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第1章 騎士団

団長副団長

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「おかえり。綺麗になったな。」

「……ただいま。」

「デイヴィス、ちょっといいか?」

「ん?なんだ、フィル。」

デイヴィスとフィルはぎりぎり雅人に聞こえない距離で話し始める。

……へぇ、2人で仲良く内緒話ですか。別に拗ねてないからな!……とにかく周りの視線が痛い。フィルはああ言ってくれたが実際他の団員たちがどう思ってるかなんて分からないしな。

「……はぁ。」

ため息と共に漏れる色気に団員たちは目が離せなくなっていることに気がつかない。

「……マサト。ちょっと話したいことがあるんだ。」

「わかった。着いていくよ。」

「あぁ、ありがとう。」

ガシッと両腕を2人に掴まれる。

……ん?なんかこの絵面は嫌だぞ?なんだろうなんて言うかなこの感じ。あっ!わかった。とらわれた宇宙人じゃねえか!いくら俺の身長が170あろうと、両隣が190越えなら意味がない。く、悔しい。

そうこうしているうちに、団長たち専用のテントへついた。雅人がさっき寝ていたところだ。魔物の死体はとうになくなっていた。

「……あぁ、魔物か?あいつは君が綺麗に殺してくれたおかげで良い素材が手に入ったよ。」

「そ、そうか。良かった。」

「さ、入ってくれ。」

「あ、あぁ……」

デイヴィスたちに促され先にテントへ入る。奥まで進み、立ち止まって振り返る。

「……っ!」

デイヴィスの顔が近くにあり、気がついたら抱きしめられていた。いつの間にかフィルが後ろにまわり、雅人を挟むようにして2人は抱きしめる。

「……マサト」

「な、なんだ!この体制はよさないか?こんな近づかなくても聞こえるだろう?!」

「マサト……ごめんな。そんな風に思ってたなんて知らなかった。フィルから聞いた。」

「そんな風って……あぁ、別にいいんだ。俺がそっちの立場だったとしても、俺自身のこと怪しいヤツだと思うだろうしな。」

「違う!俺たちはそんなこと思ってない!俺たちは……」

「いいんだって。別に。追い出されたって俺はデイヴィスたちのことは絶対に恨まないから。……できれば隊服はこのまま借りていきたいけどな!」

雅人は冗談を言うように笑ってみせた。デイヴィスとフィルは痛ましいものを見るように雅人を見つめる。次の瞬間、雅人の唇を何かが覆った。

……ん?なんか唇に当たってね?あれ?こんなデイヴィスの顔近かったっけ?吸い込まれそうな瞳だ……。………………って!違う!こ、これ、絶対キキキキキスされてるよな?!嘘だろ?!俺したことないのに!!!ファーストキスが男ととか!うわぁ!唇はむはむすんな!泣きそう……

「んーん!んん!!!……っ!離せって言ってんだろ!」

「聞こえなかったが。」

「デイヴィス!!……何するんだ……は、初めてなのに、あんな……。」

顔を火照らせ目に涙を浮かべる。後ろから喉がなる音が聞こえた。

「マサト。」

「なんだよ?!……っ!」

フィルにも唇を奪われ目を見開く。

な、なんでフィルまで……。セカンドキスは女の子とって思った瞬間に奪われるとか……。

「ふぅ……ん、んぅ?!んぁ……んむ……んん!」

し、舌が入ってきたんだが!うっそだろ?!俺なんでベロチューまで奪われてるわけ?!

「いゃ……はなっ……んっ!んぅ!」

バシバシとフィルの胸を叩く。

「おい、フィルやめてやれ。マサトが苦しそうだ。」

「……ちっ、お前が先に奪ったんだろうが。」

「もともと俺が見つけたんだ。」

「………おい、マサト大丈夫か?」

「……大丈夫なわけないだろう…………。」

「俺たちはマサトが嫌でこんなことをしたわけじゃないんだ。嫌がらせでもない。俺たちは君にここにいて欲しいから。一緒にいてくれないか。そして一緒に王都に行こう。俺たちは誰も君を怪しいヤツだと思っていない。会ったばかりだが、信用している。」

「あぁ、俺もデイヴィスと同じだ。お前と一緒にいたい。」

「……いい、のか?」

「あぁ。」

「ありがとう。」

……なんていいヤツらなんだ。拾ってくれたのがデイヴィスで良かった……。
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