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2人の簡単なプロフィールです。ご参考までにどうぞ。





俺の彼氏様と再燃してから、もうそろそろ3年の月日が
流れようとしている。

毎日、離れずに飽きもせずにお隣同士の部屋に暮らしながら
主に俺の部屋で同棲している。

寝顔も、寝起きの寝ぐせも無精ひげが生えてる姿も当然見て来てる。
朔のわりかしだらしない姿には、そこまで何も思わない。
と言うよりかは、家にずっとジッとしてないんだよな。

フットワークも軽いし、活動的なのは昔から変わらない。
どちらかと言えば、俺の方が休みの日は家でじっくり
好きな事に没頭していたい性質だ。

あまりに不健康だから、と朔はよくバイクで俺を外に連れ出してくれる。

視線の先の景色が流れていくのを見ているのが、好きだ。
しっかりと朔の腰に両腕をまわして、露出の多いバイクに乗せられながらも
不思議な安心感に包まれていた。

パーキングエリアや道の駅にもよく立ち寄って、地方のお土産品や
ご当地グルメなんかを食べたりして。
本当に、ただフツーのデートを重ねて来た。

「これから、バイク大変だな。」
『しばらくは、ウチ(実家)に戻しとく。』

まぁ、これからは梅雨だしね。
明けるまでは、出不精なのも重なって6月にウンザリしてる。

「そもそも、濡れるの無理。」
『同感。雨に濡れると…なんかこー、痒くなんないか?』

夜干しの洗濯物で、部屋の中も微妙に湿度が上がったのを感じている。
「分かる。一刻も早く水分拭き取るもん俺。」
『除湿器置いてあるもんな。』
「湿度高いと、おかしくなりそう。エアコンも夏場は除湿欠かせないし。」

乾いた洗濯物を畳んでいると、向かいに朔が来て同じ様に
洗濯物を畳み始める。

『でもさ、俺…帰国してからは結構雨の季節が好きになった。』
朔は、前髪を相変わらずゆるめのゴムで縛っている。
おでこまでカタチが綺麗。
なんだか、可愛いなって思える。
で、眼鏡も掛けてる。オフの時の朔とオンの時の朔のギャップが
たまらなく好き。

「もしかして、ヨリを戻した時だから?」
くすくす笑って、屈んでいる朔のおでこに軽くキスをした。
『っと…ぉ、珍し…。』
「やぁ、なんか…我が彼氏ながら可愛いなぁって。」
『って、言うお前の方が可愛いのにな。だから、そういうトコだって。』

朔は休日には実家の手伝いに行ったりもしているから、
平日のコミュニケーションの大切さも痛感する。

「ね、朔~ちょっとさ…抱っこして?」
呆れられるかな?って思いながら、照れながら朔にお願いしてみる。

朔のかけていた眼鏡が、タイミングよく少しズレ落ちた。
わ、やっぱり引いてるよね?

『いいけど…、俺が断るかと思った?』
「ちょ、ちょっと…待って!洗濯物仕舞って来る。」
急に、気恥ずかしくて身を翻して廊下に行こうとした所で
『……あ、思ってたよりズッシリする。』

後ろから抱き締められ、そのまま床から脚が浮く。
「なぁに…やってん…ん?」
『ぁ、やべ~…腰逝ったカモ』

朔は笑いながら、俺を抱き上げたままで動けなくなっていた。
「何やってんの、馬鹿~…!」


って事が、1週間前ほど。

その後、何とかぎっくり腰は治ったらしいけど。
朔は今までにも何度か起きた事を俺に話してくれた。

『たまーに、腰やばくなんだよな。』
「それ、クセになってんじゃないの?」
『そうならない様に、たまには整体とかで診てもらってる。』
「今度から、抱っこは止めておこうね。お互いの為にも。」
『ハグで我慢してくれる?』

ベッドで寝そべりながら、俺の髪を朔が撫でている。
「俺も、ちゃんと言えば良かった。ハグの方だったんだけどな、して欲しかったのは。」
『マジで~…?いや、お前俺より小さくて軽いだろうって。そんな考えで…甘かったわ。』
「もう、違和感も無いんでしょ?」
『そうだな。全く、かな。ちょっと確かめたいけど。』

俺も体を横たえながら、向かい合っていつでも眠れる体勢。
腰にまわる朔の手に、髪を触っていた指先から頬へと移る。
常夜灯の下、朔の悪戯な手が俺に無遠慮に触れていく。
元気になって良かった、と素直に思う。

「確かめたいって…あ、腰が?」
『そう。』
「…ん~、脚でなら良いよ。」
『素股、な。』
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