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番外編 Love Addict
35-11
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あまりにも壱流の良いところを突いてくるので、次第にわけがわからなくなってきて、竜司の広い背中にすがりついた。
* * *
壱流が去ってしまったあと、瀬尾は妙に緊張していた自分に気づき、まひるが出してくれた少し冷めたコーヒーに口をつけて一気に半分くらい飲んだ。
目の前に腰掛けてその様子を見ていたまひるが、「冷めちゃいましたよね。淹れ直します?」と言ってくれた。しかし一気飲みするには丁度良い温度だった。
「いやあの、ほんとおかまいなく」
「もしかして先生のこと、びっくりさせました?」
「……まあ、少し。実はその……結構ファンだったりしまして。実物はやっぱり、かっこいいなあと」
「社交辞令はいいのに」
「いや、社交辞令とかじゃなくて! ……あっ。す、すみません。ちょっと興奮して。保護者の名前見た時、同姓同名の方かな……なんて、うっすら思ってたんですが。本人出てきたから……なんてゆうか。……芸名とかじゃないんですね」
わけもわからず謝る。言わなくても良いことを言っている気がする。
「ああ、可愛いでしょう? 壱流って名前。デビューさせる時どうしようかって話したんですけど、似合ってるからそのままでいいかって」
「は……、え、と、そうですね……?」
ちょっと不思議そうな顔をした瀬尾に、ああ、とまひるは付け足した。
「あたし、彼らのマネージャーやってたものですから。今は信頼出来る人に任せてるけど。子育てってあの仕事続けながらだと、ちょっときつくて」
「ああ。そうなんですか……そうですよね。すみません、なんか」
またしても意味不明に謝った瀬尾に、まひるは面白そうに笑んだ。頼りない感じの先生だとか思われていそうだ。何を謝っているのだろう、もっと教師らしくしなくては。と瀬尾も自分を振り返る。
なんとなく、立ち入ったことを聞いた気がしたから。
忙しいのだろう、確かに。
ZIONは結構ライブ本数をこなすし、その関係で全国あちこちを点々としていることが多い。留守にする時間は多いに違いない。それに付き合っていたら、他人に預けたりしない限りまふゆのことなどまともに育てられない。
「……えーと、まふゆちゃん、お父さんとの関係は良好ですか」
* * *
壱流が去ってしまったあと、瀬尾は妙に緊張していた自分に気づき、まひるが出してくれた少し冷めたコーヒーに口をつけて一気に半分くらい飲んだ。
目の前に腰掛けてその様子を見ていたまひるが、「冷めちゃいましたよね。淹れ直します?」と言ってくれた。しかし一気飲みするには丁度良い温度だった。
「いやあの、ほんとおかまいなく」
「もしかして先生のこと、びっくりさせました?」
「……まあ、少し。実はその……結構ファンだったりしまして。実物はやっぱり、かっこいいなあと」
「社交辞令はいいのに」
「いや、社交辞令とかじゃなくて! ……あっ。す、すみません。ちょっと興奮して。保護者の名前見た時、同姓同名の方かな……なんて、うっすら思ってたんですが。本人出てきたから……なんてゆうか。……芸名とかじゃないんですね」
わけもわからず謝る。言わなくても良いことを言っている気がする。
「ああ、可愛いでしょう? 壱流って名前。デビューさせる時どうしようかって話したんですけど、似合ってるからそのままでいいかって」
「は……、え、と、そうですね……?」
ちょっと不思議そうな顔をした瀬尾に、ああ、とまひるは付け足した。
「あたし、彼らのマネージャーやってたものですから。今は信頼出来る人に任せてるけど。子育てってあの仕事続けながらだと、ちょっときつくて」
「ああ。そうなんですか……そうですよね。すみません、なんか」
またしても意味不明に謝った瀬尾に、まひるは面白そうに笑んだ。頼りない感じの先生だとか思われていそうだ。何を謝っているのだろう、もっと教師らしくしなくては。と瀬尾も自分を振り返る。
なんとなく、立ち入ったことを聞いた気がしたから。
忙しいのだろう、確かに。
ZIONは結構ライブ本数をこなすし、その関係で全国あちこちを点々としていることが多い。留守にする時間は多いに違いない。それに付き合っていたら、他人に預けたりしない限りまふゆのことなどまともに育てられない。
「……えーと、まふゆちゃん、お父さんとの関係は良好ですか」
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