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②不信
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よく我慢してるとは、思うよ。でも、俺もまだ心の準備が出来てない。
朔が微妙な顔つきをして、リビングに戻ってきた。
『何も言うな。』
「ごめん…。」
『だからそれ、』
「だって、怖いんだよ。これ以上朔の事好きになるのが…」
正直な言い方過ぎるかもしれない。
でも、我慢してるって言うならきっと少しは俺のせいでもあるだろうし。
『盛りのついた年頃なのは、お互い様だと思ってたけど。お前は、淡泊なんだな。』
「…ぇ、そんな事ないよ?俺だって、う~ん…一応はアレコレ考えたりもするけど。」
ぎゅーっと抱き着かれると、ちょっとだけ焦る。
いや、俺でもそれなりに欲情はする。
ただ、あんまり朔には見られたら恥ずかしい。
『あれこれって?例えば、どんなの』
うわ、墓穴かもしれない。
相手は、朔なんだよね。キスとハグだけで今まで持ちこたえて来たのが
奇跡かもしれない。
むき出しの腕に絡む朔の手のひらの温度とか、少しずつソファーに倒されていく感覚。
ひじ掛けに俺は、頭を預けながらひっしりと朔に抱きすくめられて
動けなくなっている。
気持ちいい事は、結構怖い事なんだと自分の中の認識を改めて自覚する。
少しだけ冷たい朔の手のひらが、するんと俺の腹部に滑り込んでくる。
「ひょわ…!?」
『…冷たい?』
ろっ骨を撫でる手つきが、くすぐったい。
変な声が出そうになって困る。
「ぅ、ん…ちょっとだけ。」
『央未はあったかいな。生きてるって感じがする。』
ゆっくり、じわじわと触られてると気がどうにかなりそう。
じれったいような、ぞわぞわが止まらない。
ぎゅ、と目をつむる。
でも、何となく朔が触りたいであろう場所は俺にだって
想像はつく。
簡単には触って来ないから、間にさえも困る。
「お前、意地悪してる…?」
朔は俺の言葉に心外そうにして
『どっちが、だよ。嫌なら止めさせたらどうだ?』
朔の言う通りなんだけど。
朔に触れられている事は、嫌じゃない。
「ぅ…だって、俺…そんなに嫌じゃなくって」
『へー、んじゃ気持ちいい?』
頷くしか出来なかった。
好きな人に触れられていれば、トロンってなるのは致し方ない。
「そう、だから…」
『今、すっげーエロい瞳してる。』
朔の指先が、両手が妙に優しい手つきで抗えない。
大丈夫な気がする。
俺の手はきゅ、と朔の腰にまわす。
「るさい、もー、さっきっから…まどろっこしいんだよ」
『望まれないと、手は出せないからな。』
朔って、ほんっとーにこういう所。
優しいのか意地が悪いのかやっぱり分からない。
でも、俺に向けてくれる視線はきっと甘いと思う。
この表情、他の人には見せたく無いなぁって事が
しょっちゅうある。
無防備に優しくて、笑顔に心が絆される。
この手のひらで、頭を撫でられたら諫められてしまう。
「せめて、俺が18になるまで…は」
『お前なぁ、この夏休みにどれだけの奴らが…。ま、いっか。じゃ、俺の誕生日まで耐えるか?』
「何が駄目なのか、朔は理解して無さそうだから言うけど。」
『お…?なになに』
「……ヤリ捨てられるんじゃないかって、思うわけ。いつか、俺との事を朔が若気の至りだって思ったら。嫌なの。」
フッと朔の顔から笑顔が消えた。
『要するに、信用されてないって事か。』
「じゃ、ないけど…不安なんだよ。高校でも1、2を争うイケメンが。なんでまだ俺に…?って」
深いため息がすぐに聞こえた。
『俺の顔と恋愛感情に関係性は無い。この顔じゃなくてもきっと俺は央未が好きだと思うし。』
「イケメンが、もったいないって思うし。」
『勿体ないって、同性を好きだから?』
「あ、…ぅん。」
『でも、央未も俺の事好きじゃん。』
「ぅ…そうだけど。」
『それで、何を考える必要があるのか。俺は分かんないけど。』
返答に困っていると、不意に朔に胸を触られて
体がぴくっと反応してしまう。
『俺なら、もう少し深い所まで知ってから考える。後、単純に央未に気持ち良くなって欲しいから。』
いつもの朔の笑顔を見ると、ホッとする。
指だけからの刺激でも、こんなにも違和感とか込み上げてくる。
ましてや、朔の指だと思うともっと…。
「だめ…、なんぁ…へん…っ」
声、デカって自分で思って顔が熱くなる。
絶妙な触り方してくるんだもん。
