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トリコのしっぽ。(現代なので女体化です)
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ゲストの登場人物
出雲
3柱神ともうたわれる、白い兎の嫁にご執心な
神主さん。もちろん、守護職に就いている。
ちなみに、楓と、出雲と、大和が
3柱神だったりします。
結構、他の守護職に巻き込まれやすい
お人よし。
『痛いっ!もぉ…髪引っ張ってる。』
「あ、悪い。…大丈夫か?」
美祢の長い髪が好きだ。
昔から綺麗で艶があって
絹糸みたいに滑らかで。
美祢の髪は、やっぱりロングヘアに限る。
と、思ってたのに…
「なんでバッサリ、しかもショートヘアにして来たんだよ。し、縛れない長さだ…あり得ない。」
サラサラの、ツヤツヤが…
コアラとか、毒蠍にして楽しんでた美祢の髪が…。
魅惑の尻尾が、
突然無くなった。
最悪だ。
『そんな、落ち込まないでよ…似合わない?短いの。』
美祢は、酷い。
あんなに愛でてた髪を…
「全然似合わねぇよ、馬鹿!俺の美祢返せ!」
『はぁっ…!?意味わかんない。ってか、酷い。』
美祢が裏切ったようにさえ感じる。
前に聞いた時は、
髪は短くしないって言ってたのに。
なんでまた?
まぁ、顔面からして可愛い美祢だから
ショートヘアでも
普通に可愛い。
が、普通にだ。
ロングヘアに変わるだけで
多分、神レベルで可愛いんだ。
出会った頃の美祢は、男だけど愛くるしくて
結わえた髪が舞う度に
視線を奪われた。
「しばらく、ショックで立ち直れないかもな。」
『安芸…そんなにも俺の髪が好きだったんだね。嬉しいな。』
心なしか、照れたように笑う美祢。
おかしくないっつーの。
真剣に、好きだった。
それを、お前は簡単に思い出を捨てる様な真似して…。
「うるせ。」
『やだな、煩くないよ。こっち見て?安芸。』
ベッドの端にいた美祢に
珍しく、のし掛かられる。
「気分じゃないんだよ、分かるだろ?」
『安芸…俺は俺のままなんだよ、例え髪が短くても長くても。それは、忘れないでよ。』
そう言うと、美祢はベッドを降りて部屋を出て行った。
言い過ぎたろうか?
いや、
俺は大切な物を失ったみたいに思ってる。
美祢…。
美祢からこんな風に部屋を去って行くなんて光景は
初めてだった。
「確かに、変わらない。でも、美祢の髪に触れてる間も幸せを感じてたんだけどな。」
それも、紛れも無い事実だ。
あの髪を撫でて眠るのが毎日続くと思っていた。
優しい気持ちと、守らなくては。と思わせてくれる。
「やっぱり、無くちゃ駄目だ。神力で髪は伸ばせないのか?」
困った。俺の神力では
無理だ。
こういうのは、葵か出雲あたりが妥当だろ。
とりあえず、連絡して聞いてみるか。
まずは、出雲からだ。
「あ、出雲いま、電話大丈夫か?」
『今晩は、安芸。お久しぶりですね、電話を下さるなんて珍しいですが…何かご相談ですか?』
さすがは、出雲。
察しがいい。
「率直に聞くけど、出雲は髪を長く伸ばす力とか使えるか?」
『えぇ、使えますよ。安芸に使えば良いのですか?』
違う。
「いや、美祢にお願いしたい。」
『えっ、あれ以上長いと大変じゃありません?お手入れ。』
「俺も、さっきまではそう思ってたよ。だが、ショートヘアに切ってきたんだよね。美祢の奴。」
ため息が出る。
『…そんな事を?美祢だとしないはずなんですが。』
「信じがたいが、本当だよ。俺も…ショックでな。」
『美祢の神力は、だいたいが髪に宿っているはずなので…極端に短くしたりすると、色々と弊害が出ると本人も分かっているはずです。以前、説明しましたし。』
「ほ、本当なのか?それ。」
だったら、なんでだ?
ますます意味がわからない。
『もしかして、何かを安芸に伝えたいのかもしれません。』
何かって、何だよ。
スッキリしない頭で考える。
「もうちょっと頑張ってみるわ、ありがとうな。出雲…」
『お役にも立てず、申し訳ありません。解決される事を祈ります。』
「ありがとう。」
だいたい、美祢があんな風に試すような態度を取るのは稀だ。
何を察して欲しいのか。
分かりかねる。
美祢の部屋を訪ねてみた。
ガラッと、戸を開けて
『あっ…』
「?!」
短くなった美祢髪から長いいつもの美祢の髪が
ゴッソリ見えた。
「おまえぇぇぇぇぇぇ!」
どうも、ウイッグたるものをしていたらしく。
まんまと騙された。
『話聞いて。』
「何だよ。」
美祢のベッドに座り、
いつもの絹糸みたいに綺麗な髪を、何度も撫でる。
『大好きでしょ?俺の髪が。』
あ?
