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本編

挨拶するクラスメイト

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『おはようございます。本日は25℃、曇りです。』

『対象を確認致しました。──────只今の好感度2%。好感度を上昇させるために接触してください。』

「おはよう、柿本。」

「あぁ、おはよう。」

『お疲れ様でした。──────只今の好感度3%。この調子で頑張ってください。』

今日は自動モードになる前に挨拶をした。もし自動モードになったら何をされるか分からない。怖い。

それより昨日は2%上がったのに今日は1%か……。挨拶だけじゃ厳しいか?

っていうかなんで好感度上げないと行けないんだ?しかも男の!イケメンだし!


昨日から日中は柿本に合わないように避けまくっている。幸いうちの学校は単位制で、自分に必要な教科の授業を受けられる。俺は理系で柿本は文系だからほぼ関わらないのだ。

昨日は一緒の授業がなかった。しかし今日は体育がある。残念ながら体育はクラス別に受けるので一緒なのだ。

体育の時間になり体操服を持って更衣室に向かった。行くのが遅かったようで空いているロッカーがひとつしかない。

一つだけ空いていた端のロッカーに荷物を入れる。ふと、隣を見ると、柿本だった。

『対象を確認致しました。──────只今の好感度3%。好感度を上昇させるために接触してください。』

くっ、来たか。

「よ、よぉ!柿本!」

「ん?あぁ、楠野か。最近よく話してくるな?」

「挨拶だけだろ?それにロッカー、ここしか空いてなかったし。」

「確かにそうだな。」

『只今の好感度3%。接触してください。』

いやいやいや待ってくれ。今接触しただろうが。なんで好感度上がらないんだよ。

『接触してください。』

まぁ、確かに挨拶だけでそんなポンポン好感度上がらないよな……。まずい、どうすれば……。

『行動を起こさなかったため、自動モードに移ります。』

嘘だ!嫌だ嫌だァァァァァ!!

「柿本、お前筋肉すごいな?」

柿本は今上裸だ。綺麗に筋肉がついており、所謂細マッチョだ。

「そうか?ありがとう。」

「いや、俺全然筋肉つかなくてさー。」

自分も上裸になり腹をさする。太っている訳では無いが、ぺらぺらの体を見せるのは恥ずかしい。

おいおいおい、もうやめろよぉ!柿本もこんなクラスメイトのぺらっぺらの体見たくないって!

「うわ、楠野お前腰細いな。」

急にガシッと柿本が俺の腰を掴んだ。

「ひゃっ!急に掴むなって!!」

「はは、悪かったよ。」

そう言いながら着替え終わって体育に向かう。

『お疲れ様でした。──────只今の好感度13%。この調子で頑張ってください。』

おお、やったー!10%も上がった!じゃねえよ!くっそ、何がひゃっ!だよ!

俺の、俺の心はもうボロボロです……。
俺の意思じゃねえからな!
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