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『うれしそ』
「嬉しいでしょ…そりゃぁさ。」
『はぁ~?かわいこぶんなよ。』
言葉はキツイのに、照れくさそうに笑う守岡さん。
この人が、この世界に何にも残したくないだなんて
俺は、あんまり信じたくはないよ。
「この感じ久し振りだから、尊い。」
『ほーら、さっさとお湯沸かして。』
電気ケトルが最近壊れてしまったから、コンロでヤカンの水を沸かした。
守岡さんのカップってものは無いけれど。
ほぼ、専用としていたカップをキャビネットから出して来て
軽くゆすぎ洗いをした。
「良い匂い、本当に良い匂いする…!」
『まぁ、味はフツーだけど。』
テトラのティーバッグから香る匂いの良さ。
抽出された茶葉の色は少し薄目な気がした。
「お土産とか、買ってこなかったんですか?」
『頼智くんには買ってないね~』
ニコニコしながら、答える守岡さんに一瞬イラッとしたけど
すぐに気を取り直して
「これ、午前中に焼いたんです。食べてみて」
オーブンの上のカゴに保管しておいたクッキーをテーブルに置いた。
『…恐いってー!!俺、今日帰る事誰にも言ってないんだけど。』
「!?たまたまですよ。午前中に妹が遊びに来てたんですよ。俺の部屋にはオーブンあるから
焼かせてくれたらクッキーも少しわけてくれたんです。」
『妹ちゃんかー、若いんだろうなぁ。』
「今年から社会人です。」
『あー、良い響き♪めっちゃ爽やかでいいね。』
「俺は、午前はちょっと職場に用事があったので一緒には作ってませんし。安心して食べて下さいネ。」
おそらく、紅茶?を飲みながら守岡さんはアイスボックスクッキーを1つ手にした。
さっき何気に、結構ひどい反応されたとは思うけど。
『あ、美味しい…で、柄の出方まで綺麗。妹ちゃん器用だな。』
「昔からお菓子作りは好きなんで、よく試作品食べさせてもらったなぁ。」
『きょうだいねぇ、俺は1人っきりだから。ちょっとだけ憧れてる時期あったわ。』
俺も、市松模様のクッキーを手にして食感を楽しむ。
「うん、美味しい。」
『な、美味いよ本当に。…でさ、さっきの話だけど俺からの提案聞いてくれる?頼智(らいち)くん。』
突然、何だろうと思って目を瞬かしてると
『ものすーごく重たい話にはなるけれど…俺は、添い遂げてくれる相手じゃなきゃ話にならんと思っててさ。』
「はい…」
『生きてれば、あらゆる苦楽も当然ある訳で…』
「……」
『俺を、最後まで見捨てずにこの先の人生生きて行こうってんなら。まぁ、結婚も生憎できないだろうし伴侶として
側に居て欲しいと思う。』
かなり真剣な表情。ただ、不安になる。
「ね、もしかしてさ体とかどっか悪くしたの?守岡さん。」
『…全然?超健康。でも、ほらな~?こういう事言うと相手の方が委縮するだろう。だから恋人ってのには
縛られない方が良いって。遠ざけようって思ってたのになぁ。』
「嬉しいでしょ…そりゃぁさ。」
『はぁ~?かわいこぶんなよ。』
言葉はキツイのに、照れくさそうに笑う守岡さん。
この人が、この世界に何にも残したくないだなんて
俺は、あんまり信じたくはないよ。
「この感じ久し振りだから、尊い。」
『ほーら、さっさとお湯沸かして。』
電気ケトルが最近壊れてしまったから、コンロでヤカンの水を沸かした。
守岡さんのカップってものは無いけれど。
ほぼ、専用としていたカップをキャビネットから出して来て
軽くゆすぎ洗いをした。
「良い匂い、本当に良い匂いする…!」
『まぁ、味はフツーだけど。』
テトラのティーバッグから香る匂いの良さ。
抽出された茶葉の色は少し薄目な気がした。
「お土産とか、買ってこなかったんですか?」
『頼智くんには買ってないね~』
ニコニコしながら、答える守岡さんに一瞬イラッとしたけど
すぐに気を取り直して
「これ、午前中に焼いたんです。食べてみて」
オーブンの上のカゴに保管しておいたクッキーをテーブルに置いた。
『…恐いってー!!俺、今日帰る事誰にも言ってないんだけど。』
「!?たまたまですよ。午前中に妹が遊びに来てたんですよ。俺の部屋にはオーブンあるから
焼かせてくれたらクッキーも少しわけてくれたんです。」
『妹ちゃんかー、若いんだろうなぁ。』
「今年から社会人です。」
『あー、良い響き♪めっちゃ爽やかでいいね。』
「俺は、午前はちょっと職場に用事があったので一緒には作ってませんし。安心して食べて下さいネ。」
おそらく、紅茶?を飲みながら守岡さんはアイスボックスクッキーを1つ手にした。
さっき何気に、結構ひどい反応されたとは思うけど。
『あ、美味しい…で、柄の出方まで綺麗。妹ちゃん器用だな。』
「昔からお菓子作りは好きなんで、よく試作品食べさせてもらったなぁ。」
『きょうだいねぇ、俺は1人っきりだから。ちょっとだけ憧れてる時期あったわ。』
俺も、市松模様のクッキーを手にして食感を楽しむ。
「うん、美味しい。」
『な、美味いよ本当に。…でさ、さっきの話だけど俺からの提案聞いてくれる?頼智(らいち)くん。』
突然、何だろうと思って目を瞬かしてると
『ものすーごく重たい話にはなるけれど…俺は、添い遂げてくれる相手じゃなきゃ話にならんと思っててさ。』
「はい…」
『生きてれば、あらゆる苦楽も当然ある訳で…』
「……」
『俺を、最後まで見捨てずにこの先の人生生きて行こうってんなら。まぁ、結婚も生憎できないだろうし伴侶として
側に居て欲しいと思う。』
かなり真剣な表情。ただ、不安になる。
「ね、もしかしてさ体とかどっか悪くしたの?守岡さん。」
『…全然?超健康。でも、ほらな~?こういう事言うと相手の方が委縮するだろう。だから恋人ってのには
縛られない方が良いって。遠ざけようって思ってたのになぁ。』
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