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央未、お誕生日企画終了。

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央未が、急に眠ってしまった。おい、酒でも飲んだか?俺は心配になって
央未の体を揺する。俺がケーキの準備をしてる間に、央未はベッドの前で
横たわっていた。

央未の手には、バースデーカード。微かに甘い香りがして、オルゴール?の
音色が聞こえて来た。
「何だコレ…?」
妙なモノだと思いながら、カードを拾い上げた。差出人も書いて無さそう。
とりあえず、央未を起こす事にした。
体を揺すって、様子を見ていた。ゆっくり、重たげに央未は体を起こして俺に
抱き付いて来てキスをしてくる。

なんじゃこの可愛い生き物…。
しかも、えっろいキスしてくるし。
仔猫に口の中舐められてる気分。
『っぷ…はぁ、』
満足そうにトロントロンな瞳で見つめられたけど
酒のせいじゃないってんなら、なんでこんな事になってるのか。
「お前、何?エロい夢でも見てたの、央未」
『……ぁ~、そうかも…ぅん。だって、朔が俺にね』
くすくす笑いながら、央未が俺にコソコソと耳打ちをしてきた。

「っか~!えっちじゃん…。夢の中の俺、よかったね」
『でしょ?俺も…結構、気持ち良くって怖いくらいだった』

あー、だからね。道理でね…。
「央未、そりゃそうでしょ…ほら、ココ…」
央未の内腿を撫でつつ、手のひらを上へと掠めると
『ひゃ…っ』
だめー、とでも言いたげに央未は俺の手を外しにかかる。

「どうする?出すか…ほったらかすか」
『トイレ行ってくる…』
「ぇ、珍しい。トイレでするの?央未」
『馬鹿!普通にお手洗いだってば…』
もはや、央未は呆れ顔で俺をさげすんだ顔で見ている。
やー、だってさ?気になるじゃん。
可愛い顔して、一体どんな風にするのか…とかさ。
「っぷ、央未…押さえつけながらさ頑張ってね~」
『うるさい…』

で、央未が席を外してる間に紅茶とケーキの準備をした。
央未が戻って来て、
『わぁ、可愛い…真っ赤。これ、いちごの?』
「ムースと、中は、ショコラの生地。」
『俺の為にこんな…ケーキまで用意してくれて嬉しい。有難う、朔』
「俺が好きだなぁって思ったのもあるし、央未に似合いそうな雰囲気だったから」
『…つやつや、ちょっと触りたくなるね?』
「ぁ…ちょっと怒んないでね。」

俺は、ケーキの上の飾りのフランボワーズを一つ指で摘まんで
央未の唇に、ふにゅ、と押しつける。
『っ…ぁ…、……甘酸っぱい、ぷちぷちしてる』
「央未可愛い…ちょ、動画撮りたい」
『恥ずかしいよぉ…』
「いいじゃん、ハメ撮りしようって言ってる訳でも無しに。」
『えぇ…そうだけどさ』
その前に俺は、ケーキを切り分けて皿に取り分ける。
「断面綺麗だよなぁ。」
『うん。食べるのもったいない』

「央未、あーんしてあげる」
スプーンを手にして、央未に口を開ける様誘う。
『ぇ~?っふふ…。ぁ~ん』
「良いね~、央未…動画回すわ…」
央未の無防備な可愛さが、危うくて俺はたまらない気持ちになりながらも
ケーキを央未に食べさせて満足した。
唇についた、ソースをそっと舐め取る瞬間も収めたし上出来。
「央未…おめでと~!」
俺の言葉に、央未は一瞬驚いた顔をして口元を両手で隠しながら俯いた。

ん?どうしたんだろう…。
『さくぅ~……!』
ありゃ?…なんだろう、多分泣いてるっぽい。
誕生日に泣くなんて、どういう事?
「ど、どうした?央未」
『俺、やっぱり…朔が相手で良かったって…思って。変態だし、俺の事困らせるけど…
いつも俺の事を考えてくれるのが、すごく嬉しい。俺に、朔は…もったいないって思うけど
でも、俺には朔しかいないって思ってるから…。…っはぁ、ゴメン。泣くつもり無かったんだけど』

あー。抱き締めたい。俺が、この先もずっと…央未の孤独や不安、寂しさを食べ続けようと思う。
馬鹿やって、笑わせて…。アホな事を一緒にやって、楽しく生きて行きたい。

「ちゃんと、伝わってるよ?央未。俺の事を央未はいつだって、真正面から見てくれてるから。分かるだろ?
お前の想いは、必ずここに…たどり着く。」
俺は、左胸を手のひらで示した。
『うん…!自信はちょっとあるから。』
「…ちょっと酒飲んでもいい?」
『俺も、飲んじゃおうかなぁ…』
甘党の酒飲みの質の悪さよ…。

