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…今更?
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朝だった。起きたら、既に。
体あちこちきしむみたいに痛い。
あー、またやってしまった。
目を開けると、隣には清瀬の綺麗なお顔。
あの後、散々パコられて…
思わず布団を確認する。
多少の覚悟はしてたけど、
清瀬が案外そういう所がマメだから
タオル使ってたっぽい。
全然、そんな事には気もつかずに
没頭してた。
シャワーくらいして来よう。
ゆっくりと起き上がって立とうとしたら、
クラッと来て。
そのまま倒れ込んでしまった。
「嘘ぉ~…目ぇまわって、」
信じられなかった。
目をつむっても、まだクラクラが
おさまらない。
とりあえず、じっとしていよう。
すぐに清瀬が起きて
『…なにしてんの?むー』
「めまいが、ひどくて…」
『あー、そっちね。大丈夫、大丈夫。俺らどうせ死にはしないからさ。』
そうなんだけど、でも…ちょっと
あんまりじゃない?
床で横たわってると、清瀬が起きて来て
そばに屈む。
『頭痛くない?』
「だいじょぶ…かな。」
『なんかあったかい物、飲もうか。少し待ってて。』
こんな悠長で良いのかな?
まだ多分6時過ぎだろうけど。
「ありがとう、多分大した事ないよね。」
うん、と清瀬は頷いて部屋を後にした。
心臓の鼓動が、結構聞こえる。
こんな事はあんまり無いだけに
ちょっと不安だ。
しばらくして、マグカップを携えた
清瀬が戻って来た。
匂いですぐ分かる、ココアを入れて
くれたみたい。
『さすがに、鍋で粉練る余裕は無かったわ。』
充分すぎるってば。
優しいなぁ、やっぱり…清瀬って
頼りになる。
「ありがとう。ホットココアだなんて、ふふっ…嬉しいなぁ」
『起きれそう?ゆっくりでも良いから…』
かなり慎重になってる清瀬を見て
僕はベッドのフレームに寄り掛かって
座り直した。
手渡されたマグカップが、程良く
温かい。
心にじんわりと沁みていく。
「少しおさまって来た。」
『昨日、覚えてる?』
「もしかして、失神してた?」
『そう。目の前で白眼むかれて、焦った。』
やっぱりなぁ。
体には実はまだ名残がある。
気だるい、後は切れた唇がね
少しだけココアを飲んだ時にしみた。
「あったかい、あま~い」
『唇、痛くない?』
「ちょっとは痛いよ。でも、清くんがつけた傷なんだし。残れば良いのに…」
残らない体だからこそ、思ってしまう。
何事もなかったみたいに
綺麗に治る傷口。
少しだけ寂しく感じるのは
僕の気のせいか。
あんなに酷く抱かれて、舌を噛みそうな
程に乱されたのは久しぶりだった。
『なぁ、武蔵…俺さ』
ココアを飲んでる時、清瀬に
ずっと手を握られている事が
愛おしくて顔を見上げた。
「どした?清くん。」
『やっぱり、武蔵が好きだ…から、たまには外に2人で出掛けたりしたい。』
マグカップを落としかけた。
「それって、デートってこと?」
『そう、なるか…』
「僕男だけど、えーと、どうしよ…どんなデートがしたいのかにもよるよね?」
随分と可愛い事を弟が言い出すものだから
僕も嬉しくなってきたりして。
『男なのは解ってる。人目を気にせず、例えば水族館とか行ったりしてみたい。』
言われてみれば、そう言う感じの
お出かけはあんまりした事が無かった。
買い出しに一緒に行くくらいが
せいぜいで。
「うっわ、僕気が付きもしないで…ごめんね。清くん。」
恋愛に対してきっとまだ、夢もあるだろうに。
『ちょっと気になるんだけどさ、武蔵の女装のレベルと言うか…どんな感じなのか見てみたいんだよなぁ。』
ほぁ、何か急にぶっ込んで来られた
気がしたけど。
本気なのかな?
