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関係性
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璃端の、少し困った顔が胸を締め付ける。
抱き締めたいな、って思ってると
先に璃端に抱き締められた。
あっぶな…もう少しで麦茶をこぼす所だった。
とっさに腕を上げて、ふぅ…と息をついた。
がっちりと抱き締められて、これはしばらく長居してくんだろうな。
『今でも、要が好きだ。』
「俺も、璃端は好きだよ。でも、俺…璃端が怒る様な事しちゃってるから。」
『…なに?』
声、怖いからな。すでに…。
言う気も無かったけど、やっぱりここまで言われているなら
きちんと説明しなきゃと思う。
はぁ、気が重い。
「俺、さ…その、同級生と酔った勢いで、やっちゃったんだよねー。」
沈黙で、耳が痛くなりそうだった。
『……』
「付き合っては無いけど、少し教え込まれたら…たまに、しちゃう関係性なの。」
『面白い冗談だね。』
ニコニコと笑顔が怖すぎる。
「いや、マジなんだって。さっきも実は、してたし…」
『僕の要が、そんな事する訳無いよ。』
「俺も、最初はそう思ってたから。でもさ、やっぱり俺は…璃端に抱いて欲しかったんだなって…」
被害者ぶるな、こんな綺麗でもない涙を流すなんて
璃端に申し訳ない。
『ホントなんだ…、要。』
ポロポロと涙がこぼれる。
俺は慌てて、璃端に掛からない様にと
両手で顔を覆った。
俺は、もう覚悟もしていたし。何を言われても傷つく事もないだろう。
璃端の気持ちを考えれば、考える程に俺の気持ちは
ボロボロに崩れ落ちていく。
璃端と付き合いだした頃は、見つめられるだけで恥ずかしくて。
手なんか触られた日には、手汗が出そうで。
ハグされれば、失神するんじゃないかって思う程に。
楽しさ半分、不安半分。
これがいつもアンニュイな、俺の精神状態だった。
璃端のSNSを見て、嫉妬したり嫌な思いが頭も心も支配する。
そんな俺の不安を、璃端は見抜いていていつも優しく接してくれた。
キスまでされた日には、熱でも出しそうな程で。
璃端が、周りの人に俺をどう紹介するのか
気にしたりする日々。
こんなの、ちっとも恋愛なんかじゃない。
みじめだった。
俺は、心の奥底で璃端の一番に、特別になりたくて
どうかなりそうで。
「うん…。でも、好きでもない相手で…虚しい。快楽はあったけど、ちっとも心が
満たされない。」
璃端は、ゆっくりと体を起こして
『もう、泣かないで要。もっと、自分の事を大切にして?』
璃端は、そっと俺の頭を撫でる。
「まだ、俺に…触れてくれるの?」
『もちろん。一応、確認なんだけど、その相手とは関係終わらせられる?』
「す、すぐにでも…。」
『慌てなくても良いよ?何なら僕がその相手の家に行って、話をつけるから。』
こっわ…。さすがは、某チームに属していただけはある。
「大丈夫、俺がきちんと説明するから、ね?」
璃端は、普段は聖人の様だけど。一度頭に血が上るとヤバイと聞いているので
気をつけなければ。
『僕の守り方じゃ、要が傷ついちゃう?あんまり、そういう方面は…ちょっと興味なくって。』
「うーん、でも、それが全部じゃないから。気にしないで璃端。」
惚れ惚れするような、ホワイトブロンドに整った顔立ち。
本当に、何でこんなイケメンが俺にこだわるのか。
謎だよなぁ…。
俺なんてごく普通、むしろ陰寄りだって自覚あるほどなのに。
本当に、好きな相手にはこう…起たない的な?何かがあるのかな。
聞きにくい。俺が性欲強いのかもしれない。
綺麗なコバルト色の瞳に見つめられると本当に
心臓がバクバクうるさい、聞かれたら恥ずかしい。
ゆっくりと璃端の顔が近付いて来る。
反射的に、目を閉じると微かに触れるだけのキスだった。
「~もぉ、璃端…可愛すぎ…っ」
『僕、キス以上は心臓がもたないから…お願いだからもう少し待って欲しい。』
もう、待つよ。こんなに可愛いキスされるんだったら。
「うん、約束する…!」
『やった、じゃ指切りだね。』
あどけない笑顔で、小指と小指でゆびきりげんまんをした。
「今日、泊ってく?」
『…ぇー、えっちなお誘いは、乗らないよ?』
ちぇーっ。
「俺が務めてる酒屋で、買ってるお酒で少しご馳走したいだけだよ。」
最近は、色んなカクテルのレシピを試すのが楽しい。
