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伸ばした手
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光冥視点になります。
多分、雪緒は俺を追っかけて高校まで同じとこにしたんやろと推察した。
まぁ、分かってたんやけど…。
久し振りに会うた雪緒は、なんとなく見た感じ分かりやすく、グレかけてるのも伝わった。
俺が高校行ってからは疎遠には、なってたし。しゃあない話やと
俺だけが割り切ってたのも、原因か。
最後に会うたんは、年末やって…
そんでもって今は春。
入学後の落ち着いた時期や。
携帯の連絡先も知らんかったし、
雪緒には、雪緒の世界がある。
俺なりの気遣いが、裏目に出たんかな。
この学校の偏差値、そんな引くもないし。頑張って勉強したんは、目に見えてる。
褒めたらなあかんやろ。
雪緒は、いつだって寂しそうに
俺の手を待ってる。
中学卒業する時やったかな?
お別れになるから、最後に…と
雪緒を呼び出して式の終わった後に
落ち合った。
雪緒がよう来てくれた俺の家の近くのトレセンで会って話をした。
当時は友達に毛が生えたような、
曖昧な関係やったし。
高校行ってまで、その関係が続くとは俺は正直思ってなかった。
愛想尽きるのを待ってた言うたら
嫌な響きやけど、雪緒が真剣になるべきものは俺ではないやろ。って結論に至った。
年に数回、友人みたいに遊ぶくらいの事はあった。
俺が気にしてたんは、雪緒の将来の事ばっかりで、雪緒の心の奥底までは考えてはやれんかった。
高校に入ってから、きっとかなり
楽しく日々を過ごしてるに違いない。俺と再会してから、雪緒はまた
中学の頃を思い出したんか
接触をはかって来た。
俺は、素直に嬉しかったし
懐かしさで心が沸き立った。
好きや、好きやとは言わんくなったくせに。俺の気を引きたくてしょうがないのか、ワザと素っ気なくする事も覚えて来てた。
携帯の番号を教えて、メールや電話でどれだけ仲よさげにしても
雪緒は、休みの日の俺からの誘いを断った。
「友達に、雪緒取られる…」
ヤンチャを覚えて、夜な夜な
地元の元気なお友達と遊び呆けてるんやて。
俺は、つるむのアホくさいし
面倒やから、関わりたないんやけどなぁ。
非行にでも走られたら、目もあてられんし。何とかせんと…。
雪緒は、純粋や。
やから、余計に心配する。
俺が、悪かったから…そんな拗ねんと帰って来て?雪緒。
雪緒の家まで、チャリ漕いで
10分程で到着した。
雪緒の家は、大きめの総二階で
玄関前に番犬が飼われてる。
ちょぉ、苦手なワンコやけど。
吠えてくれるおかげで、
雪緒が家から顔出してくれる。
二階の窓が開いて、雪緒が
『冥先輩!どうしたんですか?』
「雪緒~、いつもフラれるから会いに来たんやけど。なに?今からどっか出掛けるんか」
『ちょっと待って…、』
雪緒は、慌てて部屋から玄関まで
走って来てくれた。
「突然で悪かったなぁ…でも、最近雪緒が捕まらんし。」
『そうだ!冥先輩も、夜の集まり行きませんか?』
あー、そういう誘いはして来るんやな。
「行かへんて、前にも言うたやん?俺、親父にシメられるから、そういう付き合いだけは、無理なんよ。なぁ、フツーに遊ばへん?」
『俺は、冥先輩といると…たしかに楽しいけど、報われなくて辛いんです。』
知ってる。顔に書いてある。
「友達にキスはせんやろ…」
『だから、ちゃんと距離を取ってるんですよ。』
「雪緒、俺は雪緒を手放すんは無理や。」
『調子が良くないですか?それ…。』
どう言われても、雪緒の事は
気に留まってる。
可愛いとも思う、けど恋愛感情に
移行していいのかが分からなかった。
『俺は、俺を必要としてくれる人の所に行くだけですよ。何も、おかしくないでしょ。』
伸ばされた手を、何度も俺は
掴み損ねて来てしまった。
「もう、俺とは一緒に出掛けたり…せんの?」
『おそらくは』
「…寂しいわ、そんなん」
『俺は、冥さんが…好きですから。望んでしまうんです。』
「どうやったら、雪緒は…昔みたいに俺を見てくれるんや」
雪緒は、俺の言葉を聞いて
目を伏せる。
『もう、遅いですよ…。』
多分、雪緒は俺を追っかけて高校まで同じとこにしたんやろと推察した。
まぁ、分かってたんやけど…。
久し振りに会うた雪緒は、なんとなく見た感じ分かりやすく、グレかけてるのも伝わった。
俺が高校行ってからは疎遠には、なってたし。しゃあない話やと
俺だけが割り切ってたのも、原因か。
最後に会うたんは、年末やって…
そんでもって今は春。
入学後の落ち着いた時期や。
携帯の連絡先も知らんかったし、
雪緒には、雪緒の世界がある。
俺なりの気遣いが、裏目に出たんかな。
この学校の偏差値、そんな引くもないし。頑張って勉強したんは、目に見えてる。
褒めたらなあかんやろ。
雪緒は、いつだって寂しそうに
俺の手を待ってる。
中学卒業する時やったかな?
