5 / 6
⑤運命が変わる
しおりを挟む
ついこの前、20歳になったと思ってたのに。あと数日で、もう21歳になるんだなんて
信じられない。
でも、20歳になって良かったと思えた事があると言えばある。
一緒に飲酒をできる様になった事だ。
俺はホストをしていた時期にしこたま
飲んで飲んで飲んでの日々だった。
何の自慢にもならないけどな。
星明はアルコール耐性があるのか、未知数だったから度数の低い俺から言わせればほぼ
ジュースみたいなカクテル酎ハイを飲んでいる所を見た。
時々は、晩酌をする仲になって
兄弟水入らずで…と思っていたが。
『ふぁ~…ね、めっちゃ眠い。』
星明は飲むと、すぐ眠くなるタイプらしくて
トロトロの目で眠気と戦っていたのを
思い出す。
だよなぁ、星明なんて特に飲めなさそうな
感じするもんな。
俺がザルだから、先にリビングで寝てしまった星明を寝室に運んだ事もある。
そして、翌朝にはケロリとしていて
『ごめ~ん、また寝てたね。』
と、謝って来る。
俺は何にも言えない。やっぱり星明に
家のことをまかせている手前、疲れてるだろうとは思うから。
よくスヤスヤとねむる姿を見るのも
結構好きだからな。
天使の休息…そんな表現が相応しい気がした。
ピアスホールが最近定着して来たな。
春先にクリニックでピアスを開ける
施術をしてもらって来た星明は、以前とは
少しだけ雰囲気が変わった気がした。
より、大人っぽくなったと思う。
自分のだ、とは言っていいのか分からない。
でも、この世で1番大切な存在である事は
確かだ。
いつか後悔する日が来るのか?と考える事すら無駄だ。
向き合って、やっと一緒に歩み出した
所なんだ。
『兄貴、今日は俺…絶対寝ないからね!』
そう言って、星明はシャワーから上がって来た後に度数の低いジュースみたいな
カクテル酎ハイを飲んでいた。
で、しばらくして俺がシャワーを浴びて
居間に来ると、案の定眠たそうな顔をした
星明が、椅子に座っていた。
めちゃくちゃ舟を漕いでいる。
眠さの限界か。
中途半端に酔って、片手には缶を携えたままの星明がカクン、と揺れる。
「だ~…っ、椅子で寝るな危ない!」
慌てて俺は星明の側に行って、椅子を引いて
から抱き寄せる。
『ねむたぁ~い…むりだよぉ…っ、ね?』
全く、何をしたいんだか。
渋々、抱き上げて2階へと連れて行く。
意外とズシッと来るよな、脱力した人間って。
ゆっくりと、階段を上がって部屋のドアを
開ける。適温に設定されたエアコン。
ベッドの上に、そろそろと星明を横たわらせる。
『きもちぃ~♡』
ま、そりゃそうだろな。顔がまだ少し
赤くなっている。耳もうっすら赤みが
さしていた。
可愛い…。無防備過ぎて不安になる。
「キスしたくなんない?」
『え~?……わかんにゃい、してみて』
「駄目、これじゃあまりにも雑すぎる。」
星明はうっすらと目を開けて、おかしそうに笑っている。
『あにきはさぁ、ロマンチストだもんね~♡わかるよ~俺もそうだもん。』
キスひとつさえ大事にしないのは、どうかと思う。コレが俺の当たり前。
「お前はどうだろな?なに、酔いたかったのか星明。」
酔いたい気分ってのもたまには、アリだ。
『うぅん、酔いたいって…よりかはぁ~あにきにあまえてみたくなっちゃっただけ♡』
まんまと策にかかってる。
甘やかせたい、そりゃあそう。
でも、こんな今にも寝そうな星明だと
きっと途中で終わってしまいそう。
フラストレーションの解消なら、上手くやらないといけない。
信じられない。
でも、20歳になって良かったと思えた事があると言えばある。
一緒に飲酒をできる様になった事だ。
俺はホストをしていた時期にしこたま
飲んで飲んで飲んでの日々だった。
何の自慢にもならないけどな。
星明はアルコール耐性があるのか、未知数だったから度数の低い俺から言わせればほぼ
