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本編
お久しぶりです。
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マリィちゃんのお店は王都に変わらずあった。中に入るとフリフリの服を着たムキムキの男性が迎えてくれた。
「きゃああっ!シーア君じゃない!!」
「お久しぶりです!マリィちゃん!!」
「まぁ、名前も覚えててくれたのね?!相変わらずかわいいわぁ……。」
「マリウス、今日はシーアの制服を見に来たんだ。来月から魔法学校に入学するからな。」
「ついにシーア君も学校に通うのね?そういえば第1王子も今は魔法学校に通っているんじゃなかったかしら。」
「あぁ、確かシーアの2つ年上だっただろう。目をつけられなければいいがな。」
「まぁとりあえず採寸始めましょうか。」
「うん!」
身長や胸囲、腕の長さなど様々な所を測っていく。
身長が高くなってる!嬉しいな……当然の事ながら獣人の平均身長には全く届かないんだけどね……。
「よし、測り終えたわ。あとは5日くらいで完成するからその時にもう一度来てくれる?」
「あぁ、わかった。」
「じゃあお茶を入れるから少しお話していきましょ。お菓子もあるわよ。」
「わぁ、お菓子もあるの?食べたいです!」
「ふふ、そこのソファに座ってちょうだい。」
ところどころにレースやフリルがあしらわれた上品で可愛らしいソファだ。
カルロスの隣に座り、足をブラブラさせながらマリウスを待っていると、マリウスが紅茶と華やかなクッキーがのった皿を運んできた。
「美味しそう!」
僕はさっそくテーブルの上に手を伸ばした。
「ところでマリウスは魔法学校について何か情報あるか?」
「あら、そんなにシーア君が心配なのね。」
「当たり前だろ。俺の可愛いシーアがどんなやつに襲われるか分からねぇ。予め把握しておかないと。」
「まぁ、怖いわ。うーん、そうねぇ。さっきも言ったけど1番は第1王子ね。そもそも王家の者だから気に入られてしまえば断るのは難しいわ。それに第1王子はかなり優秀らしくて周囲からの信頼も厚いわ。あと2、3年もすればきっと生徒会長になるわね。」
「それは手強いな。婚約者は?」
「それが今の陛下や皇妃様が好きな相手と結婚して欲しいと言ったらしくて、婚約者がいないのよ。」
「……それは大丈夫なのか?」
「まぁ、第1王子は優秀らしいし大丈夫なんじゃないの?……まぁ、だからこそシーア君が危ないっていうのもあるわね。」
「はぁ、まずいな……。」
「第1王子はそんなに危ないの?」
なんだか怖い言葉が聞こえてきて思わず話に混じってしまった。
「あー……危ないと言えば危ないのかしら?」
「いいか、シーア。魔法学校に行ったら、第1王子には会わないようにしろ。」
「え、なんで?」
「えっと、そのだな……第1王子に気に入られたらパパと会えなくなるかもしれないからだ!」
「え?!パパと会えなくなるの?!そんなのやだ!!」
「そうだろ?パパも嫌だ。だから第1王子には気をつけるんだ。」
「うん!分かった!!」
第1王子に気をつけなければと使命感に溢れていた僕は、隅で、うわぁ、とひいているマリウスに気付かなかった。
「きゃああっ!シーア君じゃない!!」
「お久しぶりです!マリィちゃん!!」
「まぁ、名前も覚えててくれたのね?!相変わらずかわいいわぁ……。」
「マリウス、今日はシーアの制服を見に来たんだ。来月から魔法学校に入学するからな。」
「ついにシーア君も学校に通うのね?そういえば第1王子も今は魔法学校に通っているんじゃなかったかしら。」
「あぁ、確かシーアの2つ年上だっただろう。目をつけられなければいいがな。」
「まぁとりあえず採寸始めましょうか。」
「うん!」
身長や胸囲、腕の長さなど様々な所を測っていく。
身長が高くなってる!嬉しいな……当然の事ながら獣人の平均身長には全く届かないんだけどね……。
「よし、測り終えたわ。あとは5日くらいで完成するからその時にもう一度来てくれる?」
「あぁ、わかった。」
「じゃあお茶を入れるから少しお話していきましょ。お菓子もあるわよ。」
「わぁ、お菓子もあるの?食べたいです!」
「ふふ、そこのソファに座ってちょうだい。」
ところどころにレースやフリルがあしらわれた上品で可愛らしいソファだ。
カルロスの隣に座り、足をブラブラさせながらマリウスを待っていると、マリウスが紅茶と華やかなクッキーがのった皿を運んできた。
「美味しそう!」
僕はさっそくテーブルの上に手を伸ばした。
「ところでマリウスは魔法学校について何か情報あるか?」
「あら、そんなにシーア君が心配なのね。」
「当たり前だろ。俺の可愛いシーアがどんなやつに襲われるか分からねぇ。予め把握しておかないと。」
「まぁ、怖いわ。うーん、そうねぇ。さっきも言ったけど1番は第1王子ね。そもそも王家の者だから気に入られてしまえば断るのは難しいわ。それに第1王子はかなり優秀らしくて周囲からの信頼も厚いわ。あと2、3年もすればきっと生徒会長になるわね。」
「それは手強いな。婚約者は?」
「それが今の陛下や皇妃様が好きな相手と結婚して欲しいと言ったらしくて、婚約者がいないのよ。」
「……それは大丈夫なのか?」
「まぁ、第1王子は優秀らしいし大丈夫なんじゃないの?……まぁ、だからこそシーア君が危ないっていうのもあるわね。」
「はぁ、まずいな……。」
「第1王子はそんなに危ないの?」
なんだか怖い言葉が聞こえてきて思わず話に混じってしまった。
「あー……危ないと言えば危ないのかしら?」
「いいか、シーア。魔法学校に行ったら、第1王子には会わないようにしろ。」
「え、なんで?」
「えっと、そのだな……第1王子に気に入られたらパパと会えなくなるかもしれないからだ!」
「え?!パパと会えなくなるの?!そんなのやだ!!」
「そうだろ?パパも嫌だ。だから第1王子には気をつけるんだ。」
「うん!分かった!!」
第1王子に気をつけなければと使命感に溢れていた僕は、隅で、うわぁ、とひいているマリウスに気付かなかった。
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