【武蔵と清瀬】愛の雁字搦め

あきすと

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ジェラシー、なんかじゃないからね!

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「清くん、ホントに一緒に来てくれるなんて…ありがとう。」

いつぶりかな?弟である清瀬との仕事に
浮かれていた。
とは言っても2人ともとある、来賓を
もてなす晩餐会の裏方などを
任されていた。

いつもならキンキンの金髪が、
今日の清瀬は黒髪になっている。
染めてあげた訳ではなくて、
自分の能力で変化させられる。

驚きはしなかったけれど、一昔前の
清瀬が目の前に現れたみたいで
嬉しかった。
キッチリとしたスーツに、白い綿手袋
相変わらず、スラリとした立ち姿。

やっぱり自慢の弟に、違いなかった。

控室で、準備の説明から
会場設営に関する話を一通りして
理解力の高い清瀬は、頷いていた。
「で、耳にはインカムしてね」

少し背伸びして、清瀬の耳に触れると
ジッと見つめられて思わず手が止まる。
「ごめ、これくらい…自分でするよな。」

過保護と言うか、自分がきっと
清瀬には寄り掛かってる部分があって
今は、それを出しちゃいけない時だ。
『ん…?あぁ、良いよ。武蔵』
清瀬は意図をくんでくれて、フッと
笑みを浮かべてから俺の手を取り

「…出来た。音量、一応確認しといて」
頬が熱くなって来た。
どうかしてると思う。
兄弟なのに。

背格好が、見てるだけでもドキドキした。
ましてや、同じ仕事をするなんて
イレギュラー過ぎて、こっちが
調子狂いそう。

すぐに持ち場について、上手く立ち回る
姿を間近で見ていた。
采配もそつなくこなすし、
よく気がつく性格が反映されてて
要人に話しかけられれば、
英語で普通に返答していた。

もしかしたら、清瀬って実は
社交的なんじゃないの?
知らなかった部分がまだ、あるなんて
思わなかった。

おかしいな、嬉しいはずなのに
ちょっとだけ…焦りを感じる。

ヤダな、こんな感情。
清瀬の輝く姿をきっと誰よりも
見たかったはずなのに…
いざ、見てしまえば心がザワザワしだす。

清瀬のいい所は数えきれない程
知っている。
誰かに知ってもらいたいとさえ
思ってたのに。

裏方をしつつも、よく機転のきく
清瀬をこれ以上表に出さない様にしたい。
会場内で、給仕も務めている
清瀬には歩み寄り、アイコンタクトをした。

勘の鋭い清瀬は、察してくれて
間も無く裏へと下がって行った。

こっちは、通訳をしたり給仕をしながら
いつも通りに仕事をこなすだけ。
しばらく休憩に入ってもらって、その後は
お帰りの配車手配を頼もう。

面白くない、思い出すだけでも
心が曇る。

とある公国の皇女様に、清瀬は話しかけ
られていた。
見るからに向こうが気に入った雰囲気で
清瀬と楽しそうに会話をしていた。

正直、気が気じゃなかった。
だって…清瀬とその皇女様は確かに
お似合いだって思えたから。
悔しいけど、隣に立つに相応しいと
感じた。

心が乱れてる、不安で…焦ってる。

ちょっと一旦、会場を出て外の空気を
吸いたくなった。

自分がお願いした事なんだ。
何もずっとじゃない、今日だけの事なのに
どうしてこんなにも…心が騒ぐのか。

通用口から、庭にまわって今にも
泣き出しそうになる自分を堪えるのに
必死だった。



『仕事中に、そんな顔してどこ行くの?武蔵』
優しい声がして、俺は今日だけでも
仕事を放棄したかったんだ。

まさか、そんな事する訳にもいかなくて
偶然鉢合わせた清瀬にその場で
慰められたから、夕方までもったけど。

家に帰るなり清瀬には、俺問い詰められて
押し倒されて…無事?一糸纏わぬ姿に
させられていた。

『武蔵が考えそうな事くらい、すぐ分かるよ』
胸の辺りに何度もキスを落とされながら、
体は清瀬からの愛撫に細かに震えていた。

「だって…っ、清くん…すごく楽しそうに話してるから…つい」

何度も言われて来た言葉を疑う訳ではない。

『俺には、武蔵さえいれば…他には何にもいらないのに。』

胸の突起を、くいくい引っ張られて
眉根を良さながら清瀬の手を止めようとするけど簡単に絡め取られてしまう。
「あんな綺麗な皇女様と…一緒だと、不安だったんだもん…」

堪えてた、堪えてるけど涙が込み上げる。

『本気で言ってる?武蔵…俺が不安にさせた?アレは仕事なんだろう』
「分かってる、分かってるけど…っ、今日の清くんすごくカッコ良かって、優しくて…頼りになるから、っ…ぁ…ん」

