魔王級術士の落ちこぼれ

小烏 暁

文字の大きさ
上 下
27 / 58
第4章

超難関!入学試験(剣術編)#3

しおりを挟む
ざわざわと周りから聞こえる・・・耳を澄まして聞くと、「なんで女子がここに?」「おいあれ、アリスじゃないか?」「美しいな・・・」「あの男うらやましいぜ」「それでも女が男に勝てるか・・?」「ばか!お前聞こえるぞ・・・!」といった声だ

「目立ってますね俺達・・・」

イヴァンがアリスに問う

「気にする必要はない、ただのヤジだ」

彼女はキッパリとそれが当然のことのように答えた

「皆さん大変お待たせいたしました!これより剣術試験を行います!」

受験者全員に聞こえるように声を上げる試験官、ざわつきが消え、皆試験官を見る

「それでは!皆さん『行ってらっしゃい!』」

試験官はそう言い手を叩く、すると地面から巨大な魔法陣が現れる

「皆さん!!くれぐれもこの魔法陣の中にいてくださいね!今出ると体が半分に分かれますので」

その言葉を最後に辺りが光に包まれる、まぶしくて手で顔を隠す

 光が弱くなり消えた時、イヴァンとアリスはいつの間にか知らないところにいた

「闘技場?」

「そうみたいね・・・」

すると目の前にモニターが現れ、先ほどの試験官が画面の前にいた

「皆さん無事に来れましたね、皆さんが今いるところは仮想世界です、先ほどの魔法陣は皆さんを眠らせるために使ったものです、今皆さんには眠ってもらっています!」

モニターが変わるとそこには先ほどまでいた場所に立ったまま眠った受験者達が映っていた

「ですがいくら仮想世界といえども痛みがありますので、ご注意ください!・・・それでは!」

ここから本題に入るようだ

「皆さんが今いるところ、そこが今回の剣術試験の会場となります!、これから皆さんにその会場で三回勝負をしてもらい多く勝った者が合格となります!」

「ルールはいたってシンプル!魔法の使用禁止!純粋な剣での勝負で行ってください!剣は各試験場に設置されているものをお使いいただいても構いませんし、持ち込んだ剣を使うのもありですがくれぐれも!くれぐれも!魔法は使用してはいけませんよ!魔法で剣を作るなんてことも禁止です」

試験官は釘を刺す

「それではご検討を祈ります」

試験官が映されたモニターが閉じ、タイマーが現れた、どうやらこのタイマーは準備時間を現しているのだろう

「俺ちょっと剣を見てきますね」

イヴァンはそうアリスに言い、闘技場に置いてある剣を見る
様々な剣がある中どれを選ぶか迷うイヴァン、どれがいいのか分からなくなりスキル、翡翠眼を発動させる。

・このエリアは何らかの魔法的干渉が生じているため閲覧できません・

「・・・ここじゃあ翡翠眼は使えないのか・・・」

弱ったな・・・正直剣なんて適当に選べば楽なんだけど・・・

イヴァンはアリスをちらっと見ながら腕を組む

「女性の前でかっこ悪い姿は見せられないからな・・・・」

「剣は選んだか?」

うーん、と迷っているイヴァンにアリスは問う。
後ろから突然声をかけられたので少し驚いたイヴァン

「い・・・いえ、どの剣が良いのかさっぱりわからなくて」

「ふむ・・・」

アリスは剣立てに近寄りものの数秒で一本の剣を取り、イヴァンに渡す

「その剣を使え」

「これですか?」

「ああ、その剣はまだ使われた形跡がなく耐久性が良い、刃こぼれも一切しておらず握り具合が良いからそれにしておけ」

アリスは瞬時にその剣の状態を見たのか・・・と、イヴァンは感心する

「すごいですね、一瞬見ただけでわかるなんて」

「まぁ、私も剣士の端くれだからな、これぐらいわからないと」

アリスは笑顔でそう答える

「残り10秒を切りました、これよりカウントダウンを始めますので準備をお願いします」

タイマーのモニターからアナウンスが聞こえた

「10・・・9・・・8・・・」

イヴァンとアリスは扉の前に立つ

「7・・・6・・・5・・・」

「目指すは全勝だ、イヴァン」

カウントダウンの最中彼女は答える

「4・・・3・・・2・・・」

「足手まといにならないよう頑張ります!」

「1・・・0・・・」

扉が上に上がり広場が見え、そこには2人の対戦者が見える

「まじかよ・・・あのアリス・ペルシアが相手か」

がタイのいい男が大きな大剣を担いで言う

「それならあの男から先に潰して一対二にすればいいじゃないです?」

キヒヒっと奇妙に笑う男が答える

「・・・あの大剣男は私に任せてもらっても構わないか?」

よほどの自信があるのだろう、自分の身長の倍はある男を相手するつもりだ

「・・・じゃあ俺はあの気持ち悪い男ですね」

イヴァンはそう言い独特な剣の構えをとる、身体は低い姿勢に、剣の柄の部分を頭に近付け、刺突をする構えをとる、彼女はイヴァンの構えに驚きを見せたがすぐに剣を構える

「あの女・・・俺を狙う気だぜ、あの男を早くぶっ潰して加勢してくれよ?」

男は微笑で尋ねる

「そんなに時間はかかりませんのでご安心を」

キヒヒと気持ちの悪い声を上げる

先に動いたのは・・・・・
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

嫌われ者の悪役令息に転生したのに、なぜか周りが放っておいてくれない

AteRa
ファンタジー
エロゲの太ったかませ役に転生した。 かませ役――クラウスには処刑される未来が待っている。 俺は死にたくないので、痩せて死亡フラグを回避する。 *書籍化に際してタイトルを変更いたしました!

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう

味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく

【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~

クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。 ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。 下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。 幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない! 「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」 「兵士の武器の質を向上させる!」 「まだ勝てません!」 「ならば兵士に薬物投与するしか」 「いけません! 他の案を!」 くっ、貴族には制約が多すぎる! 貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ! 「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」 「勝てば正義。死ななきゃ安い」 これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」 このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。 「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。 男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。 「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。 青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。 ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。 「カクヨム」さんが先行投稿になります。

処理中です...