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第3章 王都
天使様
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王都に着くと多くの人で賑わっていた。今まで筋肉隆々な人しか見てこなかったので、中肉中背の人を見て安心する。だが、やはり女性がひとりもいないことを確認し、雅人は少し落ち込んだ。
「ちょっと騒がれるが堂々としておけ。」
「ん?どういうことだ?」
後ろのデイヴィスに声をかけられた。雅人は不思議に思っていたが、よりたくさんの人がいる通りに入るとその意味が分かった。
「騎士団様ー!ばんざーい!」
「デイヴィス様ー!!」
「フィル様よくお戻りで!!」
「かっこいい!」
わぁわぁと周りの人が騒ぎ出した。
な、なんだ?!で、デイヴィス様?……そっか!騎士団長だからこの国のお偉いさんだよな。それにデイヴィスもフィルもめちゃくちゃ顔がいいからな…。
「おい!天使様がいるぞ!」
「いや、あれは女神だ!」
「美しい!!」
え?どこどこ?どこにいるの天使様!見てみたい!
雅人はきょろきょろと視線をさまよわせる。前方にいた小さな男の子と目が合った。騎士団に興奮したように頬を紅潮させ目をキラキラとさせていた。
雅人はその様子に可愛いなぁと思いながらふわりと微笑む。
「わぁー!天使様が微笑んだ!」
「天使様の笑顔だ!」
「女神様ー!お綺麗です!!」
「デイヴィス様、天使様とどのような関係なのですかー?!」
え?!天使様微笑んだの?俺も見たい!!
「なぁ、デイヴィス、どこに天使様がいるんだ?俺も見たいんだが。」
デイヴィスは少し目を見開いたあと、わざとらしくため息をついた。
「無自覚か……。」
「無自覚ってなんだ?」
意味のわからないことを言うデイヴィスに少しいらいらしながら雅人が聞く。すると、デイヴィスがするりと腰を撫でたかと思うとそのままぎゅっと雅人を抱きしめた。その瞬間辺りには悲鳴にも近い声が上がる。
「わぁー!!やっぱり天使様はデイヴィス様のものなんですね?!」
「おい!!天使様をもの扱いすんな!きっとデイヴィス様と愛し合っておられるんだ!」
え?天使様とデイヴィスって愛し合ってるの?!
民衆の声に驚いている雅人にフィルが近づいて馬を横に並べた。
「マサト。」
「フィル!どうかしたか?」
フィルがおもむろに雅人の手を取る。そのまま手の甲に唇をよせ軽いリップ音とともにキスをした。
「わぁー!!フィル様も?!」
「やはり天使様だ!万人に愛されておられる!!」
「天使様ばんざーい!!」
「ばんざーい!!」
突如始まった天使様コールにデイヴィスもフィルも苦笑していた。
「おい、デイヴィス、フィル。さっきから言ってる天使様ってどこにいるんだ?俺も見たい。」
「うーん、鏡を見たら見られるんじゃねえか?」
鏡?!て、天使様は比喩かと思ったけど本当に人間じゃないのか?!鏡を見たら現れるってすごいパフォーマンスだな……。
ひとりでふむふむ納得している雅人にデイヴィスとフィルが呆れた。
「絶対分かっていないな……。」
デイヴィスとフィルが顔を見合わせる。
そのまま王宮へと続く道を馬に揺られて歩いていった。
「ちょっと騒がれるが堂々としておけ。」
「ん?どういうことだ?」
後ろのデイヴィスに声をかけられた。雅人は不思議に思っていたが、よりたくさんの人がいる通りに入るとその意味が分かった。
「騎士団様ー!ばんざーい!」
「デイヴィス様ー!!」
「フィル様よくお戻りで!!」
「かっこいい!」
わぁわぁと周りの人が騒ぎ出した。
な、なんだ?!で、デイヴィス様?……そっか!騎士団長だからこの国のお偉いさんだよな。それにデイヴィスもフィルもめちゃくちゃ顔がいいからな…。
「おい!天使様がいるぞ!」
「いや、あれは女神だ!」
「美しい!!」
え?どこどこ?どこにいるの天使様!見てみたい!
雅人はきょろきょろと視線をさまよわせる。前方にいた小さな男の子と目が合った。騎士団に興奮したように頬を紅潮させ目をキラキラとさせていた。
雅人はその様子に可愛いなぁと思いながらふわりと微笑む。
「わぁー!天使様が微笑んだ!」
「天使様の笑顔だ!」
「女神様ー!お綺麗です!!」
「デイヴィス様、天使様とどのような関係なのですかー?!」
え?!天使様微笑んだの?俺も見たい!!
「なぁ、デイヴィス、どこに天使様がいるんだ?俺も見たいんだが。」
デイヴィスは少し目を見開いたあと、わざとらしくため息をついた。
「無自覚か……。」
「無自覚ってなんだ?」
意味のわからないことを言うデイヴィスに少しいらいらしながら雅人が聞く。すると、デイヴィスがするりと腰を撫でたかと思うとそのままぎゅっと雅人を抱きしめた。その瞬間辺りには悲鳴にも近い声が上がる。
「わぁー!!やっぱり天使様はデイヴィス様のものなんですね?!」
「おい!!天使様をもの扱いすんな!きっとデイヴィス様と愛し合っておられるんだ!」
え?天使様とデイヴィスって愛し合ってるの?!
民衆の声に驚いている雅人にフィルが近づいて馬を横に並べた。
「マサト。」
「フィル!どうかしたか?」
フィルがおもむろに雅人の手を取る。そのまま手の甲に唇をよせ軽いリップ音とともにキスをした。
「わぁー!!フィル様も?!」
「やはり天使様だ!万人に愛されておられる!!」
「天使様ばんざーい!!」
「ばんざーい!!」
突如始まった天使様コールにデイヴィスもフィルも苦笑していた。
「おい、デイヴィス、フィル。さっきから言ってる天使様ってどこにいるんだ?俺も見たい。」
「うーん、鏡を見たら見られるんじゃねえか?」
鏡?!て、天使様は比喩かと思ったけど本当に人間じゃないのか?!鏡を見たら現れるってすごいパフォーマンスだな……。
ひとりでふむふむ納得している雅人にデイヴィスとフィルが呆れた。
「絶対分かっていないな……。」
デイヴィスとフィルが顔を見合わせる。
そのまま王宮へと続く道を馬に揺られて歩いていった。
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