【武蔵と清瀬】愛の雁字搦め

あきすと

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武蔵と清瀬の日常の1部

雨の降る朝

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『むぅぽん、太ももやぁらか…』
「んぅ……っ、」

秋の深まり。何故か当然の様に朝起きると清瀬がベッドに居る。
『すぅ……』
朝から、清瀬に多分太ももを吸われてる。
肌の感触が時々、不意に気持ちよくて声が漏れる。

朝は今の勤務形態だと、余裕がある。
「くすぐったぁ…ぃ…ネ…む…」
眠さと肌の心地よさにズルズルと負けてしまう。

遠慮のない指先と、かかる吐息に戸惑うけれど今の時期の
人肌はやっぱり無下にするには、魅力的過ぎる。

お布団の中に少し入り込む部屋の冷えた空気が嫌だ。
「きよくん…寒い…っ」
『じゃ、良い…?むぅ』

良いって、何が良いのかは分からないけど。
とりあえず今は清瀬にもっと近くに来て欲しくて、うん。と答えた。

躊躇いも何もないただただ愛おしさがこっちにまで
伝わって来る様な抱擁。
気持ちが良くて、脳がどうにかなるんじゃないかって。

両脚で清瀬を抱え込んで抱き合う。
耳や頬を胸元になすりつける。

朝から、オキシトシンがいっぱい出ている。
『むぅ、おはよ。』
「清くん、おはよう。」

圧し掛かる様な体勢で、清瀬とキスを交わす。
どんな時でも、僕だけを見てくれる弟がやっぱり愛おしい。
「ちゃんと、寝てる?また徹夜明け?」
『むぅのフィギュアに着せる服…考えてたら』
「も~…クマさん出来てるよ…。まだ、起きるには早いから。もう少し寝ちゃおう?」
『はぁ~…やっぱり本物可愛いが過ぎる。クマさんだって…』

僕が、心配して清瀬の顔に触れようとすると指は簡単に
絡めとられた。

「クマはね、結構不良で起きるから。お風呂に入ったりして温めてね。」
『うん、うん。分かった。じゃ、今日は一緒にお風呂入るって事だ?』
「…え、僕そんな事言ってない」
『むぅは見かけによらず、えちえちなトコあるからな~』

ぎゅぅっと腰を抱き締められて、パジャマの裾から清瀬が頭を
突っ込んでくる。

「伸びちゃう…え、も……っ」
お布団が体に噛んでて邪魔で、身動きが取れない。
熱い、耳まで熱い。

「ぅ…ぁ……ン♡」

お腹に清瀬の息がかかる。インナーの上から胸を探ってるらしく
くすぐったい。
くすっぐたいのに、もどかしくて。
どうしようなくて、天井を見上げる。

執着がすごい。僕もかなり清瀬には執着をしてしまう方だけど。
清瀬のは、レベルが違う。

「ぁ…っ♡」
インナー越しに胸の突起を食まれた。



『朝から身も心も武蔵でいっぱい。』
嬉しそうな清瀬を尻目に、僕は朝食を摂っていた。
出勤前にあるまじき事だとは、心の中で思いながらも。
清瀬についつい流されて、2回くらいシてしまった。

ほぼ寝てないはずの、クマを目の下にこさえていたはずの
清瀬のクマはいつのまにか消えていた。

「…やだなぁ。」

ぽつりと呟いた言葉までも、清瀬は聞き洩らすはずも無く。
『分かち合えるって、そんなに嫌?』
気を遣って朝食の準備を全部してくれた清瀬が、僕の前の席に落ち着いた。
「そういう、ワケじゃないよ。ただ得心がいったら…急に恥ずかしくなっただけで。」
『言ったよね。今、だから…これが当たり前なんだし。』

清瀬のクマが治った原因を考えて理解に至る事が
恥ずかしい。
こんな事は、よくある事なのに。

「なんだかね、急に来るんだよ。僕の恥ずかしさって。」
『案外、ケロッともしてるし。』
「実感させられるの、僕…きっと弱いみたい。」
『ん、そっか。…食べて、武蔵。』

チラッと清瀬が時計を見てから、僕に笑いかけた。
清瀬は、どうかしてる様に見えて結構マトモだ。
優しくて、思慮深さもある。

言いたい事を僕みたいに垂れ流しにしたりしないで
ある程度のカタチにして、伝えてもくれる。
こういう所が、やっぱり好きなんだと思う。

そりゃ、暴走してる時は確かに変態っぽいけど
愛情深さが裏目に出てしまっているだけで。
そんな姿も、僕からすればただ愛おしいの一言に尽きる。

「清くん。」
『ん…?』
「フフッ、いつも有難うね…。」

今日は残業無しになる様に頑張ろう。
早く帰って来て、清瀬と一緒に過ごそう。

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