央未は、滅多に飲まないけど酒が入ると機嫌がよくなって
めちゃくちゃ可愛くなる。
これ以上可愛くなられても~、ってくらい甘えて来て
例によって抱き潰して黙らせるけど、タガが外れまくるせいか
声が抑えられなくなる。で、タオル噛ませて大概はヤるんだけど。
『明日、仕事だからね。程々にね?』
「俺は平気。問題は…央未さんでは?」

朗らかに笑っている央未に、先ほど買ったシャンパンを開けた。
グラスに注ぐと弾ける泡に、広がるフルーティーな香り。
『あんまり度数高くない?』
「…口当たりいい酒は、ヤバいからな。」
『朔は、ウイスキーとか、ブランデーも飲むよね』
「酔いたくて飲む酒なんて、ロクなモンじゃなかったけどな…ど?美味しい?」
『ジュースみたい。』
「そっか、俺からしたら…甘い酒ってちょっと苦手というか」
『ぁはは~、大人ぶんなくて良いよ?』
「これは、好みの問題かな」
『もう、無くなったぁ…朔~、』

俺は、また央未のグラスにシャンパンを注ぐ。
「もうやめとけよ。…少しゆっくり飲め」
『もぉー…、分かったよ。ふふっ、朔って俺の事心配してくれてるの?』
「ぐらぐらしだしてるだろ…。」
俺はケーキを食べながら、央未のとろけた笑顔を見ながら
これは、寝落ちされそうだなぁ。と嫌な予感を感じていた。
『小さいからもう無くなっちゃうね…』
「ほとんど、央未が飲んだ…」
『うん。だってぇ…ピンクで、可愛くて美味しいんだもん♡』
「お前、ここで寝るなよ?メンドクサイから」
『あれ?そういえばさぁ~、朔から約束のもの貰ってない気がするよぉ~?』

ふわんふわん、ぐらぐら揺れながら、央未が俺に手を差し出す。
あ、忘れてた。
「お前が寝る時にあげる。今は、やんないよーだ。」
『はぁ?なんでだよ…!』
「酔っ払いにあげるプレゼントなんてありません。良い子にしかあげませんよ。」
『…っぐ、俺…良い子じゃないのぉ~?』
「うん。正体不明になりかけてるじゃん。」
『そぉんな事ないよ。…めっちゃいい子だもん。』
「じゃ、うだうだしないの。」
『無理…、体…ぐわんぐわんして…きもちよくってぇ…』

頼むから、吐くなよ?
俺は、席から立って央未の傍に寄り頭を撫でる。
『さわんなぁぁぁ~、』
「どうするの?寝る?」
『朔に触られたら…、気持ちよくなるからぁ』
「よし、寝ろ。」
『起きてる…もうちょっと、頑張らせてよ』
もう、俺が限界なんだけど…。
「よし、歯磨きしてこい。そしたらさっぱりするぞ?」
『ぉえーって、ならない?』
「えづくのかよ…。何、やばいの?気持ち悪い?」
『いや、全然。そうだな、歯磨きしてくる。』

ふらら、と央未が立ち上がって危なっかしく洗面所に行った。
「あいつ、大丈夫かよ…」
5分程で、央未は戻って来てパジャマに着替えていた。
『ねむたぁい…』
「おねんねしましょうね~、央未。」
ベッドまで央未を誘導して、一旦足止めをする。
『なぁにぃ?朔…』
「おやすみのフレグランス…ミスト」
ベッドの寝具に一吹きして、しばらく待っていると
優しい香りが自然と降りてくる。

『…ぁー、なにこれ?めっちゃ良い匂い』
「だろ?」
『ぁー、ダメぇ…好きな匂いだぁ…ぇー、ふわんふわん…。ねぇ、こんな好きな匂い初めてなんだけど…』
央未は、ベッドに寝そべってマタタビをもらった猫みたいになっている。
「特製だからな。」
『なんか…朔の匂いにも似てる…。良い気持ち…』
俺は、屈みこんで央未の頬っぺたを撫でてからキスをした。

「お前の好きな匂いは、何か…一番分かってるのは央未自身だろ?」
『ん…そっか。じゃ…』
「あぁ、お分かりの様で安心した。」
『…朔、今日は沢山ありがとう。幸せな誕生日にしてくれて…嬉しかった。』
「あんまり、何もできなかったけど…俺は楽しそうな央未が見れて、それだけで満足だよ。」
『先に、寝ちゃうけど…ゴメンね』
「俺も、少し片づけたらすぐに寝る。」

申し訳なさそうにする央未の髪を柔らかく撫でて、今度は唇にキスをしてから
俺は、寝室のドアを閉めた。
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