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第7章
暗殺一家の無口な娘
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夏休みが始まり三日が立ったある日。俺は学園で出された課題の中にわからない部分があったため。書籍館に行き。本を探していた。
「・・・・」
『バタンッ』と本を閉じ本棚に戻し。別の本を取り読む。
「・・・・」
しかしイヴァンが求めている本がまったく見つからないでいた。
「どこにあるんだ・・・」
イヴァンが探している本は暗殺に関しての本だった。学園で出された課題の一つに、『暗殺術についての論文を書け』といった内容の課題があったからだ。
「これでもない・・・・これでもない・・・」
イヴァンはたくさんの本を読むが。暗殺についての本が全くもって見つからなかった。
「おかしい・・・ここにあるはずだと思ったんだけど・・・」
イヴァンは仕方なく受付にいる女性に聞くことにした。
「あの、すみません」
「はい。どうされました?」
「ここに暗殺についての本を探しているんですけど・・・」
「ああ、それでしたらつい先ほど借し出されましたよ」
「ほんとですか!?」
「えぇ、黒いコートを被った人が確かその本を・・・・」
俺は急いで外へ出る。辺りを見渡すイヴァン。
「・・・・!!あの人か!!」
片手に一冊の本を持ったコートを纏う人が歩いていた。その人は人気の少ない路地裏へと行く。
「あ!・・・待って!!」
俺は彼女の後を追うように路地裏へと入る。そこには黒いコートの人はいなく。代わりに人ひとり入れるくらいの穴がぽっかりと開いていた。
「なんだ・・・この穴は・・」
俺は好奇心で穴に手を入れる。
「・・・!!うわ!」
手が穴の中へ吸い込まれる.イヴァンは必死に吸い込まれないようこらえるが、耐えきれなくなって穴の中へ入る。
「何だこの穴は!!!」
俺は下へ下へと落ちる。どこまでもどこまでも下へ落ちていく。すると下から一筋の光が見えた。
「へ?」
尻もちをついてお尻を押さえるイヴァンは、気が付けば目の前には。一面花が咲き乱れていた。
「ここは・・・?」
混乱するイヴァンに向けて何かが飛んでくる。障壁を発動していたので飛んできたものを弾く。拾い上げるとそれは短剣だった。
「あれ・・・君は確か・・・」
黒いコートを身に纏った子が目の前にいた。
「ん・・・あの時の・・・」
前に剣闘祭の時に会った子だった。
「それにしてもここはどこなんだ・・・?」
イヴァンはコートを身に纏った彼女の後ろについていく。進んでも辺りはきれいな花が咲き乱れており。先を見ても花があるばかり。
「ここは・・・・私たちの秘密基地のようなもの・・・」
私たち?ほかにも仲間がいるのだろうか・・・。
「本来なら部外者が入ることはできないはずなのに・・・・君は入ることができた・・・」
彼女に跡を追うように先へ進むと。小さなベンチがあった。
「・・・座って・・・」
彼女の言われるがまま俺はそのベンチに座る。
「質問・・・どうしてここへ来たの?」
「君が書籍館で借りた本があったはずだ。どうしても学園の課題に必要なものだったから譲ってもらおうと思って・・・」
「・・・これ?」
彼女はコートから一冊の本を取り出す。その本はイヴァンが欲していた本だった。
「そう!それ!・・・というかどうして君がその本を借りたの?学ぶため?それとも君も課題が同じとか?」
彼女は首を横に振る。
「この本を書いたの・・・私だから・・・読んだって意味ない」
「え?・・・その本書いたの君なの?」
俺は疑問を持つ。
「じゃあ、どうしてその本を借りたの?」
「・・・こうするため・・・」
そう言うと彼女は本を燃やし始める。
「ああ!!」
俺は驚いたことよりも悲しさに胸が焼かれる。せっかく見つけた本が燃やされてしまったのだから。
俺は驚いて立ち上がった後崩れるように手を地面に付く。
「あぁ・・・俺の最後の希望が・・・・」
ぽろぽろと涙が零れ落ちるイヴァン。それを不思議そうな顔で見る彼女。
「あ・・・見たいって言ってたね・・・・ごめん・・・・燃やした」
この子何を考えて自分が書いた本を燃やしたんだろう・・・と考えるがショックがでかすぎて立ち直れないでいた。
「うぐ・・・・見たかったのに・・・・・ぐす・・・」
イヴァンが泣きじゃくってる姿に罪悪感を抱いたのか。彼女は言う。
「・・・・それなら私が教えるけど・・・」
イヴァンは顔をおもむろに上げる。下から見ても彼女の顔は見えなかった。だがイヴァンはそんなことよりも彼女の言ったことにより興奮して周りが見えなくなっていた。
「ほ!ほんと!?」
「うん・・・でも実戦でやってくれとか言わないで・・・・流石に無理・・・」
