【クソ彼氏から離れらんなくて】⑤クソ彼氏に振り回される日々。

あきすと

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クソ彼氏にスローなのを求めるだけ無駄ですよ。

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「なんかさぁ、流行ってるよね…この感じ。」
コンビニで見かけた女性誌の特集タイトルを見てぼやく。
『何これ…?』
朔が雑誌に手を伸ばす。
おいおい、お前には無縁な特集でしかないんだけどー。

クソ彼氏は1ミリも、スローセックスに興味がないと思ってた。

即物的で、我慢しない朔が
まさか…。
珍しく、3日も俺に触れてこない。
これって何て奇跡かな?
単に、朔が多忙なのもある。
通話で会議とかも、朔の部屋でしてるみたいだし。
前より、朔は自分の借りてる部屋(お隣だけどね)に帰るようになってきてる。

寂しいとは、まだ思わないけど
空白の時間が増えていくのかな?と
思うと少しは不安になる。
一応、ね…朔のことは好きだから。
帰ってくるのは俺の方で、ご飯食べてしばらくしたら、自室に戻る事、3日目。引き止めるのも何だか
気恥ずかしいし。

最近よく、読書してる朔の邪魔は
したくなかったりもする。
各々が自由に暮らしてる。
ただそれだけ、ホントはいい事なのかもしれない。
俺は、お風呂から上がって髪を乾かすと特にすることも無くて
ベッドに横になる。

この壁の向こう側も、同じように
朔のベッドがあったっけ?
朔…どうしてるかな。
たったさっき別れたばかりだけど、
気になる。
無意識に、指先でカシカシと
壁をくじる。
聞こえもしないだろうな。

久しぶりに、ちょっと冷えた心が
切なくて体を丸めて眠りについた。
朔、週末は何してるかな?
いちいち聞いたら、ウザがられない?
あぁ、ダメだ…こんな思考ばっかりがぐるぐる止まんないよ。

その日に見た夢は、とても良い夢で
俺は少なからず幸せを感じていた。現実で傷ついた心を、夢の中で治療するみたいで、不思議と心は満たされた。
起きてみれば、現実は待ってくれない。
お休みの日なのに、その日一日
朔は来なかった。こんな事は初めてでショックだった。
嫌われちゃったのかな?
ふと頭をよぎる考え。
または、飽きられたのか。

今までなら連絡があったのに。
朔の部屋そういえば、あんまり物音もしない。
ちょっと心配になって来た。
週明けになって、やっと俺が出社する時に朔を見つけた。
少し先に歩く朔の元へと駆け寄って
「おはよう、朔」
と挨拶をすると朔は眠そうに
あくびをしていた。
『眠い…』
「週末いなかったの?」
『そう。まぁ…話せば長くなるんだけどさ~。また、家がらみだよ。親戚の法事とか行事に参加しろって親父がうるさくて』
あ、そういえば…朔の家にはお姉さんのお婿さんがいるけど
朔は時々お呼びがかかって
行事に参加してるみたい。

「お疲れ様…朔」
『なぁんかさ…俺、央未と顔合わすの久しぶりな気がするもん』
「俺も、そう思ってた!」
『~だよなぁ、土日に行事はホントやめて欲しいわ。』
「嫌われちゃったかと思った。」
駅までの数分を話しながら歩くと
あっという間に時間は経ってしまう。

『…ぇ、それはないだろ。ゴメンなぁ…俺もね、一応勉強しなきゃいけなくてさ。』
「うん、朔は頭良いから…ね。何か資格でも取るの?」
『いんや、昨日までのその行事にまつわる勉強だった。』
「はぁ…、やっぱ朔ってすごいなぁ。しかも仕事に活かされるもんね。」

『央未、帰ったらたくさん話そうな。』
朔の手が俺の髪をふわふわ撫でる。
ぁー、俺今なんだか切ないよ。
朔って、本当に風みたいで。
でも、あったかいから。
「うん!待ってるね…朔」

