①天乃屋兄弟のお話

あきすと

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明けて、

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このお話の前に、クソ彼氏シリーズの2人の事を
月夜が鑑定しているお話をはさみます。
気になる方は、クソ彼氏に振り回される日々。
から【占ってもらうお話】をご確認ください
(違うシリーズなので、こちらには載せていません)








『ねぇ、兄貴…さっきの2人さ、』
朔先輩と、央未さんが帰ってから
明らかに星明は動揺していた。

よく我慢していた方だと俺は思う。
まさか、あんなにもあっさりと央未さんが
朔先輩と付き合っている事を
言うとは思わなかったし。

とりあえず、家に戻る事にして
俺は事務所の片付けと戸締りをしていた。
『お付き合いしてる事、言ってくれたの…凄いなぁって。朔さんと本当に仲も良いし』

テーブルのグラスをトレーに片しながら
星ちゃんはまだ、気持ちが騒いでるのか
よく話す。

PCに今日の入力を済ませて、
星明の後ろ姿をふと見つめる。
多分、俺に何かしら満足する言葉を
投げかけて欲しいんだろうけど、
そう簡単には、出来そうにない。

朔先輩のさっきの一言が、どうも頭から
抜けずにいる。

弟くんとあんまり、似てないな。

気にした事がないと言えば嘘になるが
確かに俺も考えた事はあった。
星明は、何にも思わなかったのだろうか?

『もぉーっ、無視しないでよね!兄貴…』
返答がもらえずに痺れを切らした
星明が振り返る。
あー、相変わらず可愛い弟だコト。

可愛いく怒って膨らんだ頬が
どうにも愛おしい。
こんなにも構って構って、とされちゃうんだから本当に星明の頭の中は、
きっと俺の事でいっぱいなんだろう。

『言葉、忘れちゃった?』
くすくす笑い始めて、更に可愛いくなる。
俺は椅子から立ち上がり
ドアの前で、星明を待ち構える。

「待つよ、寄越しな?トレー」
『え、いいの?じゃあ割らない様に気を付けてね。』
本当は受け取る気はなかったけど、
その前にハグしたかったけど
こんなの持ってたら出来ないって
気がつくのが遅かった。

『ありがとう、兄貴。お腹すいたね。前もって晩ごはん作ってあったから温めて食べよっか』
俺は星明の何気ない言葉が
日頃からどんな生活をしてて、
人間性にまで温かみを感じるから
好きだ。
 
自分で言うのもなんだけど、
いい子に育ったと思う。
どこに出しても恥ずかしくない弟だ。

なのに、俺は…

これ程大切な弟に手を出してしまった。
誕生日を迎えれば、成人だと言うのに
それまで待たなくて。
情け無くて、しばらく心が重かった。
と同時に、今までずっと押さえ込んでいた
想いが溢れ返ってしまって
苦しかった。

渡り廊下を進み、家の勝手口から
台所に出て流しにグラスを置く。
『洗うのは俺がするから、食べちゃお』

星明は晩ごはんのおかずを温め直して
器に盛り付ける。
『ずっとね、ドキドキが止まらなかったよ。
あの2人に…兄貴と俺の関係がバレやしないかって。』

俺はご飯をよそいながら、星明を見ていた。
多弁になるのは、解放されたいという
心理状態もあるのか。
食卓に器がいくつも並び、互いに
席について手を合わせる。

心が落ち着く時間でもある。
ゆったりと食事をしてから、少し
星明と話した。
落ち着きを取り戻した様で、俺も
安心して風呂に入る事ができた。

星明にとって、今日は刺激的な1日となった事だろう。
俺は人の恋路は特に興味がないだけに
星明との違いを感じる。
まだ、夢や恋愛に憧れる年頃なのは
間違いない。

自室に戻る頃には11時を過ぎていた。

あれ以来、星明の事は抱いていない。
特によそよそしさも無いし
何があったわけでも無い。

部屋に入り、アロマを少し焚いてみた。
リラックスするラベンダーの香りが
ゆっくりと部屋に満ち始める。

ベッドに座ると、ドアからノックの音がした。
返事はせずに腰を上げて、ドアを開けてみた。
子供の頃大好きだったぬいぐるみが、
視界に入る。
今では星明が持っている宝物となっていた。

