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「マジで?ごめん…気付かなかった。」
『お休みの所、悪かったね。せっかく、…お友達?と一緒なのに』
「ぁ、うぅん…気にしないで。来てくれたことは嬉しいよ。ありがとう。」
急に、自分の恰好や顔とかが気になりだして
俺は無意識に両手で両頬を押さえながら、頬の熱さに困惑していた。
『でね、これは手土産。今日は退散しておこうかな。それじゃぁね…』
嫌味の無い笑顔で手を振って、クズ兄ちゃんは俺に菓子箱を押し付けて
去って行った。
後ろを振り向くのが怖い。
「だから、幼馴染だよ。本当にたまたま、この前街中でバッタリ再会してさ。」
紅茶を淹れながら俺は、すっかり子供みたいに拗ねてしまった朔のティーカップを見つめる。
ほとんど誰も訪ねてこない部屋ではあるけど
だから余計に驚いていた。
後で御礼しておかないと、美味しそうな
チョコレートタルトを貰ったから。
『しかも、兄ちゃんって呼んでたよな?…っはぁ~信じられない』
朔って、多分ずーっと俺の事を
ひとりぼっちで可哀想と思ってた
フシがあるんだよなぁ。
否定はしないけど、まぁそれなりに
子供の頃は近所に幼馴染くらいは
居たっておかしくもないだろうし。
「…子供の頃は結構あそんで貰ってはいたけど、途中で引っ越してったからさ。」
『それで俺をたぶらかしたか?』
もーーっ、言い方!
「関係無くない?今の俺と朔とは」
むしろ、一緒にあんまり考えたくはない。
今の俺には、朔がいる。
『連絡先教えてたのが、地味に効いてる。』
「一生、お互いだけで生きてくのは不可のだよ。」
朔、取り乱しかけてる。
ほんと珍しいなぁ。
今までの俺が、きっと何にも無さすぎた
だけなんだろうけど。
『俺の央未なのに…、』
テーブルに突っ伏して、駄々っ子みたい。
「変わらないってば、ほら?こんなに美味しそうなお菓子くれたんだからさ、一緒に食べようよ。」
『…お前はすぐそうやって、お菓子をくれる奴に甘いからな。』
「やめてよ、一応さぁ春季は学者さんだよ?あんまり俺にも関心はないと思うよ。」
朔にタルトを皿に切って載せて勧める。
『関心無いのに連絡先聞くのかよ…ンな訳あるか!』
「もぉ~、俺にあたるなよ。」
『せっかく央未とそろそろ2年が経つってのに。』
やり直してから、確かにもうすぐ
2年経つ。
色々はあるけど、俺は相変わらず
これからもずーっと朔と一緒に暮らせれば
人生それで満たされると思ってる。
「信じてよ、朔。俺は後にも先にも朔しか知らないし…。」
『お休みの所、悪かったね。せっかく、…お友達?と一緒なのに』
「ぁ、うぅん…気にしないで。来てくれたことは嬉しいよ。ありがとう。」
急に、自分の恰好や顔とかが気になりだして
俺は無意識に両手で両頬を押さえながら、頬の熱さに困惑していた。
『でね、これは手土産。今日は退散しておこうかな。それじゃぁね…』
嫌味の無い笑顔で手を振って、クズ兄ちゃんは俺に菓子箱を押し付けて
去って行った。
後ろを振り向くのが怖い。
「だから、幼馴染だよ。本当にたまたま、この前街中でバッタリ再会してさ。」
紅茶を淹れながら俺は、すっかり子供みたいに拗ねてしまった朔のティーカップを見つめる。
ほとんど誰も訪ねてこない部屋ではあるけど
だから余計に驚いていた。
後で御礼しておかないと、美味しそうな
チョコレートタルトを貰ったから。
『しかも、兄ちゃんって呼んでたよな?…っはぁ~信じられない』
朔って、多分ずーっと俺の事を
ひとりぼっちで可哀想と思ってた
フシがあるんだよなぁ。
否定はしないけど、まぁそれなりに
子供の頃は近所に幼馴染くらいは
居たっておかしくもないだろうし。
「…子供の頃は結構あそんで貰ってはいたけど、途中で引っ越してったからさ。」
『それで俺をたぶらかしたか?』
もーーっ、言い方!
「関係無くない?今の俺と朔とは」
むしろ、一緒にあんまり考えたくはない。
今の俺には、朔がいる。
『連絡先教えてたのが、地味に効いてる。』
「一生、お互いだけで生きてくのは不可のだよ。」
朔、取り乱しかけてる。
ほんと珍しいなぁ。
今までの俺が、きっと何にも無さすぎた
だけなんだろうけど。
『俺の央未なのに…、』
テーブルに突っ伏して、駄々っ子みたい。
「変わらないってば、ほら?こんなに美味しそうなお菓子くれたんだからさ、一緒に食べようよ。」
『…お前はすぐそうやって、お菓子をくれる奴に甘いからな。』
「やめてよ、一応さぁ春季は学者さんだよ?あんまり俺にも関心はないと思うよ。」
朔にタルトを皿に切って載せて勧める。
『関心無いのに連絡先聞くのかよ…ンな訳あるか!』
「もぉ~、俺にあたるなよ。」
『せっかく央未とそろそろ2年が経つってのに。』
やり直してから、確かにもうすぐ
2年経つ。
色々はあるけど、俺は相変わらず
これからもずーっと朔と一緒に暮らせれば
人生それで満たされると思ってる。
「信じてよ、朔。俺は後にも先にも朔しか知らないし…。」
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