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俺にとって、特別な存在である央未。
できるなら一緒に旅行とかにも行きたいとは思う。
けど、なかなか都合が合わない。
同棲してるだけでも、きっと満足なのに。
「そ。結局はな。俺も妄想でイケる奴になりそう。」
『妄想で救われる事もあるんだからさ。あながち、馬鹿にはできないよ。』
溶かしたチョコにバターを追加して、央未が作った生地と混ぜ合わせる。
「生地だけでもうまそー。」
『メレンゲ、綺麗にできたね。後は薄力粉を生地に入れて。メレンゲの泡、潰さない様にゴムベラで掬・・・あ、朔ってば。
やっぱり俺よりも上手い。手順も分かってるし。』
「央未の補佐するんだから、当たり前だろ?」
『ふふっ、そうだったね。・・・結構あっという間だ。後は、型に流し込んで4、50分くらい焼くんだ。』
丸い5号のケーキ型には、敷紙がセットされている。
「チョコレートって、央未だよなぁ。」
『・・・ん?』
「昔から、やめられないし。気が付いたらまた食べてる。」
『どういう事、それ。』
「脳がとろける程、美味いチョコは特にそう思う。」
『そんな風に思ってたんだ・・・へ~。』
余熱の完了したオーブンに焼き型を置いた天板を、手早く投入する。
まだ、薄くチョコの匂いがキッチンには残っている。
「口開けて、央未。」
『・・・やぁらしい事、考えてるだろ。』
「明るくても、関係無いもんね。」
『俺は、寒くないなら・・・別に良いけど。』
腕が、当たり前みたいに央未を抱き寄せる。
安堵と共に、劣情が襲う。
求めてしまうのは、分かりやすいものばかり。
両手で、央未の頬に触れる。
あたたかい、柔らかで弾力もある。
何より、頼りなげな瞳がジッと俺の事を見つめて来る。
舐めたいくらいに愛おしい、瞳。
俺の中からじわりと侵食してくる、央未。
「ぅあー、やっぱりお前・・・可愛い。」
『・・・しないの?』
「キスで終わらないモン。」
『モンって、ちょ・・・笑わせんな・・・ふふっ』
央未の自然な笑顔が眩しい。
髪を撫でると、目を細めてどこか嬉しそうに笑ってる。
「はぁーーーー。すき。」
『なんがい、ため息。』
「頭のカタチまで綺麗だし。なんなのお前。」
『・・・何なのかはどうとも言えないけど。でも、そんなに褒められるとさ。嬉しくってニヤニヤしちゃう。』
「俺が他人を褒める事なんてあんまり無いからな。」
『朔、は俺が言わなくてもイケメンだし。』
「まぁな。」
『なのに、俺としか付き合った事無いなんてね。』
「しゃーない。俺は央未以外には不能だし。」
『・・・困ったねぇ。』
全然、困った顔してない央未の表情。
ぎゅーっと抱き締めてから、キスをする。
何度も繰り返してついばむ様なキスをしていると、央未の頬がほんのりと
淡く色づき始める。
できるなら一緒に旅行とかにも行きたいとは思う。
けど、なかなか都合が合わない。
同棲してるだけでも、きっと満足なのに。
「そ。結局はな。俺も妄想でイケる奴になりそう。」
『妄想で救われる事もあるんだからさ。あながち、馬鹿にはできないよ。』
溶かしたチョコにバターを追加して、央未が作った生地と混ぜ合わせる。
「生地だけでもうまそー。」
『メレンゲ、綺麗にできたね。後は薄力粉を生地に入れて。メレンゲの泡、潰さない様にゴムベラで掬・・・あ、朔ってば。
やっぱり俺よりも上手い。手順も分かってるし。』
「央未の補佐するんだから、当たり前だろ?」
『ふふっ、そうだったね。・・・結構あっという間だ。後は、型に流し込んで4、50分くらい焼くんだ。』
丸い5号のケーキ型には、敷紙がセットされている。
「チョコレートって、央未だよなぁ。」
『・・・ん?』
「昔から、やめられないし。気が付いたらまた食べてる。」
『どういう事、それ。』
「脳がとろける程、美味いチョコは特にそう思う。」
『そんな風に思ってたんだ・・・へ~。』
余熱の完了したオーブンに焼き型を置いた天板を、手早く投入する。
まだ、薄くチョコの匂いがキッチンには残っている。
「口開けて、央未。」
『・・・やぁらしい事、考えてるだろ。』
「明るくても、関係無いもんね。」
『俺は、寒くないなら・・・別に良いけど。』
腕が、当たり前みたいに央未を抱き寄せる。
安堵と共に、劣情が襲う。
求めてしまうのは、分かりやすいものばかり。
両手で、央未の頬に触れる。
あたたかい、柔らかで弾力もある。
何より、頼りなげな瞳がジッと俺の事を見つめて来る。
舐めたいくらいに愛おしい、瞳。
俺の中からじわりと侵食してくる、央未。
「ぅあー、やっぱりお前・・・可愛い。」
『・・・しないの?』
「キスで終わらないモン。」
『モンって、ちょ・・・笑わせんな・・・ふふっ』
央未の自然な笑顔が眩しい。
髪を撫でると、目を細めてどこか嬉しそうに笑ってる。
「はぁーーーー。すき。」
『なんがい、ため息。』
「頭のカタチまで綺麗だし。なんなのお前。」
『・・・何なのかはどうとも言えないけど。でも、そんなに褒められるとさ。嬉しくってニヤニヤしちゃう。』
「俺が他人を褒める事なんてあんまり無いからな。」
『朔、は俺が言わなくてもイケメンだし。』
「まぁな。」
『なのに、俺としか付き合った事無いなんてね。』
「しゃーない。俺は央未以外には不能だし。」
『・・・困ったねぇ。』
全然、困った顔してない央未の表情。
ぎゅーっと抱き締めてから、キスをする。
何度も繰り返してついばむ様なキスをしていると、央未の頬がほんのりと
淡く色づき始める。
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