俺の平凡な学生生活は本日終了いたしました。

bull

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本編

俺ら友達

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『対象を確認致しました。──────只今の好感度45%。好感度を上昇させるために接触してください。』

昨日の朝は言われなかったのになぜか今日の朝は言われてしまった。どうしよう。
できるだけ自動モードにはさせたくないんだけど。

「おはよう、楠野。」

「お、おはよ!」

今日はまさかの柿本から挨拶してくれた。
でもこれって接触になるのか?

「あれ、柿本と楠野って仲良かったっけ?」

柿本と仲のいい真辺優気が話しかけてきた。こいつもイケメンだ。
あれか、イケメンの周りにはイケメンしか集まらないのか。それなら俺が柿本と仲良いのは不思議だよな。

「あぁ、楠野とは友達だ。」

「え?友達?」

「なんだよ、俺と友達は嫌なのか?」

「い、いや、嬉しいよ!」

「ふ、そうか、良かったよ。」

俺と柿本は友達だったのか……。

『お疲れ様でした。──────只今の好感度50%。現在''友達''です。』

やっと50%……。50で友達ならこれから上げていったら親友?とか?
でも親友ってそんな短期間になれるもんじゃなくね?うーん……。


午前の授業が終わり、昼食の時間になった。
いつもの友達のところに行こうとして、声がかかった。

「楠野、今日はお前も一緒に食わね?」

「え、いいの?」

「あぁ、せっかく友達になったんだし。」

「じゃあ一緒に食べる!」

昼食を一緒にとることになり、ガタガタと教室の机を動かす。今日は俺と柿本と真辺の3人みたいだ。

イケメンとイケメンに挟まれて食べるのはなかなか無い体験である。

しかし不思議なのがこの絶好の機会にいつもの機械音声が聞こえないのだ。
うーん、50%が上限って言う訳でもないよな?
友達になったからクリア?

「どうした?楠野、難しい顔して。」

「え?いや、なんでもないけど。」

「そうか?ここ、眉間に皺がよってたぞ?」

そう言って柿本がグリグリと眉間を押してくる。

「おい、痛えよ!」

「怒んなよ、悪かったって。」

「いやー、楠野ってこんなキャラだったんだな。そりゃ柿本とも仲良くなるわー。」

「まぁ、俺がしつこく話しかけたし。」

「そうそう、こいつ俺の事大好きだから。」

「うーん、大好きではない。」

「ちっ、なんだよー。」

なんで俺が柿本のこと大好きなんだよ。
機械音声によって強制的だっつぅの。しかもこいつイケメンだし。

こうして何事もなく昼休みが終わった。

あれ?好感度上がってそうなのに上がらないの?おーい機械音声さーん、俺頑張ったんですけどぉ?
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