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だって、キスだけじゃ足りないんだもん。
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「ぁう…、痛い」
『ほら、武蔵コッチ見て?…うん、やっぱり綺麗だなぁ、実物は。』
只今、弟である清瀬に俺は体の採寸をされている。
意味がわからないんだけど。
どうやら、3Dプリンターで等身大の
俺のフィギュアを作るらしい。
手を伸ばして肩幅や腕の長さも
丁寧に測られていく。
清瀬がこんなのになったのは
多分俺のせい。
仕事にかまけて清瀬をあまり構って
やれなかったから。
大人になって、部屋からあまり出ないのは
仕事に追われてるから。
真面目で一途で、ずーっと俺の事を
愛してくれる大切な存在だ。
俺も、大きな声では言えないけど…
清瀬の事は特別。
体を許しあって、もうこれ以上の
愛情表現を知らないってくらい
求め合う。
兄弟なのに…だから、かな?
俺の精神的キャパオーバーが来ると
電池切れになる。
清瀬はいつだって、そのタイミングを
察して回収に来てくれる。
『武蔵は、顔の造形が本当に繊細だから。ちゃんと再現できたら良いけど。』
「なぁ、清瀬?フィギュアはホントに必要?」
何だか、悔しかった。
清瀬が俺の代わりを生み出そうとしてる。
何でだよ、今目の前に俺がいるってのに。
そんな冷たい作り物に、清瀬は
求めてる物を与えて貰えるのかな?
嫉妬って言うと、重いかな?
でも、今だけは少し清瀬の気を引きたい。
俺は、しっとりと清瀬に抱きついた。
安心する、すごく当たり前な感覚なのに
段々とドキドキに変わっていく。
『武蔵…?』
「僕がいるのに…本当に、フィギュア作るなんて、ちょっと妬けちゃうな。」
ポソポソと清瀬にギリギリ聞こえる
小さな声で言ってみた。
『どうして…?俺は武蔵に迷惑かけるくらいならと、』
「迷惑だなんて思った事、一度も無いよ。」
思い直して、と願いを込めて俺は
背伸びをして清瀬にキスをした。
『……っ、』
「っは…、俺は清瀬のお兄ちゃんだよ?いつだってそばに居る存在だって思ってるのに。」
清瀬は、俺のほっぺに触れながら
髪を撫でた。
『もしかして、嫉妬しちゃった?』
「そっ、…そうなの、かな?…ぅん。」
改めて清瀬に言われると、意識してしまう。
いざと言う時頼りになる。
不言実行の清瀬は、少しだけ
俺の憧れでもある。
『可愛い…本当に?大丈夫だよ、抱く時はちゃんと生武蔵って決めてるからね。』
「…ばか、えっち…」
『武蔵は気付いてないだろうけど、いつだって俺を焚き付けてくるのは、武蔵だからね。』
「とにかく、フィギュアなんか無くても…俺が居るよ。って、言いたかったの。」
清瀬の目はキラキラして見える、
おおかたまた都合のいい解釈をしてるんだろうけど。
『じゃあ、武蔵は一体どうやって俺を満足させるのか…体に聞いてみるかな?』
ぐっ、と足元から清瀬に抱き上げられて
俺は思わず清瀬に抱き付く。
自分の部屋に連れて行かれて
ベッドに体をそっと降ろされた。
甘くて、ちょっと切なさを感じるキスが
気持ちいい。
久しぶりに、意地悪無しで
仲良しを期待してしまう。
呼吸を乱しながら、期待の数だけ
溜息が漏れる。
あれ?…なんか、今日の清瀬
あんまり乗り気じゃ無い?
欲しいって思ったのは、俺だけ?
やば、鼻の奥がツーンとした。
さすがに、こんな事で哀しくなんて
なってたら呆れられちゃうかな。
『すぐにあげちゃうと、武蔵が満足するからね。今日はキスだけしよう?』
あー、またやっぱり何かしら
考えてるなぁとは、思ってたけど。
それでも良い!本当はキスだけじゃ
足りないけど。
ちゅ、ちゅっ…と音が耳を刺激して
やっぱり体は、その気になってく。
清瀬ひどい。
俺が、キスしたら…えっちしたくなるの
分かってる癖に。
くちゅくちゅ、えっちな水音が
あの時と重なる。
お腹の奥がきゅんきゅん切なくて、
絡めていた舌を離して
「ねぇ…、指だけでもいいからさぁ…」
もう、兄の尊厳なんてないも等しい。
腰をよじりたくなる。
顔が熱い、体も。
『だーめ、絶対しないよ?むーは、ホントにえっちだから。』
「だって、もぅお口トロトロなんだもん。じゃあ、舐め舐めさせて?清瀬~」
一瞬、清瀬の形の綺麗な眉が
思い切り八の字になっていた。
迷ってる?もう後一足かな。
『邪魔しようとしても無駄だよ?武蔵。フィギュアは完成させるし。それまではこのオモチャで遊んでて。』
どこから取り出したのか、清瀬は
俺にピンクローターを投げて渡した。
『ほら、武蔵コッチ見て?…うん、やっぱり綺麗だなぁ、実物は。』
只今、弟である清瀬に俺は体の採寸をされている。
意味がわからないんだけど。
どうやら、3Dプリンターで等身大の
俺のフィギュアを作るらしい。
手を伸ばして肩幅や腕の長さも
丁寧に測られていく。
清瀬がこんなのになったのは
多分俺のせい。
仕事にかまけて清瀬をあまり構って
やれなかったから。
大人になって、部屋からあまり出ないのは
仕事に追われてるから。
真面目で一途で、ずーっと俺の事を
愛してくれる大切な存在だ。
俺も、大きな声では言えないけど…
清瀬の事は特別。
体を許しあって、もうこれ以上の
愛情表現を知らないってくらい
求め合う。
兄弟なのに…だから、かな?
