俺の平凡な学生生活は本日終了いたしました。

bull

文字の大きさ
上 下
10 / 18
本編

友達だけどside柿本

しおりを挟む
最初の印象は正直言ってほぼない。ただの後ろの席のクラスメイト。

「柿本、おはよう。」

今まで話したことなんかなかったのに急に挨拶をしてきた。まぁ、せっかく同じクラスなんだし、仲良くなれたら嬉しい。

体育の更衣時間、俺の隣に楠野が来た。俺の筋肉を褒めてくる。

「俺全然筋肉つかなくてさー。」

そう言いながら自分の腹をさする。日に焼けていないそこは真っ白で男らしい筋肉もなく、うっすらとした縦の筋を指でなぞっていく。

艶めかしく見えてしまい思わず楠野の腰を掴んでしまった。

「ひゃっ!急に掴むなって!!」

思ったよりも細くて妙な気分になってしまう。多分楠野の出した声も原因だ。

美術の時間。ペアで絵を描くことになって、せっかくだから楠野を誘った。

楠野は絵が上手かった。写真のようにとまでは言わないが、一目見て俺だと分かる特徴を捉えられている。

この後に俺が見せるのか……。案の定こいつは俺の絵を見て笑いやがった。確かに俺っぽくないのは分かっているが、笑うなと前置きしたのにも関わらず大笑いだ。

「確かに意外だとは思うけど、俺はこの絵、可愛くて好き!」

ドクリと心臓が鳴った。初めて言われた。俺の絵が好きなんて。やばい、嬉しい。

俺が真辺に友達だと紹介した時のあいつは嬉しそうだった。そんなに喜ばれるとなんというか、くすぐったい感じがする。

そんな風に仲良くなってご飯を一緒に食べたり勉強を教えあったりした。

そんな時、事件は起こった。

楠野の忘れ物を一緒に取りに行った時、廊下が騒がしくなった。あいつらは、ラブラブカップルで有名だ。ラブラブと言ってもいつでもどこでもR18な雰囲気で有名なのだ。

そんな奴らが放課後、誰もいない教室に来る理由はひとつ。俺は咄嗟に楠野の手を引いてロッカーに隠れた。

隠れてから気づく。これ、隠れなくても堂々としてればあいつらがおっぱじめることはなかったんじゃねえか?

ロッカーに隠れたは良いものの想像以上の狭さにもぞもぞと身じろいでしまう。

「う、くっ、……」

「ひっ?!う、あぁ……」

「あ、あん!」

いつもとは違う甘い声を響かせる楠野に段々と下腹部に熱が溜まっていくのがわかる。

「動かないでって言ったのにぃ……」

顔を真っ赤にさせてうるうるとした瞳で見上げてくる楠野により急速に中心の熱が膨れ上がるのがわかる。

「勃ったのか?」

そう言いながら思わず楠野の股間を撫でてしまった。

「ひぁぁ!」

ダメだろ。そんなに可愛い声で、顔で俺を見たら止められないだろ。

ゆっくりと楠野のモノを取り出す。そこは真っ赤に張り詰めていて雫をこぼしていた。

楠野の視線が下で止まる。どうやら俺が勃起しているのに気づいたらしい。可愛くてくすりと笑ってしまう。

「あん、な、なんでッ……と、もだち、なのに……」

「友達でも抜きあいっこくらいするだろ?」

イきそうになって激しく責め立てる。同時に達したことによく分からない達成感が生まれた。

楠野は急いでロッカーを出て走って行ってしまった。

「やばいな……。」

きっと今の俺は顔が赤いだろうな。

まさか、楠野を好きになるとは思わなかった。はぁ、やばい。今はもう、楠野が可愛く見えて仕方ない。

楠野は俺をそういう意味で好きではないだろうな。

──────────まぁ、逃がさないけど。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

処理中です...