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1日1回はココ来るね?
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『アイスの自販機、無かったら溶けてた~』
ふにゃふにゃとした笑顔でさえも、やっぱり凪は見れる。
同居人・凪はいつからか俺の部屋に転がり込んで
怠惰な日々を送っている。
俺は、執筆作業の手伝いをさせる事にしてこの
フワフワ頭を養っている。
「溶けてんだろ、もう既に。」
凪は、グレープのシャーベットを買って(もちろん俺の金)
俺は、バニラを買った。
凪は、その場で巻紙をはがそうとして
「ここで食べるな。部屋に戻ってからな。」
寸手で止めた。
『溶ける~』
「剝がさなきゃ溶けない。」
マンションの正面、道路を挟んだ向こう側にある
アイスの自販機。最近は、毎日の様に買いに行っている。
エレベーターの中で、凪は鏡越しに俺を見てニコニコしている。
なんとなく、イヤな予感がした。
部屋に戻ると、エアコンの風が気持ちいい。
『バニラ、買ったんだ?珍しいね。いつもラムネなのに。』
「やんないからな。」
『……!まだ、何も言ってない。』
言ってなくとも、何を言い出すかの想像くらいは簡単に出来るってのに。
椅子に座ってゆったりとアイスを食べ始めた凪が、少し落ち着いた。
「お前、大体グレープとかピーチだな。」
『そうだね、クリーム系はあんまり食べないかも。』
とんとん、と俺はこめかみを軽く刺激する。
『冷たいからね。頭痛い~って、僕はならないんだけど。』
「もう食い終わったのかよ、はや……。」
『美味しかった。ありがとね?竜ちゃん。』
急に素直にそんな事言われると、照れくさい。
まともに会話すると、今更感があってなんとなく
気恥ずかしい。
「少し休憩したら、また文字起こしの続きな。」
『ぇ~……』
「えーじゃない。夕飯までに片付けるぞ。」
凪は、俺のスマホを持って来て
『さっき気づいたんだけど、この新規録音の18番。なに?』
再生ボタンを押した。
少し、思い起こす前に記憶がよみがえる。
「……!それは、聞くな!」
凪は、驚きつつもスマホを取られまいと手をすかさず
テーブルの上に伸ばし。
良い音がした。
『っ痛~い……!』
「大体、人のスマホを勝手に見るなよな。」
手をさすりながら、凪は俺を睨んで部屋を出て行った。
ふにゃふにゃとした笑顔でさえも、やっぱり凪は見れる。
同居人・凪はいつからか俺の部屋に転がり込んで
怠惰な日々を送っている。
俺は、執筆作業の手伝いをさせる事にしてこの
フワフワ頭を養っている。
「溶けてんだろ、もう既に。」
凪は、グレープのシャーベットを買って(もちろん俺の金)
俺は、バニラを買った。
凪は、その場で巻紙をはがそうとして
「ここで食べるな。部屋に戻ってからな。」
寸手で止めた。
『溶ける~』
「剝がさなきゃ溶けない。」
マンションの正面、道路を挟んだ向こう側にある
アイスの自販機。最近は、毎日の様に買いに行っている。
エレベーターの中で、凪は鏡越しに俺を見てニコニコしている。
なんとなく、イヤな予感がした。
部屋に戻ると、エアコンの風が気持ちいい。
『バニラ、買ったんだ?珍しいね。いつもラムネなのに。』
「やんないからな。」
『……!まだ、何も言ってない。』
言ってなくとも、何を言い出すかの想像くらいは簡単に出来るってのに。
椅子に座ってゆったりとアイスを食べ始めた凪が、少し落ち着いた。
「お前、大体グレープとかピーチだな。」
『そうだね、クリーム系はあんまり食べないかも。』
とんとん、と俺はこめかみを軽く刺激する。
『冷たいからね。頭痛い~って、僕はならないんだけど。』
「もう食い終わったのかよ、はや……。」
『美味しかった。ありがとね?竜ちゃん。』
急に素直にそんな事言われると、照れくさい。
まともに会話すると、今更感があってなんとなく
気恥ずかしい。
「少し休憩したら、また文字起こしの続きな。」
『ぇ~……』
「えーじゃない。夕飯までに片付けるぞ。」
凪は、俺のスマホを持って来て
『さっき気づいたんだけど、この新規録音の18番。なに?』
再生ボタンを押した。
少し、思い起こす前に記憶がよみがえる。
「……!それは、聞くな!」
凪は、驚きつつもスマホを取られまいと手をすかさず
テーブルの上に伸ばし。
良い音がした。
『っ痛~い……!』
「大体、人のスマホを勝手に見るなよな。」
手をさすりながら、凪は俺を睨んで部屋を出て行った。
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