『こんばんは、』
「…いらっしゃい」
『久しぶりに、クマッタと…3人で寝てみない?』
「イヤです。」
『?!えぇ、クマッタはちゃんと洗って綺麗だよ?』
「クマッタをダシにするのが、イヤです。」

ちょっと意地悪かな?とは思うけど。
これくらいは平気でしょ。
『そゆことかぁ…、うん。そうだよね、ごめんなさい。ちゃんと言うね?…兄貴と一緒に、寝たいなぁって…。ダメ?』

星明は、クマッタを抱き締めながら
俺を見上げた。

お前、一緒に寝るのがどう言う意味か分かってんの?と脳内で声がした。
でも、無視をして構わず抱き締めた。

こんな可愛いのを無視して、寝れるかっての。

愛しくて愛おしくて、頭がおかしくなりそうだ。

クマッタは、テーブルの上に置いて来た。
星明は、俺のベッドに上がって
横になっている。
写真撮りたいな、可愛すぎるだろ。
甚平着てるのがマジで艶めかしい。

今日は、白の生地を着て来たか。
夏らしくて涼しげでよく似合ってる。
汚さない様にしなきゃな、と反応的に思う。

『いいにおい~これ、ラベンダーでしょ?確か、眠くなるんだよね…』
あ、俺とした事が余計な事してしまったか?

「…星明、眠い?」
俺も横になって、タオルケットを星明に
掛けてから頭を撫でた。
『まだ、大丈夫だよ。』

声がかなり眠そうだけど、
やっぱり…星明もそういう気で来たんだろうな。寝られてしまう前に、俺は星明の
甚平の合わせ目の蝶結びを
そっと解いた。

鎖骨の辺りに輝くネックレスを、
静かに外してやる。
『…えっち♡』
「そう言う、事だろ?」
星明は、どこか嬉しそうに笑って
俺に手を伸ばしてくる。

しっかりと抱き締めてキスを交わす。
最近立て込んでた事もあって、
全然イチャイチャも出来ずにいたから
何かが心で解けて行く気がした。

たぷっとした柔らかい舌の感触が
触れ合うたびに気持ち良くて
唾液を絡ませながら、何度も啄む。

『っ…ふ……ぅ、』
優しさで満ち溢れそうな時間だ。
そっと胸に手を這わせて、小さな突起を愛撫すると、すぐに甘い声が上がり始める。
膝を擦り寄せては、体をよじる姿が
扇情的でしかない。

きゅ、と突起を摘んでくりくりと
指の間で摩るだけで、胸を反らしてしまう。
耐えてるのが、よく分かる。
トロンとした目に変わった星明から、
唇を離すと
『きもちいぃよぉ…っ…♡』
泣きそうな声で言われた。

相変わらず、俺の理性をぶっ壊すのが
うま過ぎる弟を前にして、俺は着ていた
シャツを脱いだ。
『っん…っ、くすぐったい』
また星明の腹部に俺の髪が降りてしまう。
「星明、一応聞くけど…大丈夫そう?」

俺の問いに、星明は顔を手で覆って
『多分、平気だよ。あれから、少し経ってるけど…忘れてなんか無いと思う。』
クラッとする様な事を言われてしまった。

「舐めたらイヤ?」
『え、え…?前?って事だよね、』
「そう。」
『兄貴がイヤじゃないなら、俺は…うん。ちょっと恥ずかしいけど…』

甚平の半ズボンから、星明のを触って
「あれ?履いてる?」
『…んん、履いてるよ、さすがに…っ』
確認も兼ねて、ズボンを下ろした。

ピッタリとしたボクサーパンツからのぞく
太ももが妙に可愛いく思えた。
「あれから、自分で…シた?」
残酷な質問だと思う。
わざわざ可愛い弟を恥ずかしがらせて
最低な気もする。

