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本編

ハプニング

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それから何回か話しかけたりしたが、好感度はまったく上がらなかった。というより機械音声が聞こえない。

これは友達になったからか?まぁ、機械音声が聞こえないならこれ以上のことは無い。

放課後、せっかく友達になったことだし、苦手な文系科目を柿本に教えてもらうことにした。
空き教室に行くと既に柿本と真辺が勉強を始めていた。

「もう、やってるじゃん。俺も教えて!」

「おう。代わりに俺に数学教えてくれ。」

「あ、楠野、俺化学教えて欲しい!」

「おーけー」

柿本の教え方はとてもわかりやすい。ちなみに今も機械音声は聞こえない。

うーん、確実に仲良くなってるはずなんだけどなー。多分50%が上限ってことは無いだろうし、100%まであるのに半分までしかいかないってなんか寂しいな……。

「よし、じゃあ今日はここまでにするか。」

「そうだな。」

「あぁ!教室に忘れ物したわ。」

明日提出しなければいけない課題が机の中に入れっぱなしだった気がする。

「ちょっと取りに行ってくる。」

「あー、じゃあ俺も行くわ。」

「俺は今日用事あるから帰るね。」

なぜか柿本と2人で取りに行くことになった。別にいいけど。

教室に入ると誰もいなかった。俺の席は窓側の1番後ろ、ロッカーの前の席なのでそこに取りに行く。

ふと、廊下が騒がしくなった。なんだろう。そう思ってるうちにグイッと腕を引っ張られる。

背中スレスレにバタンっと扉が閉まる音がする。

俺は柿本に抱き抱えられるようにしてロッカーの中に入っていた。柿本の膝が俺の股の下にあって、当たってはないが、少しだけ怖い。

「……おい。……柿本。なんでこんな中入ったんだよ。俺もう出るぞ……狭いし。」

「……まぁ、ちょっと待てって。今出たら確実にやばいぞ。それにロッカーに隠れたのは廊下から来たやつに鉢合わせしないようにするためだよ。」

教室に入ってきたやつを見るためにロッカーの隙間を除く。微かな声が拾えた。

「───大好きだよ♡」

「ふふ、僕も好き!」

「本当に可愛いなぁお前は。」

「ねぇ、僕熱くなってきちゃったなぁ♡」

「ほんとだ。ここ、熱くなってるね♡」

背の高い男が小さな男の首筋を舐めている。手は股間をまさぐっているようにも見える。

って、まさかここでおっぱじめる気か?!

夢中になって教室を見ていると熱い息が項を撫でぞくりとした。

「か、柿本?」

「あんまり、見ない方がいいんじゃね?」

「そ、そうだな。」

「これ、終わるまで出れないね?」

柿本が身じろいだのか、膝が持ち上がり俺の股間を擦った。

「ッ?!」

思わず柿本を見上げる。

『対象を確認致しました。──────只今の好感度50%。好感度を上昇させるために接触してください。』

なんで、今なんだよぉぉぉぉぉぉ!
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