だったら、ガッと来てくれればいいのに。
触れるか触れないか。かすめる程の感じが辛い。
朔が微妙な顔つきをして、リビングに戻ってきた。
『何も言うな。』
「ごめん…。」
『だからそれ、』
「だって、怖いんだよ。これ以上朔の事好きになるのが…」
正直な言い方過ぎるかもしれない。
でも、我慢してるって言うならきっと少しは俺のせいでもあるだろうし。
『盛りのついた年頃なのは、お互い様だと思ってたけど。お前は、淡泊なんだな。』
「…ぇ、そんな事ないよ?俺だって、う~ん…一応はアレコレ考えたりもするけど。」
ぎゅーっと抱き着かれると、ちょっとだけ焦る。
いや、俺でもそれなりに欲情はする。
ただ、あんまり朔には見られたら恥ずかしい。
『あれこれって?例えば、どんなの』
うわ、墓穴かもしれない。
相手は、朔なんだよね。キスとハグだけで今まで持ちこたえて来たのが
奇跡かもしれない。
むき出しの腕に絡む朔の手のひらの温度とか、少しずつソファーに倒されていく感覚。
ひじ掛けに俺は、頭を預けながらひっしりと朔に抱きすくめられて
動けなくなっている。
気持ちいい事は、結構怖い事なんだと自分の中の認識を改めて自覚する。
少しだけ冷たい朔の手のひらが、するんと俺の腹部に滑り込んでくる。
「ひょわ…!?」
『…冷たい?』
ろっ骨を撫でる手つきが、くすぐったい。
変な声が出そうになって困る。
「ぅ、ん…ちょっとだけ。」
『央未はあったかいな。生きてるって感じがする。』
ゆっくり、じわじわと触られてると気がどうにかなりそう。
じれったいような、ぞわぞわが止まらない。
ぎゅ、と目をつむる。
でも、何となく朔が触りたいであろう場所は俺にだって
想像はつく。
簡単には触って来ないから、間にさえも困る。
「お前、意地悪してる…?」
朔は俺の言葉に心外そうにして
『どっちが、だよ。嫌なら止めさせたらどうだ?』
朔の言う通りなんだけど。
朔に触れられている事は、嫌じゃない。
「ぅ…だって、俺…そんなに嫌じゃなくって」
『へー、んじゃ気持ちいい?』
頷くしか出来なかった。
好きな人に触れられていれば、トロンってなるのは致し方ない。
「そう、だから…」
『今、すっげーエロい瞳してる。』
朔の指先が、両手が妙に優しい手つきで抗えない。
大丈夫な気がする。
俺の手はきゅ、と朔の腰にまわす。
「るさい、もー、さっきっから…まどろっこしいんだよ」
『望まれないと、手は出せないからな。』
朔って、ほんっとーにこういう所。
優しいのか意地が悪いのかやっぱり分からない。
でも、俺に向けてくれる視線はきっと甘いと思う。
この表情、他の人には見せたく無いなぁって事が
しょっちゅうある。
無防備に優しくて、笑顔に心が絆される。
この手のひらで、頭を撫でられたら諫められてしまう。
「せめて、俺が18になるまで…は」
『お前なぁ、この夏休みにどれだけの奴らが…。ま、いっか。じゃ、俺の誕生日まで耐えるか?』
「何が駄目なのか、朔は理解して無さそうだから言うけど。」
『お…?なになに』
「……ヤリ捨てられるんじゃないかって、思うわけ。いつか、俺との事を朔が若気の至りだって思ったら。嫌なの。」
フッと朔の顔から笑顔が消えた。
『要するに、信用されてないって事か。』
「じゃ、ないけど…不安なんだよ。高校でも1、2を争うイケメンが。なんでまだ俺に…?って」
深いため息がすぐに聞こえた。
『俺の顔と恋愛感情に関係性は無い。この顔じゃなくてもきっと俺は央未が好きだと思うし。』
「イケメンが、もったいないって思うし。」
『勿体ないって、同性を好きだから?』
「あ、…ぅん。」
『でも、央未も俺の事好きじゃん。』
「ぅ…そうだけど。」
『それで、何を考える必要があるのか。俺は分かんないけど。』
返答に困っていると、不意に朔に胸を触られて
体がぴくっと反応してしまう。
『俺なら、もう少し深い所まで知ってから考える。後、単純に央未に気持ち良くなって欲しいから。』
いつもの朔の笑顔を見ると、ホッとする。
指だけからの刺激でも、こんなにも違和感とか込み上げてくる。
ましてや、朔の指だと思うともっと…。
「だめ…、なんぁ…へん…っ」
声、デカって自分で思って顔が熱くなる。
絶妙な触り方してくるんだもん。
だったら、ガッと来てくれればいいのに。
触れるか触れないか。かすめる程の感じが辛い。
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