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本編
告白されました。
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ふと、民衆の中から大きな犬の獣人が出てきた。
「エーヴェン様!シーア様には番がいらっしゃいますか?」
「僕に番?いないよ?」
「本当ですか!それならば俺の番になってくれませんか?!」
「でも僕男の子だよ?」
「そんなの関係ありません!出会ってから早すぎるとは思いますが俺はシーア様に一目惚れしました。どうか俺と一緒に一生を生きてくれませんか?」
「あっ!お前ずるいぞ!シーア様!こいつじゃなくて俺の番になってください!!」
「俺も!」
周りの男の獣人たちが僕に話しかける。困っているとエーヴェンが話した。
「断る。」
「えっ?!エーヴェン様?!」
「断る。言っただろう?シーアは俺の大事な子だと。」
「……そういう事ですか。」
あからさまにみんながっかりする。エーヴェンは得意げにドヤ顔を晒している。
「……エーヴェンお兄ちゃん、お腹すいた。」
「そうだな。あっち行くか。」
「うん!」
賑わっている露店をまわる。初めて食べるものが多かった。まず甘辛いタレがたっぷりかかった串焼きを買った。獣人用のそれは1串がとてもでかい。僕は全部食べるとお腹がいっぱいになるので1つ目だけ食べて残りをエーヴェンにあげる。残りの肉はあっという間にエーヴェンのお腹に吸い込まれていった。
「美味しい!」
「そうか、良かった。口の周りにタレがついてるぞ?」
そう言ってエーヴェンは僕を抱き上げ口の周りをペロリと舐める。僕はそれだけで顔が真っ赤になってしまった。
「ちょっ!エーヴェンお兄ちゃん!恥ずかしいよ!」
「ん?いつもしてるじゃないか。」
「そ、それはそうだけど……。」
そう、家族とのキスは日常化するようになった。家の中なら恥ずかしさもまだ少しましだが、やはり外は恥ずかしい。家の中でも顔は赤く色づいてしまうのだが。
中に肉がたっぷり詰まった饅頭などやはり肉料理が多かったが、中に甘い餡が入った饅頭も買ってもらった。1つが大きいので全てエーヴェンと半分こだが、それでもお腹がいっぱいになった。
「エーヴェンお兄ちゃん。」
「ん?どうした?」
「あのね、僕が拾われてからみんなにはいっぱいお世話になったでしょ?だから今日はねみんなにお土産を買いたい。」
「お!いいと思うぞ。みんな喜ぶだろう。誰に渡す予定なんだ?」
「えっと、パパとエーヴェンお兄ちゃん、フォレストお兄ちゃん、あとはアリッサ!僕のお世話をしてくれてるからね。」
「そうか、じゃあ一緒に選ぶか?」
「ううん、僕1人で選ぶ!エーヴェンお兄ちゃんへのお土産もあるからね。」
パチンとウインクをしてエーヴェンを見る。とても嬉しそうに頬を緩ませたエーヴェンは僕にテリスさんをつけて別行動を取るようにしてくれた。僕は早速お土産を探しに市場に足を踏み入れた。
「エーヴェン様!シーア様には番がいらっしゃいますか?」
「僕に番?いないよ?」
「本当ですか!それならば俺の番になってくれませんか?!」
「でも僕男の子だよ?」
「そんなの関係ありません!出会ってから早すぎるとは思いますが俺はシーア様に一目惚れしました。どうか俺と一緒に一生を生きてくれませんか?」
「あっ!お前ずるいぞ!シーア様!こいつじゃなくて俺の番になってください!!」
「俺も!」
周りの男の獣人たちが僕に話しかける。困っているとエーヴェンが話した。
「断る。」
「えっ?!エーヴェン様?!」
「断る。言っただろう?シーアは俺の大事な子だと。」
「……そういう事ですか。」
あからさまにみんながっかりする。エーヴェンは得意げにドヤ顔を晒している。
「……エーヴェンお兄ちゃん、お腹すいた。」
「そうだな。あっち行くか。」
「うん!」
賑わっている露店をまわる。初めて食べるものが多かった。まず甘辛いタレがたっぷりかかった串焼きを買った。獣人用のそれは1串がとてもでかい。僕は全部食べるとお腹がいっぱいになるので1つ目だけ食べて残りをエーヴェンにあげる。残りの肉はあっという間にエーヴェンのお腹に吸い込まれていった。
「美味しい!」
「そうか、良かった。口の周りにタレがついてるぞ?」
そう言ってエーヴェンは僕を抱き上げ口の周りをペロリと舐める。僕はそれだけで顔が真っ赤になってしまった。
「ちょっ!エーヴェンお兄ちゃん!恥ずかしいよ!」
「ん?いつもしてるじゃないか。」
「そ、それはそうだけど……。」
そう、家族とのキスは日常化するようになった。家の中なら恥ずかしさもまだ少しましだが、やはり外は恥ずかしい。家の中でも顔は赤く色づいてしまうのだが。
中に肉がたっぷり詰まった饅頭などやはり肉料理が多かったが、中に甘い餡が入った饅頭も買ってもらった。1つが大きいので全てエーヴェンと半分こだが、それでもお腹がいっぱいになった。
「エーヴェンお兄ちゃん。」
「ん?どうした?」
「あのね、僕が拾われてからみんなにはいっぱいお世話になったでしょ?だから今日はねみんなにお土産を買いたい。」
「お!いいと思うぞ。みんな喜ぶだろう。誰に渡す予定なんだ?」
「えっと、パパとエーヴェンお兄ちゃん、フォレストお兄ちゃん、あとはアリッサ!僕のお世話をしてくれてるからね。」
「そうか、じゃあ一緒に選ぶか?」
「ううん、僕1人で選ぶ!エーヴェンお兄ちゃんへのお土産もあるからね。」
パチンとウインクをしてエーヴェンを見る。とても嬉しそうに頬を緩ませたエーヴェンは僕にテリスさんをつけて別行動を取るようにしてくれた。僕は早速お土産を探しに市場に足を踏み入れた。
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