俺の平凡な学生生活は本日終了いたしました。

bull

文字の大きさ
上 下
8 / 18
本編

ハプニング

しおりを挟む
それから何回か話しかけたりしたが、好感度はまったく上がらなかった。というより機械音声が聞こえない。

これは友達になったからか?まぁ、機械音声が聞こえないならこれ以上のことは無い。

放課後、せっかく友達になったことだし、苦手な文系科目を柿本に教えてもらうことにした。
空き教室に行くと既に柿本と真辺が勉強を始めていた。

「もう、やってるじゃん。俺も教えて!」

「おう。代わりに俺に数学教えてくれ。」

「あ、楠野、俺化学教えて欲しい!」

「おーけー」

柿本の教え方はとてもわかりやすい。ちなみに今も機械音声は聞こえない。

うーん、確実に仲良くなってるはずなんだけどなー。多分50%が上限ってことは無いだろうし、100%まであるのに半分までしかいかないってなんか寂しいな……。

「よし、じゃあ今日はここまでにするか。」

「そうだな。」

「あぁ!教室に忘れ物したわ。」

明日提出しなければいけない課題が机の中に入れっぱなしだった気がする。

「ちょっと取りに行ってくる。」

「あー、じゃあ俺も行くわ。」

「俺は今日用事あるから帰るね。」

なぜか柿本と2人で取りに行くことになった。別にいいけど。

教室に入ると誰もいなかった。俺の席は窓側の1番後ろ、ロッカーの前の席なのでそこに取りに行く。

ふと、廊下が騒がしくなった。なんだろう。そう思ってるうちにグイッと腕を引っ張られる。

背中スレスレにバタンっと扉が閉まる音がする。

俺は柿本に抱き抱えられるようにしてロッカーの中に入っていた。柿本の膝が俺の股の下にあって、当たってはないが、少しだけ怖い。

「……おい。……柿本。なんでこんな中入ったんだよ。俺もう出るぞ……狭いし。」

「……まぁ、ちょっと待てって。今出たら確実にやばいぞ。それにロッカーに隠れたのは廊下から来たやつに鉢合わせしないようにするためだよ。」

教室に入ってきたやつを見るためにロッカーの隙間を除く。微かな声が拾えた。

「───大好きだよ♡」

「ふふ、僕も好き!」

「本当に可愛いなぁお前は。」

「ねぇ、僕熱くなってきちゃったなぁ♡」

「ほんとだ。ここ、熱くなってるね♡」

背の高い男が小さな男の首筋を舐めている。手は股間をまさぐっているようにも見える。

って、まさかここでおっぱじめる気か?!

夢中になって教室を見ていると熱い息が項を撫でぞくりとした。

「か、柿本?」

「あんまり、見ない方がいいんじゃね?」

「そ、そうだな。」

「これ、終わるまで出れないね?」

柿本が身じろいだのか、膝が持ち上がり俺の股間を擦った。

「ッ?!」

思わず柿本を見上げる。

『対象を確認致しました。──────只今の好感度50%。好感度を上昇させるために接触してください。』

なんで、今なんだよぉぉぉぉぉぉ!
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

総長の彼氏が俺にだけ優しい

桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、 関東で最強の暴走族の総長。 みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。 そんな日常を描いた話である。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

隠れヤンデレは自制しながら、鈍感幼なじみを溺愛する

知世
BL
大輝は悩んでいた。 完璧な幼なじみ―聖にとって、自分の存在は負担なんじゃないか。 自分に優しい…むしろ甘い聖は、俺のせいで、色んなことを我慢しているのでは? 自分は聖の邪魔なのでは? ネガティブな思考に陥った大輝は、ある日、決断する。 幼なじみ離れをしよう、と。 一方で、聖もまた、悩んでいた。 彼は狂おしいまでの愛情を抑え込み、大輝の隣にいる。 自制しがたい恋情を、暴走してしまいそうな心身を、理性でひたすら耐えていた。 心から愛する人を、大切にしたい、慈しみたい、その一心で。 大輝が望むなら、ずっと親友でいるよ。頼りになって、甘えられる、そんな幼なじみのままでいい。 だから、せめて、隣にいたい。一生。死ぬまで共にいよう、大輝。 それが叶わないなら、俺は…。俺は、大輝の望む、幼なじみで親友の聖、ではいられなくなるかもしれない。 小説未満、小ネタ以上、な短編です(スランプの時、思い付いたので書きました) 受けと攻め、交互に視点が変わります。 受けは現在、攻めは過去から現在の話です。 拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。 宜しくお願い致します。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

処理中です...