「姿形は、変えられはするけど…じゃあ髪伸ばしてみようか?」
普段は滅多に使わない、霊力を駆使して
行われる。
一気に変化する事は、今の自分には
不可能だから少し時間がかかる。
『気長に待ってる。』
「僕、女の子にはなってあげられないけど…それでも好きでいてくれる?」
僕の言葉に、清瀬は何度も頷いて
『当たり前だ…!』
と、強く手を握りながら言ってくれた。
体あちこちきしむみたいに痛い。
あー、またやってしまった。
目を開けると、隣には清瀬の綺麗なお顔。
あの後、散々パコられて…
思わず布団を確認する。
多少の覚悟はしてたけど、
清瀬が案外そういう所がマメだから
タオル使ってたっぽい。
全然、そんな事には気もつかずに
没頭してた。
シャワーくらいして来よう。
ゆっくりと起き上がって立とうとしたら、
クラッと来て。
そのまま倒れ込んでしまった。
「嘘ぉ~…目ぇまわって、」
信じられなかった。
目をつむっても、まだクラクラが
おさまらない。
とりあえず、じっとしていよう。
すぐに清瀬が起きて
『…なにしてんの?むー』
「めまいが、ひどくて…」
『あー、そっちね。大丈夫、大丈夫。俺らどうせ死にはしないからさ。』
そうなんだけど、でも…ちょっと
あんまりじゃない?
床で横たわってると、清瀬が起きて来て
そばに屈む。
『頭痛くない?』
「だいじょぶ…かな。」
『なんかあったかい物、飲もうか。少し待ってて。』
こんな悠長で良いのかな?
まだ多分6時過ぎだろうけど。
「ありがとう、多分大した事ないよね。」
うん、と清瀬は頷いて部屋を後にした。
心臓の鼓動が、結構聞こえる。
こんな事はあんまり無いだけに
ちょっと不安だ。
しばらくして、マグカップを携えた
清瀬が戻って来た。
匂いですぐ分かる、ココアを入れて
くれたみたい。
『さすがに、鍋で粉練る余裕は無かったわ。』
充分すぎるってば。
優しいなぁ、やっぱり…清瀬って
頼りになる。
「ありがとう。ホットココアだなんて、ふふっ…嬉しいなぁ」
『起きれそう?ゆっくりでも良いから…』
かなり慎重になってる清瀬を見て
僕はベッドのフレームに寄り掛かって
座り直した。
手渡されたマグカップが、程良く
温かい。
心にじんわりと沁みていく。
「少しおさまって来た。」
『昨日、覚えてる?』
「もしかして、失神してた?」
『そう。目の前で白眼むかれて、焦った。』
やっぱりなぁ。
体には実はまだ名残がある。
気だるい、後は切れた唇がね
少しだけココアを飲んだ時にしみた。
「あったかい、あま~い」
『唇、痛くない?』
「ちょっとは痛いよ。でも、清くんがつけた傷なんだし。残れば良いのに…」
残らない体だからこそ、思ってしまう。
何事もなかったみたいに
綺麗に治る傷口。
少しだけ寂しく感じるのは
僕の気のせいか。
あんなに酷く抱かれて、舌を噛みそうな
程に乱されたのは久しぶりだった。
『なぁ、武蔵…俺さ』
ココアを飲んでる時、清瀬に
ずっと手を握られている事が
愛おしくて顔を見上げた。
「どした?清くん。」
『やっぱり、武蔵が好きだ…から、たまには外に2人で出掛けたりしたい。』
マグカップを落としかけた。
「それって、デートってこと?」
『そう、なるか…』
「僕男だけど、えーと、どうしよ…どんなデートがしたいのかにもよるよね?」
随分と可愛い事を弟が言い出すものだから
僕も嬉しくなってきたりして。
『男なのは解ってる。人目を気にせず、例えば水族館とか行ったりしてみたい。』
言われてみれば、そう言う感じの
お出かけはあんまりした事が無かった。
買い出しに一緒に行くくらいが
せいぜいで。
「うっわ、僕気が付きもしないで…ごめんね。清くん。」
恋愛に対してきっとまだ、夢もあるだろうに。
『ちょっと気になるんだけどさ、武蔵の女装のレベルと言うか…どんな感じなのか見てみたいんだよなぁ。』
ほぁ、何か急にぶっ込んで来られた
気がしたけど。
本気なのかな?
「姿形は、変えられはするけど…じゃあ髪伸ばしてみようか?」
普段は滅多に使わない、霊力を駆使して
行われる。
一気に変化する事は、今の自分には
不可能だから少し時間がかかる。
『気長に待ってる。』
「僕、女の子にはなってあげられないけど…それでも好きでいてくれる?」
僕の言葉に、清瀬は何度も頷いて
『当たり前だ…!』
と、強く手を握りながら言ってくれた。
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