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第3章 王都

王宮

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馬に揺られながらしばらくすると王宮の門が見えてきた。侵入者を防ぐために城壁はとても高く5メートルはありそうだ。衛兵はデイヴィス達を一瞥すると声をかけてきた。

「お疲れ様です。ご無事で何よりです。」

「あぁ、ありがとう。」

「失礼ですが、騎士団以外の者について聞きたいのですが。」

「あぁ、まずこの青年はマサトだ。マサトについて陛下にご報告しなければならないことがある。後、マサトの守護者としてAランク冒険者3名がいる。」

「上に報告し、指示を仰いでもよろしいでしょうか。」

「あぁ、速やかに頼む。」

「はっ!それでは少々お待ちください。」

衛兵が門の中へ走っていく。
それを見送るとデイヴィスが雅人の腰に手を回してきた。

「マサト、待たせて悪いな。」

「いや、大丈夫だ。」

「疲れただろう?王宮に着いたら部屋を用意するから一旦休んでくれ。だがその後陛下に謁見をしなければいけないと思うが。」

「あぁ、ありがとう。」

「おい、騎士団長。いつまでマサトの腰を抱いてるんだ。」

「マサトが落ちたら危ないだろう?」

「道中でも散々マサトをいじっていただろ?全部ばれてるからな?」

「別に隠していたつもりは無い。」

「見せつけてたのかよ。」

え?どうしたの?2人とも、なんか顔怖いよ?!ニックやケインも睨んでるしどういうこと?え、ばれてるって何がばれてるんだ?も、もしかして俺が馬に揺られてちょっとだけ、気持ちよくなっちゃったことか?!うわぁ!恥ずかしい!俺絶対変態だと思われたよ!!

「おい、2人とも、衛兵が戻ってきたぞ。」

雅人が間に割り込んで門の方を指差す。遠くから先程の衛兵が走って来ていた。

「大変お待たせいたしました!!許可が降りましたのでどうぞ、お通りください。」

ぞろぞろと一行が入っていく。
門をくぐると、そこはとても美しい場所だった。まず、色とりどりの花々を植えた広く美しい庭を通り、途中で細い道に曲がった。そこで馬を降りる。どうやらこの先は厩舎があるようだ。馬をそこに繋ぐと王宮の中に入った。
白いタイルが光る床をコツコツと靴の音を響かせながら歩く。壁には精巧な彫刻が施され、所々にある絵画はとても精悍な顔をした男性が描かれている。威厳のある佇まいからきっと歴代の王なのだろう。

「とりあえずこの部屋で休んでおいてくれ。陛下に謁見するのはマサト1人だがお前たちはどうする?」

「俺たちは中に入ることもだめなのか?」

「あぁ。」

「なら俺たちは王都にあるギルドに行ってくる。」

「そうか。来る前は連絡してくれ。」

「分かった。……マサト、じゃあまた来るよ。しっかり休めよ?」

「あぁ、ありがとう。」

レオンたちと別れ、雅人はデイヴィスに促され部屋に入った。とても広く、置かれている家具1点1点がとても高価に見える。

俺……天蓋付きベッドなんて初めて見たよ……。

上品な物で埋め尽くされた部屋はゴテゴテしているわけでもなくとてもセンスのいい部屋だった。
雅人はとりあえず中央に置かれているカウチに座る。ふわふわしていてとても心地がよく、すぐに力を抜いて横たわった。

俺、ついに王宮まで来たか……。って言ってもこの世界に来てからまだ1週間しか経ってない。濃すぎる。はぁ、疲れた。色々聞きたいことがあるんだけど神様との連絡手段ってないのか?……1番近いとして教会で言ってた、神託、か……。俺も教会で願えば神様に会えるかな。俺、前世なんで覚えてないんだろ?だんだん記憶が……。やば、ねむい……。
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