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③遅刻
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翌朝、俺は電車の遅延に運悪く
巻き込まれてしまった。
何とか、遅延証明書を取ってもらって
急いで会社へと向かう。
同僚に連絡は入れておいたものの、
恐らく先に来ているであろう
上司の帰国子女様からはあまり
良い印象は持たれない事決定だな。
ま、そんな事くよくよ気にしても
しょうがないけど。
エレベーターで、自分の部署のフロアまで
上がって来てまだ朝礼なのを確認し
足早に自分の席へと向かった。
タイミングが悪くて、申し訳ない。
丁度、噂の帰国子女様の紹介をしてる途中で
来てしまったのが、恨めしい。
一体、どんなツラしてるのかなぁ?と
思って顔を上げて、部長の方を見ると
「……ぇ、櫂…?」
一瞬ドキッとした。
まさかそんな筈が無い。
でも、背格好がとても良く似てる。
し、顔もどちらかといえば涼しげな
雰囲気が櫂と重なった。
冷や汗が出る。
いや、何でまたこんな俺の身近に?
耳に届く声は、意外にも優しくて
女性社員はいつもより
色めきだっている気がした。
朝礼が終わると、部長と帰国子女様が
俺のもとにやって来た。
部長に先日頼まれていた資料のデータを
提出していると
『おはようございます。』
「ぁ、おはようございます。すみません…遅刻してしまって。村崎です、よろしくお願いします。」
部長の隣でにこりと笑う帰国子女様。
『こちらこそ、よろしくお願いします。佐加野と言います。…朝からついてないですね。遅延にあったのでしょう?』
ついてない、と言う言葉に俺は
反応してしまう。
「佐加野さん、そうだ…後で連絡先を教えてもらえますか?」
『そうですね、次からは私の方に連絡を下さい。…部長、できましたか?』
部長はPCの扱いが少し苦手で、
見かねた佐加野さんに操作をしてもらっていた。
「あ、すみません。俺がしなきゃいけないのに。」
『村崎さん、お昼…空けといてくださいね。』
突然だな…まぁ良いんだけど。
「ぇ…あ、ハイ。分かりました。」
マズったかなぁ?早速目をつけられてる感じがするぞ。
『外で食べましょう、村崎さんのオススメの店を教えてください。』
似てる、のかな?
別に面影を探してる訳ではない。
何でだろう、めちゃくちゃ距離が
近くても違和感がなかった。
「わっかりました…。」
巻き込まれてしまった。
何とか、遅延証明書を取ってもらって
急いで会社へと向かう。
同僚に連絡は入れておいたものの、
恐らく先に来ているであろう
上司の帰国子女様からはあまり
良い印象は持たれない事決定だな。
ま、そんな事くよくよ気にしても
しょうがないけど。
エレベーターで、自分の部署のフロアまで
上がって来てまだ朝礼なのを確認し
足早に自分の席へと向かった。
タイミングが悪くて、申し訳ない。
丁度、噂の帰国子女様の紹介をしてる途中で
来てしまったのが、恨めしい。
一体、どんなツラしてるのかなぁ?と
思って顔を上げて、部長の方を見ると
「……ぇ、櫂…?」
一瞬ドキッとした。
まさかそんな筈が無い。
でも、背格好がとても良く似てる。
し、顔もどちらかといえば涼しげな
雰囲気が櫂と重なった。
冷や汗が出る。
いや、何でまたこんな俺の身近に?
耳に届く声は、意外にも優しくて
女性社員はいつもより
色めきだっている気がした。
朝礼が終わると、部長と帰国子女様が
俺のもとにやって来た。
部長に先日頼まれていた資料のデータを
提出していると
『おはようございます。』
「ぁ、おはようございます。すみません…遅刻してしまって。村崎です、よろしくお願いします。」
部長の隣でにこりと笑う帰国子女様。
『こちらこそ、よろしくお願いします。佐加野と言います。…朝からついてないですね。遅延にあったのでしょう?』
ついてない、と言う言葉に俺は
反応してしまう。
「佐加野さん、そうだ…後で連絡先を教えてもらえますか?」
『そうですね、次からは私の方に連絡を下さい。…部長、できましたか?』
部長はPCの扱いが少し苦手で、
見かねた佐加野さんに操作をしてもらっていた。
「あ、すみません。俺がしなきゃいけないのに。」
『村崎さん、お昼…空けといてくださいね。』
突然だな…まぁ良いんだけど。
「ぇ…あ、ハイ。分かりました。」
マズったかなぁ?早速目をつけられてる感じがするぞ。
『外で食べましょう、村崎さんのオススメの店を教えてください。』
似てる、のかな?
別に面影を探してる訳ではない。
何でだろう、めちゃくちゃ距離が
近くても違和感がなかった。
「わっかりました…。」
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