唇を優しく塞がれた。
どうしよう…大好き過ぎて、嫉妬するなんて
恥ずかしい。
でも、キスしてくれるんだよね。

しゃくり上げたくて、苦しくて
唇を離しちゃった。
清瀬の掌が頬を撫でてくる。
『可愛すぎ…武蔵今日どうしたんだよ。なんかメスみたいに感傷的で、壊れ物みたい』

「俺も…一応、清瀬が好きなの。」
頬っぺたにキスをされた。
『やっば…、今日ちょっと加減出来そうにないかも』
そんなの、全然構わない。
こくこく頷いて、まだ準備出来てない
秘所に気を使ってソファーのポケットに
仕込んであるのコンドームを手渡した。

ベッドまで待ってくれなくて
玄関先でキスをしながらリビングに
来た時は、さすがに覚悟を決めては
いたけど。

『一個だけ?』
「…?!なっ、に言ってるの…ここリビングだよ?」
『分かってるし、じゃあ…ゆっくりするから良いか。』

ビクッと身構えそうなセリフを聞いて
清瀬の掌が俺の腹部へと這う所を
見つめていた。
気持ちいい、ホントに優しくて
少しえっちな手つきで。

視線で追うだけでも、心も身体も
反応してしまう。
胸の突起をくすぐる、イタズラな手つきに
翻弄されつつ。

下腹部が、反応し過ぎて切ない。
じわじわ湿った感覚が下着の中に
広がっていく。
何の躊躇いも無く下ろされた下着の
行方を追った。

外気にさらされた自身を、見られてると
心底恥ずかしい。
完全に頭をもたげて、お腹にくっつきそう。
少し開いた脚をソファの上で、
掲げられる。

背中にはソファの座面が、押し返してくる。
いつもよりかは、少し簡易的な気もしたけど
清瀬は、猛った自身にコンドームを装着して、
浅い容器内のローションを蕾に垂らして
塗り付けた。
「んっ…っふ…、つめたぁ…」

くにゅくにゅ、と湿った音を立てながら
蕾を解かされていく。
奥がジンジンして、もっと欲しくて
乱れそうで困る。

心で濡れてる気さえしてくる。
あの時の気持ちを、思い出すと
切なくて、居ても立ってもいられなかった。

自分の特別さを、すぐにでも確かめたくて
浅ましい考えに嫌になる。

「はやくぅ…、挿れて…っ…」
焦れるなんてらしくない。

よく分かんないけど、清瀬は誰にも
渡したくないなぁ。
今までは、あんまり考えてこなかったけど。
清瀬の優しくない抱き方も、
溺れそうな優しさも知ってて
これだけで、多分脳だけでもイッてたんだと
今になって思う。

女でも無いし、兄弟で、双子かもしれないのに
こんな事して求め合ってる。

やっと蕾にあてがわれただけなのに、
期待で先走りが出て来る。
押される様にして、腰を進めて
「っ…はぁ…っ…、はやくぅ…っ…」
手をぎゅぅっと握ってくれて
嬉しくて、上体を反らせながら
清瀬を受け入れた。

『むぅ、大丈夫か…?』
「うん。今動かれたらちょっとヤバいけど」

角度が、これ絶対良すぎるヤツだし。
こんなので…ガシガシされたら
ひとたまりも無いよ。
それにしても…やっぱり清瀬ってば
カッコいいなぁ。

しばらく、黒髪でいたら良いのに。

「~っ…!!??」
考え事してる内に、もっと奥をこそがれて
声にならなかった。

動けない、抗えない…ただ下から突き上げられる快楽に悦んで体を揺らした。

『武蔵が切なくなる度に、奥キュンキュン締まってる…っ』
「~もう、平気だよ…っ…ぁ、うそぉ…?」
言われると意識してしまって、
確かに中がひくひくしてるのが
自分でも分かる。

『武蔵は俺の事、好き?ちゃんと信じてる?』

脚を固定されてて、どうにも出来ない
でも清瀬の衝動だけは、ずっと伝わって来る。
もぅ、考えられないよ。
頭が真っ白になってく。

恥ずかしいくらい、俺も滴らせながら
また出そうになってる。
答えなきゃ、清瀬の想いに……、

清瀬の声が遠のいてく、
俺は何とかかろうじて声を上げた
つもりだった。



疲れた…。
その後は清瀬にお風呂に連れて行かれて
またそのままの流れで
されてしまった。

ベッドで眠る頃には、心底疲れていて
のぼせそうになっていた。

さすがの清瀬も心配して、しばらく
様子を見ていてくれた。

その頃には、清瀬の髪はまたいつもの
金髪に戻っていた。

俺は、側に寝そべる清瀬の髪を撫でて
「やっぱりいつもの清瀬が、好きだな」
と、静かに笑った。

清瀬は、気を良くしたのか
顔を上げて視線を合わせてから
ゆっくりと甘くキスをして来た。

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