『僕、あんまりお酒は強くないんだけど。弱めの作ってくれる?』
「大丈夫大丈夫、無理に飲ませたりは絶対しないから。」
抱き締めたいな、って思ってると
先に璃端に抱き締められた。
あっぶな…もう少しで麦茶をこぼす所だった。
とっさに腕を上げて、ふぅ…と息をついた。
がっちりと抱き締められて、これはしばらく長居してくんだろうな。
『今でも、要が好きだ。』
「俺も、璃端は好きだよ。でも、俺…璃端が怒る様な事しちゃってるから。」
『…なに?』
声、怖いからな。すでに…。
言う気も無かったけど、やっぱりここまで言われているなら
きちんと説明しなきゃと思う。
はぁ、気が重い。
「俺、さ…その、同級生と酔った勢いで、やっちゃったんだよねー。」
沈黙で、耳が痛くなりそうだった。
『……』
「付き合っては無いけど、少し教え込まれたら…たまに、しちゃう関係性なの。」
『面白い冗談だね。』
ニコニコと笑顔が怖すぎる。
「いや、マジなんだって。さっきも実は、してたし…」
『僕の要が、そんな事する訳無いよ。』
「俺も、最初はそう思ってたから。でもさ、やっぱり俺は…璃端に抱いて欲しかったんだなって…」
被害者ぶるな、こんな綺麗でもない涙を流すなんて
璃端に申し訳ない。
『ホントなんだ…、要。』
ポロポロと涙がこぼれる。
俺は慌てて、璃端に掛からない様にと
両手で顔を覆った。
俺は、もう覚悟もしていたし。何を言われても傷つく事もないだろう。
璃端の気持ちを考えれば、考える程に俺の気持ちは
ボロボロに崩れ落ちていく。
璃端と付き合いだした頃は、見つめられるだけで恥ずかしくて。
手なんか触られた日には、手汗が出そうで。
ハグされれば、失神するんじゃないかって思う程に。
楽しさ半分、不安半分。
これがいつもアンニュイな、俺の精神状態だった。
璃端のSNSを見て、嫉妬したり嫌な思いが頭も心も支配する。
そんな俺の不安を、璃端は見抜いていていつも優しく接してくれた。
キスまでされた日には、熱でも出しそうな程で。
璃端が、周りの人に俺をどう紹介するのか
気にしたりする日々。
こんなの、ちっとも恋愛なんかじゃない。
みじめだった。
俺は、心の奥底で璃端の一番に、特別になりたくて
どうかなりそうで。
「うん…。でも、好きでもない相手で…虚しい。快楽はあったけど、ちっとも心が
満たされない。」
璃端は、ゆっくりと体を起こして
『もう、泣かないで要。もっと、自分の事を大切にして?』
璃端は、そっと俺の頭を撫でる。
「まだ、俺に…触れてくれるの?」
『もちろん。一応、確認なんだけど、その相手とは関係終わらせられる?』
「す、すぐにでも…。」
『慌てなくても良いよ?何なら僕がその相手の家に行って、話をつけるから。』
こっわ…。さすがは、某チームに属していただけはある。
「大丈夫、俺がきちんと説明するから、ね?」
璃端は、普段は聖人の様だけど。一度頭に血が上るとヤバイと聞いているので
気をつけなければ。
『僕の守り方じゃ、要が傷ついちゃう?あんまり、そういう方面は…ちょっと興味なくって。』
「うーん、でも、それが全部じゃないから。気にしないで璃端。」
惚れ惚れするような、ホワイトブロンドに整った顔立ち。
本当に、何でこんなイケメンが俺にこだわるのか。
謎だよなぁ…。
俺なんてごく普通、むしろ陰寄りだって自覚あるほどなのに。
本当に、好きな相手にはこう…起たない的な?何かがあるのかな。
聞きにくい。俺が性欲強いのかもしれない。
綺麗なコバルト色の瞳に見つめられると本当に
心臓がバクバクうるさい、聞かれたら恥ずかしい。
ゆっくりと璃端の顔が近付いて来る。
反射的に、目を閉じると微かに触れるだけのキスだった。
「~もぉ、璃端…可愛すぎ…っ」
『僕、キス以上は心臓がもたないから…お願いだからもう少し待って欲しい。』
もう、待つよ。こんなに可愛いキスされるんだったら。
「うん、約束する…!」
『やった、じゃ指切りだね。』
あどけない笑顔で、小指と小指でゆびきりげんまんをした。
「今日、泊ってく?」
『…ぇー、えっちなお誘いは、乗らないよ?』
ちぇーっ。
「俺が務めてる酒屋で、買ってるお酒で少しご馳走したいだけだよ。」
最近は、色んなカクテルのレシピを試すのが楽しい。
『僕、あんまりお酒は強くないんだけど。弱めの作ってくれる?』
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