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とりあえず、その日は要を帰す事に成功してホッとした。
危なかったとは思う。
あんな顔で言われたら、流されててもおかしくない。
一応、友人である事を、要はどう思っているのか。
掴み処が無さ過ぎる。
何か言いたげに、部屋を去っていった要。
フリーな癖に、まったくフリーな感じがしない。
いつまでも、璃端に囚われている事を要はきっと無自覚だ。
代わりにしても良いよ、だなんて情けない優男みたいな事も出来ない。
揺れ動く心に、まだきっと自分の心がついて行けないんだろう。
夜になって、メッセージが要から来た。
つらつらと、綴られていたのは俺への想いとか
璃端を忘れていきたいとあった。
俺は協力もきっと出来そうにない。
要だけ、1人にしぼって交際するという考えがどうにも浮かばない。
そもそも、同性としてどう向き合えばいいのかも分かってない。
暑さのせいで、気の迷い。だとかあまりにも安直である。
きちんと本庄要だけに集中できないだろうし。
めんどくさいから電話した。
言葉なら、肉声の方が察しれる。
『びっくりした、なに?』
「ゃ…。俺は電話の方が好きだし。今大丈夫?」
ベッドに寝そべって、暗い部屋の中で天井を見つめている。
『うん、あとはもう寝るだけ。』
「パジャマ…?」
『…ふふっ、なにそれ?いつもそんな風に女の子にも聞くの?』
笑い声は確かに可愛げがある。
「イヤなら良いよ、言わなくて…。」
一呼吸おいてから聞こえた、
『Tシャツと…パンツだけ。』
躊躇いがちな声。
はー、無意識にトラップ張って来るよな要って。
「エアコンは?」
『つけてるよ、毛布着るからさ。感触が好きなんだよね。』
この暑い中、とは思ったけれど。
「今のは、女の子で想像したわ…。」
『ねー、俺が男だからいけないの…?』
ドキッとする質問だった。
分からない。要が女の子だったらとか思った事も無い。
でも、性別の話をしている訳では無い気がする。
「性別では、なさそう…か。」
『男にだって、胸はあるでしょう?』
目を閉じて想像してみる。
そうだ、中学の着替えの時に見た事が何度もある。
その頃は、ただ要の細さや肌の質感を見てぼんやりと綺麗だとは思っていた。
「なんであるんだろうな、乳首だって…何にも出やしないってのに。」
『ちゃんと気持ちいいのかなぁ?』
くすくす、笑い声が聞こえる。
「知らねー、俺は触る事もほぼないし」
『服に擦れたら、気になるけどね。』
「え、何それエロ…」
『多少はあるよ。』
「今でも、そう?」
何、聞いてるんだろう。
『ん~…今は、寝ちゃってるみたい』
「…触ってみれば?」
これじゃぁ、いかがわしい電話になってしまう。
『ん、今は違うトコ触ってるからぁ…っ♡』
やばい、要の声聞いてたら勃って来た。
横向きになって身を少し屈める。
「お前なぁ、一体ドコさわってんだよ…」
『~…ち…っ、ぁ―……』
めっちゃガサガサと音が聞こえて、多分
携帯放ったのか何なのか。
「かなめー?」
『…ゃ…、』
何事かと気になる。
「大丈夫かよ」
『やばぁい…♡とんじゃった…はぁ…っ、』
意識なのか、それとも精子なのかはさすがに聞きづらい。
「いっぱい出た?要」
『っふ…ぇ?』
「え、イッたんだろ今」
『ぁ―…、えっと、うん…。』
俺の友人のモラルとは…。
いや、俺も悪いんだけどさ。
「満足して無さそう、だけど。」
『あははっ、…んー…そうだね。』
「やっぱり、後ろでされたい?」
『わかんないよ、した事無いんだもん…。』
「だったな。悪い。」
『謝るなよ、なんかみじめ。』
「俺も色々と考えてみるからさ、お前もあんまり思い悩むなよ。」
適当な事を言って、電話を終えた。
ぎこちない手の動きと、要の声のせいで俺もそろそろ果てたかった。
寝る前に、要を使わせてもらった。