「いや・・・誰が言うの・・・」
しかしよかった・・・・また暗殺に関する本を調べることにならなくて済む・・・・
俺は深いため息を吐いて安堵した。
「・・・・」
『バタンッ』と本を閉じ本棚に戻し。別の本を取り読む。
「・・・・」
しかしイヴァンが求めている本がまったく見つからないでいた。
「どこにあるんだ・・・」
イヴァンが探している本は暗殺に関しての本だった。学園で出された課題の一つに、『暗殺術についての論文を書け』といった内容の課題があったからだ。
「これでもない・・・・これでもない・・・」
イヴァンはたくさんの本を読むが。暗殺についての本が全くもって見つからなかった。
「おかしい・・・ここにあるはずだと思ったんだけど・・・」
イヴァンは仕方なく受付にいる女性に聞くことにした。
「あの、すみません」
「はい。どうされました?」
「ここに暗殺についての本を探しているんですけど・・・」
「ああ、それでしたらつい先ほど借し出されましたよ」
「ほんとですか!?」
「えぇ、黒いコートを被った人が確かその本を・・・・」
俺は急いで外へ出る。辺りを見渡すイヴァン。
「・・・・!!あの人か!!」
片手に一冊の本を持ったコートを纏う人が歩いていた。その人は人気の少ない路地裏へと行く。
「あ!・・・待って!!」
俺は彼女の後を追うように路地裏へと入る。そこには黒いコートの人はいなく。代わりに人ひとり入れるくらいの穴がぽっかりと開いていた。
「なんだ・・・この穴は・・」
俺は好奇心で穴に手を入れる。
「・・・!!うわ!」
手が穴の中へ吸い込まれる.イヴァンは必死に吸い込まれないようこらえるが、耐えきれなくなって穴の中へ入る。
「何だこの穴は!!!」
俺は下へ下へと落ちる。どこまでもどこまでも下へ落ちていく。すると下から一筋の光が見えた。
「へ?」
尻もちをついてお尻を押さえるイヴァンは、気が付けば目の前には。一面花が咲き乱れていた。
「ここは・・・?」
混乱するイヴァンに向けて何かが飛んでくる。障壁を発動していたので飛んできたものを弾く。拾い上げるとそれは短剣だった。
「あれ・・・君は確か・・・」
黒いコートを身に纏った子が目の前にいた。
「ん・・・あの時の・・・」
前に剣闘祭の時に会った子だった。
「それにしてもここはどこなんだ・・・?」
イヴァンはコートを身に纏った彼女の後ろについていく。進んでも辺りはきれいな花が咲き乱れており。先を見ても花があるばかり。
「ここは・・・・私たちの秘密基地のようなもの・・・」
私たち?ほかにも仲間がいるのだろうか・・・。
「本来なら部外者が入ることはできないはずなのに・・・・君は入ることができた・・・」
彼女に跡を追うように先へ進むと。小さなベンチがあった。
「・・・座って・・・」
彼女の言われるがまま俺はそのベンチに座る。
「質問・・・どうしてここへ来たの?」
「君が書籍館で借りた本があったはずだ。どうしても学園の課題に必要なものだったから譲ってもらおうと思って・・・」
「・・・これ?」
彼女はコートから一冊の本を取り出す。その本はイヴァンが欲していた本だった。
「そう!それ!・・・というかどうして君がその本を借りたの?学ぶため?それとも君も課題が同じとか?」
彼女は首を横に振る。
「この本を書いたの・・・私だから・・・読んだって意味ない」
「え?・・・その本書いたの君なの?」
俺は疑問を持つ。
「じゃあ、どうしてその本を借りたの?」
「・・・こうするため・・・」
そう言うと彼女は本を燃やし始める。
「ああ!!」
俺は驚いたことよりも悲しさに胸が焼かれる。せっかく見つけた本が燃やされてしまったのだから。
俺は驚いて立ち上がった後崩れるように手を地面に付く。
「あぁ・・・俺の最後の希望が・・・・」
ぽろぽろと涙が零れ落ちるイヴァン。それを不思議そうな顔で見る彼女。
「あ・・・見たいって言ってたね・・・・ごめん・・・・燃やした」
この子何を考えて自分が書いた本を燃やしたんだろう・・・と考えるがショックがでかすぎて立ち直れないでいた。
「うぐ・・・・見たかったのに・・・・・ぐす・・・」
イヴァンが泣きじゃくってる姿に罪悪感を抱いたのか。彼女は言う。
「・・・・それなら私が教えるけど・・・」
イヴァンは顔をおもむろに上げる。下から見ても彼女の顔は見えなかった。だがイヴァンはそんなことよりも彼女の言ったことにより興奮して周りが見えなくなっていた。
「ほ!ほんと!?」
「うん・・・でも実戦でやってくれとか言わないで・・・・流石に無理・・・」
「いや・・・誰が言うの・・・」
しかしよかった・・・・また暗殺に関する本を調べることにならなくて済む・・・・
俺は深いため息を吐いて安堵した。
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