俺の平凡な学生生活は本日終了いたしました。

bull

文字の大きさ
上 下
7 / 18
本編

俺ら友達

しおりを挟む
『対象を確認致しました。──────只今の好感度45%。好感度を上昇させるために接触してください。』

昨日の朝は言われなかったのになぜか今日の朝は言われてしまった。どうしよう。
できるだけ自動モードにはさせたくないんだけど。

「おはよう、楠野。」

「お、おはよ!」

今日はまさかの柿本から挨拶してくれた。
でもこれって接触になるのか?

「あれ、柿本と楠野って仲良かったっけ?」

柿本と仲のいい真辺優気が話しかけてきた。こいつもイケメンだ。
あれか、イケメンの周りにはイケメンしか集まらないのか。それなら俺が柿本と仲良いのは不思議だよな。

「あぁ、楠野とは友達だ。」

「え?友達?」

「なんだよ、俺と友達は嫌なのか?」

「い、いや、嬉しいよ!」

「ふ、そうか、良かったよ。」

俺と柿本は友達だったのか……。

『お疲れ様でした。──────只今の好感度50%。現在''友達''です。』

やっと50%……。50で友達ならこれから上げていったら親友?とか?
でも親友ってそんな短期間になれるもんじゃなくね?うーん……。


午前の授業が終わり、昼食の時間になった。
いつもの友達のところに行こうとして、声がかかった。

「楠野、今日はお前も一緒に食わね?」

「え、いいの?」

「あぁ、せっかく友達になったんだし。」

「じゃあ一緒に食べる!」

昼食を一緒にとることになり、ガタガタと教室の机を動かす。今日は俺と柿本と真辺の3人みたいだ。

イケメンとイケメンに挟まれて食べるのはなかなか無い体験である。

しかし不思議なのがこの絶好の機会にいつもの機械音声が聞こえないのだ。
うーん、50%が上限って言う訳でもないよな?
友達になったからクリア?

「どうした?楠野、難しい顔して。」

「え?いや、なんでもないけど。」

「そうか?ここ、眉間に皺がよってたぞ?」

そう言って柿本がグリグリと眉間を押してくる。

「おい、痛えよ!」

「怒んなよ、悪かったって。」

「いやー、楠野ってこんなキャラだったんだな。そりゃ柿本とも仲良くなるわー。」

「まぁ、俺がしつこく話しかけたし。」

「そうそう、こいつ俺の事大好きだから。」

「うーん、大好きではない。」

「ちっ、なんだよー。」

なんで俺が柿本のこと大好きなんだよ。
機械音声によって強制的だっつぅの。しかもこいつイケメンだし。

こうして何事もなく昼休みが終わった。

あれ?好感度上がってそうなのに上がらないの?おーい機械音声さーん、俺頑張ったんですけどぉ?
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王

ミクリ21
BL
姫が拐われた! ……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。 しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。 誰が拐われたのかを調べる皆。 一方魔王は? 「姫じゃなくて勇者なんだが」 「え?」 姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

騎士団長を咥えたドラゴンを団長の息子は追いかける!!

ミクリ21
BL
騎士団長がドラゴンに咥えられて、連れ拐われた! そして、団長の息子がそれを追いかけたーーー!! 「父上返せーーー!!」

失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった

無月陸兎
BL
ホタル祭で夜にホタルを見ながら友達に告白しようと企んでいた俺は、浮かれてムードの欠片もない山道で告白してフラれた。更には足を踏み外して崖から落ちてしまった。 そこで出会った山の主の熊さんと会い俺は熊さんの嫁になった──。 チョロくてちょっぴりおつむが弱い主人公が、ひたすら自分の旦那になった熊さん好き好きしてます。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

処理中です...