お別れになるから、最後に…と
雪緒を呼び出して式の終わった後に
落ち合った。
雪緒がよう来てくれた俺の家の近くのトレセンで会って話をした。
当時は友達に毛が生えたような、
曖昧な関係やったし。
高校行ってまで、その関係が続くとは俺は正直思ってなかった。
愛想尽きるのを待ってた言うたら
嫌な響きやけど、雪緒が真剣になるべきものは俺ではないやろ。って結論に至った。
年に数回、友人みたいに遊ぶくらいの事はあった。
俺が気にしてたんは、雪緒の将来の事ばっかりで、雪緒の心の奥底までは考えてはやれんかった。
高校に入ってから、きっとかなり
楽しく日々を過ごしてるに違いない。俺と再会してから、雪緒はまた
中学の頃を思い出したんか
接触をはかって来た。
俺は、素直に嬉しかったし
懐かしさで心が沸き立った。
好きや、好きやとは言わんくなったくせに。俺の気を引きたくてしょうがないのか、ワザと素っ気なくする事も覚えて来てた。
携帯の番号を教えて、メールや電話でどれだけ仲よさげにしても
雪緒は、休みの日の俺からの誘いを断った。
「友達に、雪緒取られる…」
ヤンチャを覚えて、夜な夜な
地元の元気なお友達と遊び呆けてるんやて。
俺は、つるむのアホくさいし
面倒やから、関わりたないんやけどなぁ。
非行にでも走られたら、目もあてられんし。何とかせんと…。
雪緒は、純粋や。
やから、余計に心配する。
俺が、悪かったから…そんな拗ねんと帰って来て?雪緒。
雪緒の家まで、チャリ漕いで
10分程で到着した。
雪緒の家は、大きめの総二階で
玄関前に番犬が飼われてる。
ちょぉ、苦手なワンコやけど。
吠えてくれるおかげで、
雪緒が家から顔出してくれる。
二階の窓が開いて、雪緒が
『冥先輩!どうしたんですか?』
「雪緒~、いつもフラれるから会いに来たんやけど。なに?今からどっか出掛けるんか」
『ちょっと待って…、』
雪緒は、慌てて部屋から玄関まで
走って来てくれた。
「突然で悪かったなぁ…でも、最近雪緒が捕まらんし。」
『そうだ!冥先輩も、夜の集まり行きませんか?』
あー、そういう誘いはして来るんやな。
「行かへんて、前にも言うたやん?俺、親父にシメられるから、そういう付き合いだけは、無理なんよ。なぁ、フツーに遊ばへん?」
『俺は、冥先輩といると…たしかに楽しいけど、報われなくて辛いんです。』
知ってる。顔に書いてある。
「友達にキスはせんやろ…」
『だから、ちゃんと距離を取ってるんですよ。』
「雪緒、俺は雪緒を手放すんは無理や。」
『調子が良くないですか?それ…。』
どう言われても、雪緒の事は
気に留まってる。
可愛いとも思う、けど恋愛感情に
移行していいのかが分からなかった。
『俺は、俺を必要としてくれる人の所に行くだけですよ。何も、おかしくないでしょ。』
伸ばされた手を、何度も俺は
掴み損ねて来てしまった。
「もう、俺とは一緒に出掛けたり…せんの?」
『おそらくは』
「…寂しいわ、そんなん」
『俺は、冥さんが…好きですから。望んでしまうんです。』
「どうやったら、雪緒は…昔みたいに俺を見てくれるんや」
雪緒は、俺の言葉を聞いて
目を伏せる。
『もう、遅いですよ…。』
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