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本編

友達だけどside柿本

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最初の印象は正直言ってほぼない。ただの後ろの席のクラスメイト。

「柿本、おはよう。」

今まで話したことなんかなかったのに急に挨拶をしてきた。まぁ、せっかく同じクラスなんだし、仲良くなれたら嬉しい。

体育の更衣時間、俺の隣に楠野が来た。俺の筋肉を褒めてくる。

「俺全然筋肉つかなくてさー。」

そう言いながら自分の腹をさする。日に焼けていないそこは真っ白で男らしい筋肉もなく、うっすらとした縦の筋を指でなぞっていく。

艶めかしく見えてしまい思わず楠野の腰を掴んでしまった。

「ひゃっ!急に掴むなって!!」

思ったよりも細くて妙な気分になってしまう。多分楠野の出した声も原因だ。

美術の時間。ペアで絵を描くことになって、せっかくだから楠野を誘った。

楠野は絵が上手かった。写真のようにとまでは言わないが、一目見て俺だと分かる特徴を捉えられている。

この後に俺が見せるのか……。案の定こいつは俺の絵を見て笑いやがった。確かに俺っぽくないのは分かっているが、笑うなと前置きしたのにも関わらず大笑いだ。

「確かに意外だとは思うけど、俺はこの絵、可愛くて好き!」

ドクリと心臓が鳴った。初めて言われた。俺の絵が好きなんて。やばい、嬉しい。

俺が真辺に友達だと紹介した時のあいつは嬉しそうだった。そんなに喜ばれるとなんというか、くすぐったい感じがする。

そんな風に仲良くなってご飯を一緒に食べたり勉強を教えあったりした。

そんな時、事件は起こった。

楠野の忘れ物を一緒に取りに行った時、廊下が騒がしくなった。あいつらは、ラブラブカップルで有名だ。ラブラブと言ってもいつでもどこでもR18な雰囲気で有名なのだ。

そんな奴らが放課後、誰もいない教室に来る理由はひとつ。俺は咄嗟に楠野の手を引いてロッカーに隠れた。

隠れてから気づく。これ、隠れなくても堂々としてればあいつらがおっぱじめることはなかったんじゃねえか?

ロッカーに隠れたは良いものの想像以上の狭さにもぞもぞと身じろいでしまう。

「う、くっ、……」

「ひっ?!う、あぁ……」

「あ、あん!」

いつもとは違う甘い声を響かせる楠野に段々と下腹部に熱が溜まっていくのがわかる。

「動かないでって言ったのにぃ……」

顔を真っ赤にさせてうるうるとした瞳で見上げてくる楠野により急速に中心の熱が膨れ上がるのがわかる。

「勃ったのか?」

そう言いながら思わず楠野の股間を撫でてしまった。

「ひぁぁ!」

ダメだろ。そんなに可愛い声で、顔で俺を見たら止められないだろ。

ゆっくりと楠野のモノを取り出す。そこは真っ赤に張り詰めていて雫をこぼしていた。

楠野の視線が下で止まる。どうやら俺が勃起しているのに気づいたらしい。可愛くてくすりと笑ってしまう。

「あん、な、なんでッ……と、もだち、なのに……」

「友達でも抜きあいっこくらいするだろ?」

イきそうになって激しく責め立てる。同時に達したことによく分からない達成感が生まれた。

楠野は急いでロッカーを出て走って行ってしまった。

「やばいな……。」

きっと今の俺は顔が赤いだろうな。

まさか、楠野を好きになるとは思わなかった。はぁ、やばい。今はもう、楠野が可愛く見えて仕方ない。

楠野は俺をそういう意味で好きではないだろうな。

──────────まぁ、逃がさないけど。
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