俺の精神的キャパオーバーが来ると
電池切れになる。
清瀬はいつだって、そのタイミングを
察して回収に来てくれる。
『武蔵は、顔の造形が本当に繊細だから。ちゃんと再現できたら良いけど。』
「なぁ、清瀬?フィギュアはホントに必要?」
何だか、悔しかった。
清瀬が俺の代わりを生み出そうとしてる。
何でだよ、今目の前に俺がいるってのに。
そんな冷たい作り物に、清瀬は
求めてる物を与えて貰えるのかな?
嫉妬って言うと、重いかな?
でも、今だけは少し清瀬の気を引きたい。
俺は、しっとりと清瀬に抱きついた。
安心する、すごく当たり前な感覚なのに
段々とドキドキに変わっていく。
『武蔵…?』
「僕がいるのに…本当に、フィギュア作るなんて、ちょっと妬けちゃうな。」
ポソポソと清瀬にギリギリ聞こえる
小さな声で言ってみた。
『どうして…?俺は武蔵に迷惑かけるくらいならと、』
「迷惑だなんて思った事、一度も無いよ。」
思い直して、と願いを込めて俺は
背伸びをして清瀬にキスをした。
『……っ、』
「っは…、俺は清瀬のお兄ちゃんだよ?いつだってそばに居る存在だって思ってるのに。」
清瀬は、俺のほっぺに触れながら
髪を撫でた。
『もしかして、嫉妬しちゃった?』
「そっ、…そうなの、かな?…ぅん。」
改めて清瀬に言われると、意識してしまう。
いざと言う時頼りになる。
不言実行の清瀬は、少しだけ
俺の憧れでもある。
『可愛い…本当に?大丈夫だよ、抱く時はちゃんと生武蔵って決めてるからね。』
「…ばか、えっち…」
『武蔵は気付いてないだろうけど、いつだって俺を焚き付けてくるのは、武蔵だからね。』
「とにかく、フィギュアなんか無くても…俺が居るよ。って、言いたかったの。」
清瀬の目はキラキラして見える、
おおかたまた都合のいい解釈をしてるんだろうけど。
『じゃあ、武蔵は一体どうやって俺を満足させるのか…体に聞いてみるかな?』
ぐっ、と足元から清瀬に抱き上げられて
俺は思わず清瀬に抱き付く。
自分の部屋に連れて行かれて
ベッドに体をそっと降ろされた。
甘くて、ちょっと切なさを感じるキスが
気持ちいい。
久しぶりに、意地悪無しで
仲良しを期待してしまう。
呼吸を乱しながら、期待の数だけ
溜息が漏れる。
あれ?…なんか、今日の清瀬
あんまり乗り気じゃ無い?
欲しいって思ったのは、俺だけ?
やば、鼻の奥がツーンとした。
さすがに、こんな事で哀しくなんて
なってたら呆れられちゃうかな。
『すぐにあげちゃうと、武蔵が満足するからね。今日はキスだけしよう?』
あー、またやっぱり何かしら
考えてるなぁとは、思ってたけど。
それでも良い!本当はキスだけじゃ
足りないけど。
ちゅ、ちゅっ…と音が耳を刺激して
やっぱり体は、その気になってく。
清瀬ひどい。
俺が、キスしたら…えっちしたくなるの
分かってる癖に。
くちゅくちゅ、えっちな水音が
あの時と重なる。
お腹の奥がきゅんきゅん切なくて、
絡めていた舌を離して
「ねぇ…、指だけでもいいからさぁ…」
もう、兄の尊厳なんてないも等しい。
腰をよじりたくなる。
顔が熱い、体も。
『だーめ、絶対しないよ?むーは、ホントにえっちだから。』
「だって、もぅお口トロトロなんだもん。じゃあ、舐め舐めさせて?清瀬~」
一瞬、清瀬の形の綺麗な眉が
思い切り八の字になっていた。
迷ってる?もう後一足かな。
『邪魔しようとしても無駄だよ?武蔵。フィギュアは完成させるし。それまではこのオモチャで遊んでて。』
どこから取り出したのか、清瀬は
俺にピンクローターを投げて渡した。
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