ジュースみたいなカクテル酎ハイを飲んでいる所を見た。
時々は、晩酌をする仲になって
兄弟水入らずで…と思っていたが。
『ふぁ~…ね、めっちゃ眠い。』
星明は飲むと、すぐ眠くなるタイプらしくて
トロトロの目で眠気と戦っていたのを
思い出す。
だよなぁ、星明なんて特に飲めなさそうな
感じするもんな。
俺がザルだから、先にリビングで寝てしまった星明を寝室に運んだ事もある。
そして、翌朝にはケロリとしていて
『ごめ~ん、また寝てたね。』
と、謝って来る。
俺は何にも言えない。やっぱり星明に
家のことをまかせている手前、疲れてるだろうとは思うから。
よくスヤスヤとねむる姿を見るのも
結構好きだからな。
天使の休息…そんな表現が相応しい気がした。
ピアスホールが最近定着して来たな。
春先にクリニックでピアスを開ける
施術をしてもらって来た星明は、以前とは
少しだけ雰囲気が変わった気がした。
より、大人っぽくなったと思う。
自分のだ、とは言っていいのか分からない。
でも、この世で1番大切な存在である事は
確かだ。
いつか後悔する日が来るのか?と考える事すら無駄だ。
向き合って、やっと一緒に歩み出した
所なんだ。
『兄貴、今日は俺…絶対寝ないからね!』
そう言って、星明はシャワーから上がって来た後に度数の低いジュースみたいな
カクテル酎ハイを飲んでいた。
で、しばらくして俺がシャワーを浴びて
居間に来ると、案の定眠たそうな顔をした
星明が、椅子に座っていた。
めちゃくちゃ舟を漕いでいる。
眠さの限界か。
中途半端に酔って、片手には缶を携えたままの星明がカクン、と揺れる。
「だ~…っ、椅子で寝るな危ない!」
慌てて俺は星明の側に行って、椅子を引いて
から抱き寄せる。
『ねむたぁ~い…むりだよぉ…っ、ね?』
全く、何をしたいんだか。
渋々、抱き上げて2階へと連れて行く。
意外とズシッと来るよな、脱力した人間って。
ゆっくりと、階段を上がって部屋のドアを
開ける。適温に設定されたエアコン。
ベッドの上に、そろそろと星明を横たわらせる。
『きもちぃ~♡』
ま、そりゃそうだろな。顔がまだ少し
赤くなっている。耳もうっすら赤みが
さしていた。
可愛い…。無防備過ぎて不安になる。
「キスしたくなんない?」
『え~?……わかんにゃい、してみて』
「駄目、これじゃあまりにも雑すぎる。」
星明はうっすらと目を開けて、おかしそうに笑っている。
『あにきはさぁ、ロマンチストだもんね~♡わかるよ~俺もそうだもん。』
キスひとつさえ大事にしないのは、どうかと思う。コレが俺の当たり前。
「お前はどうだろな?なに、酔いたかったのか星明。」
酔いたい気分ってのもたまには、アリだ。
『うぅん、酔いたいって…よりかはぁ~あにきにあまえてみたくなっちゃっただけ♡』
まんまと策にかかってる。
甘やかせたい、そりゃあそう。
でも、こんな今にも寝そうな星明だと
きっと途中で終わってしまいそう。
フラストレーションの解消なら、上手くやらないといけない。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
人外CPにはなりません
ストックなくなるまでは07:10に公開
3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


朝起きたら幼なじみと番になってた。
オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。
隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた
思いつきの書き殴り
オメガバースの設定をお借りしてます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる