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カルロスが僕のところまで走ってくる。そのまま僕を抱き上げ、僕に声をかけてきた獣人さんを睨みつけた。
「俺のシーアに何をしている?」
「パパ!」
「あれ?お父さん?じゃあさー息子さん俺にくれない?大切にするからさ。」
「やるわけないだろ?」
「まぁ、そりゃそうか!とりあえず、俺はルート・ヘーベル。侯爵家次男だ。クレセント辺境伯様?」
にやりと虎の獣人が笑った。どうやら貴族だったらしい。
「ほう、ヘーベル侯爵家か。うちの隣の隣の領地だな。」
「あぁ、それよりも辺境伯様。貴方には息子は二人しかいないと思ってたんだけど、どこで拾ったの?その子。」
「それは言う必要があるか?とにかくこの子はうちの子だ。それに番だってまだ早いだろ。」
「そうかな。でも早くしなきゃ誰かに取られちゃいそうなんだよね。例えば、息子を溺愛しすぎてるお父さんとか……」
「何が言いたい?」
「いや?まぁ、血は繋がってないもんね。っていうことで、諦める気ないからね?俺。」
「俺もくれてやる気はない。」
カルロスとルートの間にバチバチと火花が散る。
「ちょっ、パパ……」
「「シーア!!!!!」」
エーヴェンとフォレストがひったくり犯を引き渡したらしく走って戻ってくる。
「大丈夫か?!」
「父上、どうかしたのですか?!」
「おい、お前たち2人でシーアの元を離れるなんてどういうことだ。おかげでシーアは変なやつに目をつけられただろ。」
「変なやつってなんだよ?俺はシーアを愛してるだけだよ?」
「なっ?!」
「どちら様ですか?」
「これはこれは挨拶もせずに。ヘーベル侯爵家次男ルート・ヘーベルです。」
「ヘーベル侯爵家……。」
「どうやらお兄さんたちも俺のライバルかな?頑張らないとね。じゃあね、シーア。また会おうね。」
僕の旋毛にキスを落とし、手を振りながら仲間たちと去っていく。必死にカルロスたちに頭を撫で回され、消毒と言って順番にキスをされる。ちなみに僕は、カルロスが買ってきた美味しそうなお肉がゴロゴロ入ったケバブのようなものを頬張っている。うん、冷めても美味しい。
「もう!僕の服とかも見に行くんでしょ!早く行こ!」
「あぁ、そうだな。ごめんな。シーア。1人にさせて。」
エーヴェンとフォレストが肩を落とす。
「大丈夫だよ。すぐにパパが来てくれたし。特になんかされた訳でもないし。」
「キスされたでしょう?!」
「でも、旋毛だよ?減るもんじゃないし。」
「はぁ……」
何故かため息を疲れる。僕が食べ終わったところで早速洋服店に向かうみたいだ。既製品ももちろん買うけど、オーダーメイドの服も作ってくれるんだって。
「ほら、早く行こう!」
僕はにこにこしながらみんなの手を取る。視線は相変わらず感じたが洋服店を目指し歩き出した。
「俺のシーアに何をしている?」
「パパ!」
「あれ?お父さん?じゃあさー息子さん俺にくれない?大切にするからさ。」
「やるわけないだろ?」
「まぁ、そりゃそうか!とりあえず、俺はルート・ヘーベル。侯爵家次男だ。クレセント辺境伯様?」
にやりと虎の獣人が笑った。どうやら貴族だったらしい。
「ほう、ヘーベル侯爵家か。うちの隣の隣の領地だな。」
「あぁ、それよりも辺境伯様。貴方には息子は二人しかいないと思ってたんだけど、どこで拾ったの?その子。」
「それは言う必要があるか?とにかくこの子はうちの子だ。それに番だってまだ早いだろ。」
「そうかな。でも早くしなきゃ誰かに取られちゃいそうなんだよね。例えば、息子を溺愛しすぎてるお父さんとか……」
「何が言いたい?」
「いや?まぁ、血は繋がってないもんね。っていうことで、諦める気ないからね?俺。」
「俺もくれてやる気はない。」
カルロスとルートの間にバチバチと火花が散る。
「ちょっ、パパ……」
「「シーア!!!!!」」
エーヴェンとフォレストがひったくり犯を引き渡したらしく走って戻ってくる。
「大丈夫か?!」
「父上、どうかしたのですか?!」
「おい、お前たち2人でシーアの元を離れるなんてどういうことだ。おかげでシーアは変なやつに目をつけられただろ。」
「変なやつってなんだよ?俺はシーアを愛してるだけだよ?」
「なっ?!」
「どちら様ですか?」
「これはこれは挨拶もせずに。ヘーベル侯爵家次男ルート・ヘーベルです。」
「ヘーベル侯爵家……。」
「どうやらお兄さんたちも俺のライバルかな?頑張らないとね。じゃあね、シーア。また会おうね。」
僕の旋毛にキスを落とし、手を振りながら仲間たちと去っていく。必死にカルロスたちに頭を撫で回され、消毒と言って順番にキスをされる。ちなみに僕は、カルロスが買ってきた美味しそうなお肉がゴロゴロ入ったケバブのようなものを頬張っている。うん、冷めても美味しい。
「もう!僕の服とかも見に行くんでしょ!早く行こ!」
「あぁ、そうだな。ごめんな。シーア。1人にさせて。」
エーヴェンとフォレストが肩を落とす。
「大丈夫だよ。すぐにパパが来てくれたし。特になんかされた訳でもないし。」
「キスされたでしょう?!」
「でも、旋毛だよ?減るもんじゃないし。」
「はぁ……」
何故かため息を疲れる。僕が食べ終わったところで早速洋服店に向かうみたいだ。既製品ももちろん買うけど、オーダーメイドの服も作ってくれるんだって。
「ほら、早く行こう!」
僕はにこにこしながらみんなの手を取る。視線は相変わらず感じたが洋服店を目指し歩き出した。
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