まあ、そりゃあな。
ずっと目に焼き付いて離れないんだ。
暗闇の中で
かえって、目立つ金糸みたいな髪が。
「今更、何を聞いてくるのかと思えば。あぁ、そうだ。」
認めた事で、美祢は
満足そうに笑う。
『だって、俺ばっかり好きなのは悔しいから。実感してもらいたかったんだよ。』
「この先ずっと一緒なのに、そんな事してたら大変じゃないか?」
『この先、ずっと一緒なの…?』
えぇ?と半笑いで見上げてくる美祢の頬をつまむ。
「何か御不満でも…?」
『ふふっ、無いよ。ただ、改めて言われたら…くすぐったくってさ。ね、トリコなんだよね。』
解ってる。
確認されなくても。
執着心が異常で、独占欲も強いお互いだから。
「美祢の髪に、触れていいのは俺だけだ。」
出雲
3柱神ともうたわれる、白い兎の嫁にご執心な
神主さん。もちろん、守護職に就いている。
ちなみに、楓と、出雲と、大和が
3柱神だったりします。
結構、他の守護職に巻き込まれやすい
お人よし。
『痛いっ!もぉ…髪引っ張ってる。』
「あ、悪い。…大丈夫か?」
美祢の長い髪が好きだ。
昔から綺麗で艶があって
絹糸みたいに滑らかで。
美祢の髪は、やっぱりロングヘアに限る。
と、思ってたのに…
「なんでバッサリ、しかもショートヘアにして来たんだよ。し、縛れない長さだ…あり得ない。」
サラサラの、ツヤツヤが…
コアラとか、毒蠍にして楽しんでた美祢の髪が…。
魅惑の尻尾が、
突然無くなった。
最悪だ。
『そんな、落ち込まないでよ…似合わない?短いの。』
美祢は、酷い。
あんなに愛でてた髪を…
「全然似合わねぇよ、馬鹿!俺の美祢返せ!」
『はぁっ…!?意味わかんない。ってか、酷い。』
美祢が裏切ったようにさえ感じる。
前に聞いた時は、
髪は短くしないって言ってたのに。
なんでまた?
まぁ、顔面からして可愛い美祢だから
ショートヘアでも
普通に可愛い。
が、普通にだ。
ロングヘアに変わるだけで
多分、神レベルで可愛いんだ。
出会った頃の美祢は、男だけど愛くるしくて
結わえた髪が舞う度に
視線を奪われた。
「しばらく、ショックで立ち直れないかもな。」
『安芸…そんなにも俺の髪が好きだったんだね。嬉しいな。』
心なしか、照れたように笑う美祢。
おかしくないっつーの。
真剣に、好きだった。
それを、お前は簡単に思い出を捨てる様な真似して…。
「うるせ。」
『やだな、煩くないよ。こっち見て?安芸。』
ベッドの端にいた美祢に
珍しく、のし掛かられる。
「気分じゃないんだよ、分かるだろ?」
『安芸…俺は俺のままなんだよ、例え髪が短くても長くても。それは、忘れないでよ。』
そう言うと、美祢はベッドを降りて部屋を出て行った。
言い過ぎたろうか?
いや、
俺は大切な物を失ったみたいに思ってる。
美祢…。
美祢からこんな風に部屋を去って行くなんて光景は
初めてだった。
「確かに、変わらない。でも、美祢の髪に触れてる間も幸せを感じてたんだけどな。」
それも、紛れも無い事実だ。
あの髪を撫でて眠るのが毎日続くと思っていた。
優しい気持ちと、守らなくては。と思わせてくれる。
「やっぱり、無くちゃ駄目だ。神力で髪は伸ばせないのか?」
困った。俺の神力では
無理だ。
こういうのは、葵か出雲あたりが妥当だろ。
とりあえず、連絡して聞いてみるか。
まずは、出雲からだ。
「あ、出雲いま、電話大丈夫か?」
『今晩は、安芸。お久しぶりですね、電話を下さるなんて珍しいですが…何かご相談ですか?』
さすがは、出雲。
察しがいい。
「率直に聞くけど、出雲は髪を長く伸ばす力とか使えるか?」
『えぇ、使えますよ。安芸に使えば良いのですか?』
違う。
「いや、美祢にお願いしたい。」
『えっ、あれ以上長いと大変じゃありません?お手入れ。』
「俺も、さっきまではそう思ってたよ。だが、ショートヘアに切ってきたんだよね。美祢の奴。」
ため息が出る。
『…そんな事を?美祢だとしないはずなんですが。』
「信じがたいが、本当だよ。俺も…ショックでな。」
『美祢の神力は、だいたいが髪に宿っているはずなので…極端に短くしたりすると、色々と弊害が出ると本人も分かっているはずです。以前、説明しましたし。』
「ほ、本当なのか?それ。」
だったら、なんでだ?
ますます意味がわからない。
『もしかして、何かを安芸に伝えたいのかもしれません。』
何かって、何だよ。
スッキリしない頭で考える。
「もうちょっと頑張ってみるわ、ありがとうな。出雲…」
『お役にも立てず、申し訳ありません。解決される事を祈ります。』
「ありがとう。」
だいたい、美祢があんな風に試すような態度を取るのは稀だ。
何を察して欲しいのか。
分かりかねる。
美祢の部屋を訪ねてみた。
ガラッと、戸を開けて
『あっ…』
「?!」
短くなった美祢髪から長いいつもの美祢の髪が
ゴッソリ見えた。
「おまえぇぇぇぇぇぇ!」
どうも、ウイッグたるものをしていたらしく。
まんまと騙された。
『話聞いて。』
「何だよ。」
美祢のベッドに座り、
いつもの絹糸みたいに綺麗な髪を、何度も撫でる。
『大好きでしょ?俺の髪が。』
あ?
まあ、そりゃあな。
ずっと目に焼き付いて離れないんだ。
暗闇の中で
かえって、目立つ金糸みたいな髪が。
「今更、何を聞いてくるのかと思えば。あぁ、そうだ。」
認めた事で、美祢は
満足そうに笑う。
『だって、俺ばっかり好きなのは悔しいから。実感してもらいたかったんだよ。』
「この先ずっと一緒なのに、そんな事してたら大変じゃないか?」
『この先、ずっと一緒なの…?』
えぇ?と半笑いで見上げてくる美祢の頬をつまむ。
「何か御不満でも…?」
『ふふっ、無いよ。ただ、改めて言われたら…くすぐったくってさ。ね、トリコなんだよね。』
解ってる。
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