電車は別々だから、朔とは途中で
別れてしまう。
ホーム1つ違うだけなのに
異世界のような気さえする。
当たり前だよね、違う人生を
生きてるんだから。


夕方、近所のスーパーで買い物をしてから家に帰る。
朔の好きな食べ物を作ろうって
カゴの中はすぐに埋まっていった。
着替えする間を惜しんで
夕食を作る。
朔、珍しく帰りが遅いのかな?
スマホを手にして、メッセージが
届いてないか確認した。
「ん?朔からだ。なになに…、少し遅くなるから先に食べてて。」

待ってても良かったけど、お腹もそこそこ空いて来たから
俺は朔のお言葉に甘えて
先に夕食を済ませる。
7時半頃に、朔が帰って来た。
『ゴメン、遅くなった…』
「大丈夫?慌てて帰って来たんじゃない、朔」
『そりゃ慌てる…央未が待ってんだから。』
「でも、ちゃんと帰って来てくれた。さ、夕食食べちゃって。」

朔は、ネクタイを緩めてから
俺を抱き締めた。
ぎゅっと抱き締められて胸がいっぱいになる。
恋しかった…。
朔の胸に頬を擦り寄せて
見つめる。

この朔の視線を独り占めできるのが嬉しい。心が疼く。
軽いキスを交わしてから、朔は
席に座った。

俺は頬杖をついて、美味しそうに食べる朔の姿を見てるだけで嬉しくて。
約束は無い、ただ側にあるのが
当たり前となっていた。

『今日は、央未を甘やかせたい』
「へ…?そうなの?…わぁ、楽しみ」
にへ、と俺が笑うと朔は一瞬だけ
ほくそ笑んだ。
「最近、朔は優しいよね…」

前言撤回!

「っぅ…ぁ…あ、…いゃ…っ、」
全然優しくなんか朔は抱いてくれない。いくら準備はしてあったとは言え、いつもより深く暴かれて
俺はなす術もなく、ただ朔の打ち付ける肌の感触を味わいながら
だんだんと気が遠くなってく。

律動に揺すられる体に疲れて
股関節も悲鳴が上がりそう。
もう1段階、奥を探られて
声にもならない声が出ていた。
飲み込んでしまえば良かった
頭が真っ白で、何にも考えられない
自分のも一緒になって揺らされて
シーツはもうグショッと濡れている。先走りも精液も混ざってて
シーツに擦れる度にちょっと痛い。

こんな奥まで朔を受け入れたのに
気持ち良すぎて、頭が何も考えられないし、さっきから涎まで
垂れ流してしまう始末。

だって、気持ちいいには
抗えない。
頭が痛くなる程イッて
気持ち良すぎて怖くて泣く。
朔を逃したく無い。
この体で、縛れたらと思う。
四つん這いになって、背後から疲れる度に背中にピリピリした快楽の
震えが走る。
「いっぱい、だひて…っ、さく、、っん…!」
『…央未、中で…っ』
そうだよ、今日…ゴムしてないの。
忘れたんじゃなくて、俺が望んで
してもらった。
基本的には、いつもはゴムしてるんだけどさ。

何でだろ、無性に朔の熱をこの
体の奥で受け止めたくなった。

内股にまで、1回目の残滓が流れて来てる。ほどなく、2回目の精を受け止めて動けなくなっていた。
気持ちいいよぉ…、ダメ。
もう無理…。
ずぅっとさ、この快楽に酔ってたい。
自分のへそのあたりを覗き込むと
思った以上に、精まみれで
クタッとしてるのが分かった。
俺はただ激しく求められたかった
だけじゃ無いかと思いつつ
自分の下腹部の窪みから、出て行く朔の性器に寂しさを感じる。

『央未の…中、濁っちゃった』
「うん。これでいいの…」
だって他に繋がり方が無い。
虚しさなんかじゃなくて、湧き上がるのはきっと…寂しさだとか
哀しさだ。
埋めあってもキリがない。
でも、間違っててもこの行為に
意味を求めるし結局浅ましく
好きなんだ。

「まだ、生きてるのかな?」

俺は、漠然と自分の中に受けた
朔の精を想った。
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