法攻撃の準備を完了させていた。
(あれを全部かわして、もう一回レオノルに近づく。だが、近づいてどうするってんだ?)
ファムランドの考えていた魔力を流し込みという方法は、少なくとも腕をつかんでそこから魔力を流し込むくらいでは、大した効果は得られないことが先程のやり取りでわかっている。
(俺が魔力を流し込んだ時、レオノルは少しだが顔をしかめた。つまり、全く効果がなかったわけじゃーはずだ)
つまり、もっと効率よくもっと多くの魔力を流し込めれば、大きな効果が得られるかもしれない。
(それから、さっきマノロの野郎におれを攻撃するように指示された時、レオノルは間違いなく泣いてやがった。ってことは、レオノルの精神はもとのままでレオノルの中に残ってるかもしれねえってことだ)
レオノルの精神がもとのままレオノルの中に残っているのであれば、レオノルの精神が衝撃を受ければ、マノロ将軍の支配を抜けることもできるかもしれない。
ファムランドが試すべき方法は、レオノルにより効率的に大量に魔力を流し込むことができ、その上でレオノルの精神に衝撃を与えることができる方法、ということになるだろう。
「ははっ、まさかこんな形でお前さんと初めてすることになると思わなかったが……先に誤っとくぞ、ごめんなレオノル」
条件を満たす方法が1つしか思いつかなかったファムランドは、その方法を試すべく、再びレオノルに肉薄する。
「何度やっても無駄なことだ」
「無駄かどうかはやってみなくちゃわからねえだろうが!」
ファムランドがマノロ将軍に啖呵を切ると、そのままレオノルの唇に自身の唇を押し付け。
つまり、キスをしたのだ。
「…………っ!?」
レオノルの表情が、目まぐるしく変わっていく。
マノロ将軍に操られてからの無表情から一転、戸惑いの後に、驚き、そして頬を紅潮させ喜びへと変わっていき――――。
「ファムランドさん、初めてキス、しちゃいましたね」
「もとに戻って第一声がそれかよ」
「だって、嬉しかったんですもん」
「そうか? 怒ってねえのか?」
「怒る? 私が? どうしてです?」
「いや、勝手にキスしちまったし……」
「そんなことで怒るわけないじゃ――」
「ありえない! どうしてお前は正気に戻っているんだ! レオノル!」
もはやただのイチャイチャしている恋人同士でしかなくなっていた2人の会話を、焦り怒ったマノロ将軍の怒声が遮った。
それとは対象的に、ファムランドは冷静に答える。
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