俺も友人とは言い難いくらいのクソ野郎だ。
危なかったとは思う。
あんな顔で言われたら、流されててもおかしくない。
一応、友人である事を、要はどう思っているのか。
掴み処が無さ過ぎる。
何か言いたげに、部屋を去っていった要。
フリーな癖に、まったくフリーな感じがしない。
いつまでも、璃端に囚われている事を要はきっと無自覚だ。
代わりにしても良いよ、だなんて情けない優男みたいな事も出来ない。
揺れ動く心に、まだきっと自分の心がついて行けないんだろう。
夜になって、メッセージが要から来た。
つらつらと、綴られていたのは俺への想いとか
璃端を忘れていきたいとあった。
俺は協力もきっと出来そうにない。
要だけ、1人にしぼって交際するという考えがどうにも浮かばない。
そもそも、同性としてどう向き合えばいいのかも分かってない。
暑さのせいで、気の迷い。だとかあまりにも安直である。
きちんと本庄要だけに集中できないだろうし。
めんどくさいから電話した。
言葉なら、肉声の方が察しれる。
『びっくりした、なに?』
「ゃ…。俺は電話の方が好きだし。今大丈夫?」
ベッドに寝そべって、暗い部屋の中で天井を見つめている。
『うん、あとはもう寝るだけ。』
「パジャマ…?」
『…ふふっ、なにそれ?いつもそんな風に女の子にも聞くの?』
笑い声は確かに可愛げがある。
「イヤなら良いよ、言わなくて…。」
一呼吸おいてから聞こえた、
『Tシャツと…パンツだけ。』
躊躇いがちな声。
はー、無意識にトラップ張って来るよな要って。
「エアコンは?」
『つけてるよ、毛布着るからさ。感触が好きなんだよね。』
この暑い中、とは思ったけれど。
「今のは、女の子で想像したわ…。」
『ねー、俺が男だからいけないの…?』
ドキッとする質問だった。
分からない。要が女の子だったらとか思った事も無い。
でも、性別の話をしている訳では無い気がする。
「性別では、なさそう…か。」
『男にだって、胸はあるでしょう?』
目を閉じて想像してみる。
そうだ、中学の着替えの時に見た事が何度もある。
その頃は、ただ要の細さや肌の質感を見てぼんやりと綺麗だとは思っていた。
「なんであるんだろうな、乳首だって…何にも出やしないってのに。」
『ちゃんと気持ちいいのかなぁ?』
くすくす、笑い声が聞こえる。
「知らねー、俺は触る事もほぼないし」
『服に擦れたら、気になるけどね。』
「え、何それエロ…」
『多少はあるよ。』
「今でも、そう?」
何、聞いてるんだろう。
『ん~…今は、寝ちゃってるみたい』
「…触ってみれば?」
これじゃぁ、いかがわしい電話になってしまう。
『ん、今は違うトコ触ってるからぁ…っ♡』
やばい、要の声聞いてたら勃って来た。
横向きになって身を少し屈める。
「お前なぁ、一体ドコさわってんだよ…」
『~…ち…っ、ぁ―……』
めっちゃガサガサと音が聞こえて、多分
携帯放ったのか何なのか。
「かなめー?」
『…ゃ…、』
何事かと気になる。
「大丈夫かよ」
『やばぁい…♡とんじゃった…はぁ…っ、』
意識なのか、それとも精子なのかはさすがに聞きづらい。
「いっぱい出た?要」
『っふ…ぇ?』
「え、イッたんだろ今」
『ぁ―…、えっと、うん…。』
俺の友人のモラルとは…。
いや、俺も悪いんだけどさ。
「満足して無さそう、だけど。」
『あははっ、…んー…そうだね。』
「やっぱり、後ろでされたい?」
『わかんないよ、した事無いんだもん…。』
「だったな。悪い。」
『謝るなよ、なんかみじめ。』
「俺も色々と考えてみるからさ、お前もあんまり思い悩むなよ。」
適当な事を言って、電話を終えた。
ぎこちない手の動きと、要の声のせいで俺もそろそろ果てたかった。
寝る前に、要を使わせてもらった。
俺も友人とは言い難いくらいのクソ野郎だ。
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