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⑧展望(月夜視点)

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弟のアレが、アレ過ぎて精神崩壊するかと思った。

先日、例のごとくまぁ…一緒に寝るって事になり。
暑い季節になった所為だ。
そもそも寝る時の恰好まで、星明の趣味?のパジャマが無駄に
可愛くてしんどい。

「オマエ、こういうのどこで探してくるんだ?」
『え…?そんな、どこにでも売ってるよ~』
「絶対、売り場が違うだろ。」
『そんな事無いよ。…ぁ…、』

白く肌理の細かい綿密さ、手に吸い付くような滑らかな質感。
「星明って、肌が本当に綺麗だよな。」
『フフッ、兄貴のおかげだね。きっと…』

見慣れないデザインと、触れた事のない質のパジャマの下に
「ちょっと、吸わせて…。」
血の通う陶器の様な肌が露わになる。

『ぇ、わ…っ…くすぐったぁ…♡』
星明はくすくす笑いながら、身をよじる。
頭がどうにかなりそうなくらい、愛おしい。
吸い猫ならぬ、吸い弟で心が満たされていく。

腹の辺りに顔を埋めて、遠慮なく吸っていると
『だめ、兄貴の髪の毛くすぐったい…ってば…』

「めっちゃ、良い匂いする…はぁ…、」
ベッドの上で、極力動かずにむしろ俺を抱き締めながら
星明はぽやんとした表情で、俺を見ている。
『吸うって、コッチの事かぁ…』

コッチ、とは?

すぐに、ピンと来たけれど肌が触れ合うだけで何だか妙に心地よくて
頭が酔ってるみたいだ。

「…ここから見える光景が、えちくてヤバイ。」
『俺から見える兄貴は、何だか仔犬みたいだけどね。じゃれつかれてる。』
「仔犬だったら、こんな事はしないけどな。」
顔を上げて、ゆっくりと星明の腹部を手のひらで触れる。
『……♡』
「意識ってスゴイよな。ココ、ピクッてして…ほら、分かる?星明。」
『分るよ…分かってるから、もう…だって、兄貴の手があったかいから。』

まるで、星明の体さえも掌握している気分だった。

「髪伸びたな、なんか勘違いしそう。」
結び目に手を掛ける瞬間の多少の罪悪感と、好奇心。

セパレートになっているタイプであることは理解した。
この前は頭が真っ白になりかけて。
とうとう我が弟も、そういう趣向に向かうのかと
色々と困惑しかけたけれど。

『兄貴、こういうの嫌じゃない?』
「…いや~?多分お前のだから全然違和感ないわ。」

『良かったぁ、ちょっとこの前…びっくりしてたみたいだからさ。』
「お前が可愛ければ何でもいい。」
『…可愛いっても、俺も一応は男だからね。限度はあるけど。でも、そういう自分で居たいかな。』
意地らしい、健気。
昔から、星明は変わらない。

俺が世界で一番大切に想って来た、相手なんだよなぁ。
「夏が終わったら、お前と遂げたい事できたわ。」

『ぇ、なに…っちょ…っと…』
俺は外気に晒された星明の胸板に頬を寄せる。
確かな鼓動、ひんやりと冷たくなった腕。
「そろそろ、温かくしないとな。」




























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