でも、それ以上に俺の想いが多過ぎて
そろそろ星明に受け止めてもらいたい。

さわさわ、と太ももを撫でると
くすぐったそうに声を上げる。
ふっくらと少し膨らんだ形が、意地らしくて
優しく下着の上から触れてみる。

じっ、と暗い部屋で星明の反応を
うかがう。
もどかしそうで、可哀想かな?と
思いながら緩い愛撫を続ける。

『んっ…、あにき…っもぉ…触って?』
眉根を寄せながら、困った様な表情がたまらない。
芯を持ち始めた星明の性器は、
熱の解放を望んでるに違いないだろうけど。

先端部分は、少しだけカリカリと指先で
下着の上から刺激する。
『ゃ…っ、でひゃぅ…ン…っ、ぁ…♡』

出す瞬間に、下着を少し下げたせいで
星明の胸やお腹に、少しかかった精を
綺麗に舐め取る。

『ばかぁ…っ、ヘンタイ…!』
息を乱しながら、星明は泣きそうな顔で
怒ってる。

怒ってたはずなのに、体のあちこちを
俺が舐めてるからそれどころじゃ無くなって
結局また、刺激に体も心も許してく。

下着を脱がせて、星明の足の間に入ると
この前の行為を思い出す。
壊れそうになりながら、必死で俺を受け入れて
くれる姿には心が大きく揺れた。

守りたくて愛しくて、どうにかなりそうな位なのに
内から壊してく様な錯覚が
わずかに怖かった。

「慣らすけど、痛かったら言うんだよ?」
『うん、多分大丈夫だと…思う』
星明を抱く事はまだまだ全然心に余裕がない。

とにかく、傷つけない様にと配慮しながら
手と星明の蕾にローションを垂らす。
『ひゃ…っ…ん♡』

冷たくはないだろうけど、手に落としたローションをよく指に絡めて
「じゃ、挿れてく…」
最初は指一本から、と思っていたけど
柔らかみを感じて、人差し指と中指を
一緒に挿れてみた。

『ん…くぅ…っ、』
滑らかに入って行きそうではある。
押し入れた指を中でゆっくりと
かき混ぜて、水音が響く。

ぐぢゅぐぢゅ言うのを聴きながら、
ぐぅっ、と星明の側へと膝を深く
曲げてゆく。
思ったより解れるのに、時間は掛からなくて
気が楽になった。
「痛くない?」
『平気、でもなんか…むずむずしちゃうね。もう、兄貴のちょうだい?』

語感が刺激的過ぎて、脳内で軽く
イッたんじゃないかと思いながら。
枕の後ろに置いてあるコンドームを
知ってた星明に渡された。

星明は、じぃっと俺が自分の性器を
軽く扱いて勃たせ、コンドームを
装着する所を見ていた。

『そんなカッコいいのに、えっちなんて…俺どうしたら良いのか分かんなくなりそう』
ぽそっと、星明の本音が溢れた。

「…星明は、感じて?少しでも俺の事…」

慣らした蕾に、押し込む感覚が
長く続く気がした。
嗚呼、ちゃんとあったかい。

ゴム一枚隔てても、それはハッキリと
伝わってくる。少し、中がうねっていて
絡んでくる。
『お腹重いね、入ってる…っふふ♡』
ここで笑ってしまえる星明の
貪欲さに眩暈がしそうだ。

「…動くと出そう」
『ぇ?いぃよぉ…出しちゃえ…っぁ、…ゃぁぁぁぁ…』
奥に響く様な律動に変えると、一気に
星明の体は揺れて
声も出せないまま、気を飛ばした。

ゴムの中が、じわっと熱い。

駄目だ、一回じゃ足りない。
けど、星明がこんな状態じゃ…
しばらく2回目は無理そうかな?

一気に押し寄せる虚無感が
鬱陶しくて軽く頭を振り、
俺は、星明の中から自身を抜き去った。

その後、朝方に2人でイチャイチャしてたらもう一回してしまって、星明は朝から
膝が笑っていた。

俺も、体に心地良い疲労感が襲って来て
もう少しだけ2人で眠る事にした。

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