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第2章 ギルド

薄幸の美青年sideレオン

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媚薬に侵された雅人は可愛く、溢れんばかりの色気を周囲に放っていた。整っている美しい顔もふにゃりと崩れ、触れただけで声を上げる。理性を総動員させて何とか襲わないようにするが、雅人からのなら仕方ないな。
ニックに弄られて可愛い声をあげる雅人の可愛らしい突起を撫でる。

「俺がいるのも忘れるなよ?」

そう言って雅人の意識をこっちに向けたのに、ニックが雅人の中心を咥えた。あっという間に達し、少し理性が戻ったみたいだ。

ふと、傍観しているケインの様子に気づいた雅人が恥ずかしそうに見るなと言う。……あのケインが照れるとは珍しい。
少し意地悪をしたくなって、ニックと共に雅人を撫でる。力入れずにフェザータッチで刺激した。

中途半端な愛撫に雅人は混乱しているようだった。
イかせてと懇願された時は理性などとうに跡形もなく、無我夢中で雅人をいじった。激しく気をやった雅人はそのまま意識を手放してしまった。

気分が高ぶったまま発散できない熱にどうしようかと考えあぐねていると、頭から冷水を浴びせられた。今回ばかりはニックに感謝をしなければな…。

魔法で体を乾かし、ケインが雅人を抱き上げて移動する。その間もケインは雅人を強く抱きしめたり顔にキスを落としたりした。いつものケインなら考えられないような仕草に驚いたがすぐにそれは嫉妬へと変わる。。そんな言葉が出そうになったが喉で引っかかる。
雅人は俺のものでは無い。さて、どうしようか。

そんなことを考えていると雅人が目を覚ました。ケインに下ろしてくれと頼んだのを見て少し気持ちが穏やかになる。
体の心配をすると、もう大丈夫だと顔を真っ赤にして言われる。あぁ、可愛いな。

「俺たちもがっつきすぎたしな。」

「ごめんね?初めてなのに無理に触っちゃって。」

「初めてじゃ……」

少しムッとした顔で反論しようとして途中でハッとなにかに気づいたような顔をする。

初めてじゃない……?ニックとケインが聞いても雅人は言いたくないとしか答えない。そういえば……雅人の首筋に赤い跡があった。そして、雅人は騎士団に保護される前のことは覚えてないと言う。確信を持ってニックとケインを呼び雅人に聞こえないように話した。

「雅人は多分騎士団でしたんだと思う。」

「どうして?」

「俺が最初に見た時首にキスマークがついていたんだ。それに、雅人は騎士団に拾われる前の記憶がないのに初めては覚えているんだろ?それなら騎士団しかありえなくないか?」

「そうだね……。騎士団か。もしかして無理やりだったんじゃ……」

「確かに騎士団は男しかいないしみんな屈強で性欲も溜まっているだろう。私も無理やり襲われたと思うが。」

「そうだな……。雅人に聞いてみるか……。」

雅人のところに戻り騎士団で酷いことをされていないか聞いた。少し考えるようにどもりながらされていないと答える。

「本当に?無理やりされたんじゃない?……大丈夫だよ?ここには騎士団はいないから。」

「あぁ、酷いことなんてされていないぞ。それに、俺もちょっと怖かったけど、最初だけだったし。無理やりじゃないぞ?」

怖かったけど、最初だけ……?無理やりじゃない?
あぁ、なんて可哀想なんだ。マサト。受け入れなければならないくらいにされたのか?そんなのような扱いを受けていて酷いことはされていないと?
ニックとケインも痛々しい顔をしていた。3人で相談し雅人をギルドに連れ帰ることに決めた。

「マサト、俺たちと一緒にギルドに来ないか?」

「えっ、ギルド?!」

「あぁ、ギルドに行けばとりあえず身分証が作れるし、俺達もいるしな。それに、それならーーー。」

ーーーー騎士団からお前を守ってやれる。

そう言おうとしてやめた。雅人は全く騎士団を疑っていないし、むしろ慕っている。そうさせた騎士団にまたふつふつと怒りが湧いてきた。

「?それなら、なんだ?」

「……いや、それなら騎士団を探しやすいかもなと思っただけだ。」

「そうか……!それならギルドに行きたい。」

雅人に拒まれないように嘘をつく。
もう大丈夫だ。マサト。ギルドに一緒に行けばお前を守ってやれる。騎士団になんか渡さない。そんな性奴隷のような生活はしてはいけない。
俺が、守ってやる。
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