①天乃屋兄弟のお話

あきすと

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微睡

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蕩けそうな笑顔が、脳さえも満たしていくのがよく分かる。
昨日と今日とで何かが大きく変わったとも言えないのだろうが。

白い肌に淡く色づく胸の突起が、
「イッた後、硬くなってる…」
起きてるのを見ると、やっぱり過敏になっている事が分かる。
『だって、…気持ちぃとそうなっちゃうんだもん。』

何となく気まずそうに、星明は胸を隠そうとする。
もっと、他に隠す所がある気もしたけど。

「ここんトコ、ちょっと膨らんでる気がするけど…」
ふにゅっ、と乳輪を緩く指の間で挟んでみる。
『~っ…ゃぁ…っ…、スリスリだめ…っ』

手を星明に払われそうになっても、その手を握って阻止する。
「俺、まだまだ星明の体について…知らない事だらけだから。
知っておきたいんだよ。」

これ以上ないくらいに、突起は立っている。
『ひゃ…ぅ…っ…、っん…』
これは、両方責めたら…善がりまくるだろうけど。
嫌われたら、元も子もないからしないけど。

息が苦しそう、快楽は好きだけど堕ちやすい星明を見てると
ゾクゾクしてくる。
酷い事、したいってんじゃなくて。
もっと、気持ちよくしてあげたいなぁって。

汗が少しずつ引いて来てるのか、星明の体が冷たくなりだす。
「エアコン、寒くないか?」
『んん…、大丈夫。ね、兄貴ィ…えっちも良いけど抱っこしてほしいなぁ、俺。』

予想外な言葉に、俺はすぐに応えて星明を抱き締める。
『あぁ…っ、あったかぁい…。ぞわぞわする…』
何度もしっかりと抱き締めて、キスを重ねて充足感を感じ始める。

「酔い、結構冷めて来たみたいだな。今日はもうこのまま寝ても良いんだぞ?
疲れただろうし。」
星明は俺から少し体を離して
『兄貴は、このままでいいの?』
俺に、聞いて来る。
「全然、良くないけど。明日も早いだろう?」

えぇ?と星明は不思議そうにして
『この前までは、そんなのお構いなしでしてきたのにー?』
耳が痛い事を言ってくるのだから、まだ気はあるらしい。

「あのな、最近無理させてたから。こう見えても気を遣ったんだけどな。」
『知ってるでしょ?…準備してきたのに…。』
敢えて触れないようにして来たけれど。
「なに、このエロい子…っとに。」

スッと、手を星明の臀部から蕾へと滑らせていく。
指先で、軽く押しただけでも溶けているのが分かる。
「こんな知識どこで学んでくるんだ?」
すぐには挿れないで、双丘の辺りを指先でくすぐる。

『黙ってたけど、兄貴のエロ本もDVDとかも~俺全部チェック済みだからね』
「はぁっ!?」
『そんなには、無かったけど。昔から俺がずーっと。兄貴はこういうのが好きなんだぁって…
お勉強させてもらってたの。』

全然気が付かなかった。
女のタイプまで、しっかり知られて来た訳か。
「お前、何つー事を…」
『ぇへへ~…だって、好きな人の事は知っておきたいからさぁ。…怒った?』
「特には…。あざとい奴だなぁ。」

一体、どんな顔して星明は俺のオカズを前にしていたのか。
気にはなる所だ。
『俺、兄貴みたいに見なくても平気だもん。』
そう言って、星明は俺の着ているパジャマの襟に鼻をつけた。
「…フェティッシュか。」

気持ちはよく分かる。俺も星明の肌から香る匂いでさえも好きだから
そっちに走るのはごく自然な気がした。
『兄貴が身に着けてる物とか、何でも良いの…』
「で?俺が部屋にいない時このベッドで…楽しんでた?」

きゅ、星明のと内股を軽くつねる。
『ん…っ、ごめんなさぁい…』
全然、反省もし無さそうだけど。
「つねったのに、何で勃ってんだか…。」

ぐにゅぅ、と蕾に指を挿し入れて行くと星明が体を少し反らし
俺を見つめながら息を乱す。
『もぉ…来てよぉ…っ、』
星明の中は、熱を宿していて指で馴らしてるとぐちゅぐちゅ水音が
激しくなっていく。

段々と膝からくず折れて行く星明の腰を、支えながら
発情期の猫みたいな体勢になるのを見つめている。

ゴムを着けている間に萎えるなんて事は無縁過ぎて、
目の前に、膝を震わせながらコチラを涙目で振り返る
星明と目が合った。

「何で、泣きそうなんだよ…」
ひた、と星明の蕾に自身を宛がう。
一瞬、息を飲む星明を感じながら腰を逃げない様に捕まえながら
挿入する。

『…っく…ぅ…ん…』
まだ全部入れて無くて、この痛切な声。胸を鷲掴みにされてるみたいに
俺まで持って行かれそうになる感覚。

ほんと、酷い子としてるみたいで罪悪感は相変わらず。
まぁ、その分やたら気持ちよくはあるんだけど。
中からの圧がせめぎ合ってる。
奥までぎっちり挿れてしまって、ゆっくりと穿っていたけど
星明の喘ぎが、堪えてる感が妙に鼻に掛かっていて
もう、犯してるっぽい雰囲気さえ醸し出す。

「辛い…?」
『…っひが…ぅ…っ…、おにゃか…くるし…っ…』
そんな気はしてたけど、やっぱりか。
あまり、星明に圧を感じさせずにとは思いながらも。

無意識だとは、思うんだけど星明のも充分絡んでくるし
締まってくると、加減難しいんだけどなぁ。
とか思いながら、体位を変えて膝を抱えながら抽送をしていると
ぎゅうっと俺にしがみ付いて体を、揺らしながら
腹擦りで先に星明が吐精した。

『は…ぁ…っ…、ぁ』
飛び散った精が、星明の顔に掛かっている。
ぞくん、とした。
苦しそうに、ぽかんと開いた口内の粘膜がチラッと見えた拍子に
自分が中で出している事に、少し遅れて気が付いた。

全然余裕なんか無いし、余韻は残らないけど。
星明は俺をしっかりと抱き締めて
腰の辺りを、軽く踵でトントンとされた。

『出し切ったぁ…?』
「俺、多分…自分の性癖が分かった気がする。」
手のひらで、星明の下腹をナデナデした。

『ん…。ぇー、何だろう?教えて欲しいなぁ。おねがぁい…兄貴』
「とりあえず、またの機会にな。それは…。」
『んぁ…っ』
星明の中から抜き去り、ゴムの処理をしてると
『結構、沢山出てるんだね…なぁんか今更恥ずかしくなって来た。』
と、本当に今更カマトトぶるから俺はハッと笑った。

「弟くん、可愛いお顔に…何つけてんだか」
ペロペロと、星明の放ったものを舌で舐め取り。
その後は、後始末を簡単にしてから一緒にベッドで寝る事に。

『兄貴も疲れたんじゃない?…俺ばっかり気持ちよくなって…何か申し訳ないなぁ。』
「気にするな、まだそんなに慣れても無いし無理してまで頑張る事でも無いからな。」
星明の髪を優しく撫でると、嬉しそうに目を細める。
本当に、猫みたいで可愛いな。

誕生日は既に終わっていた。
初めて、2人きりで七夕を家で過ごして。
こんなに近くに星明を感じながら居られるとは、
思いもしなかっただけに感慨深い。

「近い内に、旅行の計画立てような…星明。」
『うん…楽しみ~』
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