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第2章 ギルド
出会い
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スポーン!
雅人が穴から抜けると、まるで遊ぶように振り回される。
……や、やめてくれぇ……酔うぞ……吐くからな……ていうか木が動くなよ……。
ザシュッ!
急に脚が軽くなり空中に身を投げ出される。地面に落ちると思ってぎゅっと目をつむった雅人をふわっと誰かが抱きとめた。だが、前世の絶叫系アトラクション顔負けの動きを体験した雅人はそのまま気を失った。
「…………い、おい!大丈夫?」
「……ん、ん?」
雅人がゆっくりと瞼をあげるとそこには筋肉質の美形がいた。硬質な銀髪に瞳は燃えるような赤だった。
「……お前、騎士?」
「え?」
ここで隊服を着ていたことを思い出す。
「いや、違う。これは借り物でな。それより助けてくれたのか、ありがとう。」
「当然のことをしたまでだよ。俺はレオン。冒険者をしてる。お前は?」
「俺はマサト。なぁ、ここってどこか分かるか?」
「ここは、ダンジョンだ。」
「……は?」
……え?だんじょん?ダンジョンってあれだよな魔物とか湧いてくるやつ。なんか宝箱でアイテムゲットみたいな。………………なんで俺ダンジョンにいんの?
「お前はどっから来たんだ?」
「俺は急にその木のツルに足引っ張られて、気づいたらここにいた。」
それから雅人は騎士団に拾われたことと魔物討伐のことをレオンに話した。
「マサトは騎士団に拾われる前のことを覚えてないの?」
…………これは覚えてないことにした方が良いよな?
「あ、あぁ。……なにも。」
「…………そうか。」
一瞬レオンが悲しそうな顔をする。それから誰かを呼びに行った。
「俺のパーティーを紹介するよ。」
「え?ひとりじゃないのか?」
「ダンジョンにひとりで挑むなんてそんな馬鹿なやつはいないな。」
「やぁ。僕はニック。君の治療をしたんだ。よろしくね。」
「あぁ、ありがとう。」
薄い水色の髪に若葉色の瞳を持った青年が言う。優しそうな雰囲気だ。
「私はケインだ。魔導士だ。」
青みがかった紫の髪にグレーの瞳を持った青年だ。ローブを着ているためか怪しげな雰囲気を醸し出している。
「魔導士?魔法が使えるのか!」
……あれ?なんでみんなこっち見て驚いてるんだ?
「魔法なら私でなくてもレオンやニックにだって使えるぞ?レオンは火属性が一流だし、ニックは水属性でお前の治療もニックの魔法だぞ?それに生活魔法くらいなら誰でも使えるだろう。」
「え?あ、あぁ。そうだよな。ははは……」
するとじっとケインがマサトを見つめる。
「ん?鑑定してるのか?ケイン。」
「あぁ。………………お前、魔法が使えないのか。」
ビクッと雅人の体がはねる。
…………やっぱり使えないのかぁー。使いたかったなぁ。別に剣の才能あるだけ嬉しいけど。
「…………大丈夫だよ?魔法が使えなくたって僕たちが守ってあげる。ねえ、名前を教えて?」
「そ、そういえばまだだったな。俺はマサトだ。よろしくな。…………それと、守ってもらわなくても大丈夫だ。魔法は使えないが俺は剣を使えるからな。」
「本当か?実は俺のパーティーにはもう1人剣士がいたんだがニックでも直せない怪我を負ってな、離脱したんだ。だから、俺たちと一緒に来ないか?というのも、ここはダンジョンの中腹でな、ここから出るにしても1人だと危ない。俺達もできる限り守るから一緒に来た方がいい。」
「え、いいのか?ありがとう。」
ニコッと微笑んだ雅人に3人の動きが一瞬止まったが何事もなかったかのように進み出した。
雅人が穴から抜けると、まるで遊ぶように振り回される。
……や、やめてくれぇ……酔うぞ……吐くからな……ていうか木が動くなよ……。
ザシュッ!
急に脚が軽くなり空中に身を投げ出される。地面に落ちると思ってぎゅっと目をつむった雅人をふわっと誰かが抱きとめた。だが、前世の絶叫系アトラクション顔負けの動きを体験した雅人はそのまま気を失った。
「…………い、おい!大丈夫?」
「……ん、ん?」
雅人がゆっくりと瞼をあげるとそこには筋肉質の美形がいた。硬質な銀髪に瞳は燃えるような赤だった。
「……お前、騎士?」
「え?」
ここで隊服を着ていたことを思い出す。
「いや、違う。これは借り物でな。それより助けてくれたのか、ありがとう。」
「当然のことをしたまでだよ。俺はレオン。冒険者をしてる。お前は?」
「俺はマサト。なぁ、ここってどこか分かるか?」
「ここは、ダンジョンだ。」
「……は?」
……え?だんじょん?ダンジョンってあれだよな魔物とか湧いてくるやつ。なんか宝箱でアイテムゲットみたいな。………………なんで俺ダンジョンにいんの?
「お前はどっから来たんだ?」
「俺は急にその木のツルに足引っ張られて、気づいたらここにいた。」
それから雅人は騎士団に拾われたことと魔物討伐のことをレオンに話した。
「マサトは騎士団に拾われる前のことを覚えてないの?」
…………これは覚えてないことにした方が良いよな?
「あ、あぁ。……なにも。」
「…………そうか。」
一瞬レオンが悲しそうな顔をする。それから誰かを呼びに行った。
「俺のパーティーを紹介するよ。」
「え?ひとりじゃないのか?」
「ダンジョンにひとりで挑むなんてそんな馬鹿なやつはいないな。」
「やぁ。僕はニック。君の治療をしたんだ。よろしくね。」
「あぁ、ありがとう。」
薄い水色の髪に若葉色の瞳を持った青年が言う。優しそうな雰囲気だ。
「私はケインだ。魔導士だ。」
青みがかった紫の髪にグレーの瞳を持った青年だ。ローブを着ているためか怪しげな雰囲気を醸し出している。
「魔導士?魔法が使えるのか!」
……あれ?なんでみんなこっち見て驚いてるんだ?
「魔法なら私でなくてもレオンやニックにだって使えるぞ?レオンは火属性が一流だし、ニックは水属性でお前の治療もニックの魔法だぞ?それに生活魔法くらいなら誰でも使えるだろう。」
「え?あ、あぁ。そうだよな。ははは……」
するとじっとケインがマサトを見つめる。
「ん?鑑定してるのか?ケイン。」
「あぁ。………………お前、魔法が使えないのか。」
ビクッと雅人の体がはねる。
…………やっぱり使えないのかぁー。使いたかったなぁ。別に剣の才能あるだけ嬉しいけど。
「…………大丈夫だよ?魔法が使えなくたって僕たちが守ってあげる。ねえ、名前を教えて?」
「そ、そういえばまだだったな。俺はマサトだ。よろしくな。…………それと、守ってもらわなくても大丈夫だ。魔法は使えないが俺は剣を使えるからな。」
「本当か?実は俺のパーティーにはもう1人剣士がいたんだがニックでも直せない怪我を負ってな、離脱したんだ。だから、俺たちと一緒に来ないか?というのも、ここはダンジョンの中腹でな、ここから出るにしても1人だと危ない。俺達もできる限り守るから一緒に来た方がいい。」
「え、いいのか?ありがとう。」
ニコッと微笑んだ雅人に3人の動きが一瞬止まったが何事もなかったかのように進み出した。
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